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舞台『ピカソとアインシュタイン~星降る夜の奇跡~』岡本健一&川平慈英 インタビュー

「あのピカソとアインシュタインが、もし若き日に出逢っていたら?」そんな奇想天外な発想から生まれたファンタジック・コメディ『ピカソとアインシュタイン~星降る夜の奇跡~』が、2019年春、19年ぶりに日本で上演される。

出演は1997年の日本初演、2000年の再演のキャスト、岡本健一&川平慈英と今回新たに参加する三浦翔平&村井良大の2チームバージョン。しかも、ひとチームがピカソ&アインシュタインを演じている時には、もうひとチームは訪問者とシュメンディマンという役で出演するという斬新なキャスティングとなる。

脚本はコメディアンで俳優のスティーヴ・マーティン。演出はスティーヴと共にこの芝居を作りあげたランダル・アーニーが今回も来日し担当する。

初演、再演では劇場が笑いにあふれたと伝わる舞台『ピカソとアインシュタイン~星降る夜の奇跡~』。
出演するROSEチームの岡本健一と川平慈英に、初演時の思い出から作品について話してもらった。

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―上演を聞いた時の感想はいかがでしたか?
岡本:以前の公演についてはあまり覚えてないんですが、20年はあっという間でした。慈英とはお互いの公演を観に行ったりしたけれど、会うのは久しだね。
川平:そうだね。最後に会ったのは『ロッキー・ホラー・ショー』だったかな?健一との共演はこの作品が最初で最後だったので、今回は「岡本&川平コンビ復活!」って感じです。長くやっていると、嬉しい再会があるんだなぁと思いました。

―この作品については?
川平:この作品は僕の中でも「大・大・大好き!」。なぜかというと、僕が勝手に大師匠だと思っているスティーヴ・マーティンさんがつくった作品だから。演出家のランダル・アーニーさんとも僕は相性がぴったり。20年前、僕がまだ自分の感覚や役に対するアプローチや「演劇とは?俳優とは?」と、もがいていた時に彼と出会って心酔しました。そして今回の再会…すごくポジティブな再会なので、素直に嬉しいです。
岡本:この舞台は本当に楽しかったですね。正直に言うと、稽古場では「これ、本当に面白いのかな?」「アメリカンコメディだから日本人には通じるのかな?」とも思っていたんです。だから「観客が笑わなくてもいい」と自分の中では思いながら、とにかく必死になってやっていたら、お客様が笑ってくれていた。そこで「そんなに楽しい芝居なんだ!」とわかりました。
川平:ランダルさんのマジックはありましたね。まず「グッド!」と笑顔で肯定して、「じゃ、これはどう?」って他のやり方へ誘う。僕はそういうのにすごく弱いんです。怖い演出家には萎縮しちゃうんですけど。忘れもしない…稽古を始めて2週目くらい、台詞が身体に入って来た頃にランダルさんが「ここからゆっくり滑走路入って、そろそろ飛び立とうか」とか、3週目には「もっと大空へ飛び立とうか」って言うんです。スポーツで「この監督のために勝ちたい」とか、よく言うでしょ。あれと同じ気持ちですよ。「この人のためにいい芝居をしたい、いい物を作りたい」と思いました。(笑)
岡本:とにかく楽しい時間しかなかったですね。なんでしょうね、あれは。
川平:ランダルさんはどんな俳優にもスタッフにもリスペクトの気持ちを持って同じ態度で接するんです。そして稽古場に来た時には「thank you for coming」って言ってくれる!「稽古に来てくれてありがとう」なんて、今まで言われたことがなかった!(笑)

―初演時には役作りはどのようにされたのですか?
岡本:(時代背景は1904年なので)僕の演じるピカソは『アヴィニヨンの娘たち』(1907年)を描く少し前です。ニューヨークのMOMAに行って「これを描いた人を自分が演じるんだ…」と思いながら『アヴィニヨンの娘たち』を1時間くらい見ていました。
川平:プレッシャーが押し寄せてきた?
岡本:「なぜこう描いたんだろう?」「なぜこの表現なんだろう?」などと考えて、自分の中で対話していたような覚えがあります。
川平:僕が演じるアインシュタインには既成のイメージがあるでしょ。それをどう表現しようかと思ってランダルさんに相談したら「まったくそんなことは考えなくていい」と言われました。「アンシュタインはこうであろうとか、全く考えなくていい。人生を悪戦苦闘しながら、でも人生を謳歌して懸命に生きて人をやればいい。そうすれば自然にアインシュタインになるから」「あなたがエンジョイして演技しているのを見たいんだ」と。肩の荷が下りて楽になりました。
岡本:本当にアインシュタインみたいでしたよ。
川平:もう! 嬉しいなぁ。(笑)みんなが前向きでエンジョイしようという、いい環境でした。

―それから20年近く経っての今回の上演ですね。改めていかがですか?
岡本:自分は再演でも毎回ゼロから始めます。そして発見がいっぱい生まれてきます。再演でも初演の時には全然気がついてなかったことがあるもの。それが再演の面白さでもあります。そして初演から20年経ったことについては、先輩方を見ていると男性は年をとればとるほど子供になっていくようです。やりたいことを純粋にやり続けていると、僕等も子供になっていくような気がします。
川平:うん、自分は中二じゃないかと思う時があるくらい.(笑) 俳優は作品ごとにフルスロットルでその作品に入るので、僕も関わってきた作品については、だいぶ忘れています。また台本を読んだら、ジワジワと実感があるのではないかと思いますが、基本的には再演でも真っ白な状態からはじまります。30年も俳優をやっているので「そんな力技は必要ないんだ」というような気付きはあると思いますし、年齢を重ねることでマインドのコントロールという面では成長しているだろうと思いますが、それがプラスになるかとは限らないし、経験したからと過信すると落とし穴にはまることもあるでしょう。だから基本的には子供が「欲しかったおもちゃをありがとう」というような気持ちで楽しみながらやりたいと思います。

―今回は岡本さんと川平さんはROSEチームではピカソ役とアインシュタイン役を、BLUEチームでは未来からの訪問者役とシュメンディマン役を演じますね。
川平:そこはプッシュポイントです!実は僕、未来からの訪問者をやりたかった!(笑) でも僕だと簡単にイメージできて面白くないとも思うですね。僕がやるのは、自分を天才だと思っている発明家・シュメンディアン 。台詞たくさんあるよね?
岡本:ある、ある!
川平:わぁ~!出番は多くないけれど、濃密な役だ。初演も再演でもシュメンディマンという役がすごく好きだった。
岡本:僕が演じる訪問者役は気持ちいい役ですよ。
川平:腰をクィクィやるんだね。あのスティーヴの発想はすごいよね。楽しみだなぁ~。(笑)

―共演する三浦翔平さん、村井良大さんとは?
川平:僕は今回が初めて。
岡本:三浦くんとはこの前『メタルマクベス disc2』を観に来てくれた時に会ったんだけど、その時はこの作品が決まってなかったからね。
川平:Wキャストは楽しいね。
岡本:きっと2チームでまったく違う感じの作品になるね。

―最後にこの作品の魅力をお願いします。
岡本:スティーヴ・マーティンは、元々は哲学などを大学で専攻していて、人の心に入っていくのは笑いだと、笑いの中にメッセージを込めた方が人には伝わると言っています。コメディだからこそ、人や国や社会に対してのメッセージが中に込められています。
川平:笑いながらシニカルなことを考えるようになって、前向きに立ち向かっていけるようになるといいね。
岡本:この作品は、本当に面白いんですよ。
川平:観ていると自分が科学者や物理学者になるような気持ちになって、脳がハッピーになるんですよ!

舞台『ピカソとアインシュタイン~星降る夜の奇跡~』
作:スティーヴ・マーティン
演出:ランダル・アーニー
翻訳:香坂隆史
出演:
(ROSE) 岡本健一 川平慈英/水上京香 吉見一豊 間宮啓行 香寿たつき 松澤一之/村井良大 三浦翔平
(BLUE) 三浦翔平 村井良大/水上京香 吉見一豊 間宮啓行 香寿たつき 松澤一之/川平慈英 岡本健一
★ROSE配役 ピカソ=岡本健一 アインシュタイン=川平慈英 シュメンディマン=村井良大 訪問者=三浦翔平
★BLUE配役 ピカソ=三浦翔平 アインシュタイン=村井良大 シュメンディマン=川平慈英 訪問者=岡本健一

ピカソ、 アインシュタイン、 シュメンディマン、 訪問者がWキャスト
他のキャストは、 ROSE・BLUEとも同じ配役

■東京公演
2019年4月25日(木)~5月9日(木) よみうり大手町ホール 全18回
チケット料金:S席 8,800円、 U-25チケット4,500円
HPアドレス http://hpot.jp/stage/picassoeinstein2019
公式ツィッター @picassoeinstein
主催:ホリプロ

■大阪公演
5月12日(日)森ノ宮ピロティホール 全2回
チケット料金 : 全席指定 9,800円
HPアドレス http://www.kyodo-osaka.co.jp/schedule/E021318-1.html
主催:関西テレビ放送/キョードーマネージメントシステムズ

企画制作:ホリプロ