こう2019年2月22日(金)のEXシアター六本木を皮切りに、大阪、札幌にて上演される六本木歌舞伎第三弾『羅生門』の製作発表記者会見が、2月4日(月)に都内で行われた。
六本木歌舞伎は、「楽しい、新しい歌舞伎を作ろう」と、2015年2月上演の市川海老蔵と中村獅童出演、宮藤官九郎脚本、三池崇史演出の『地球投五郎宇宙荒事』から始まった。
2017年2月には第二弾、リリー・フランキー脚本、三池崇史演出、市川海老蔵と寺島しのぶの出演の『座頭市』が上演。いずれも大好評をおさめた。
そして今回の第三弾は、芥川龍之介の代表作『羅生門』。
演出は第一弾から引き続いての三池崇史。出演は市川海老蔵、そして共演には歌舞伎初出演となる三宅健が決定し、3人揃っての会見となった。
三宅健 市川海老蔵 三池崇史
三池崇史 今回は第三弾ということで、非常に追い詰められた状況で、初日に向けてヒリヒリした日々を楽しく過ごしています。今日は普段着れない和服を着せて頂き、この空間も含めて映画では味わえない経験をさせて頂き、海老蔵さんと三宅健さんと芥川龍之介さんと同じ時間を過ごせることを幸せに感じています。初日にたぶん間に合うと思いますが、千秋楽まで突っ走って、演者のみなさまには無事に、観客には感動…新たな気付きを感じて頂ける舞台に仕上がっていくと思います。楽しみにお待ちください。
歌舞伎の専門家ではないですが、僕の歌舞伎は映画で知り合った海老蔵さんそのもの、海老蔵さんが生きて来た世界です。それをやるにあたって、海老蔵さんの舞台をみたりして感じたことは、海老蔵さんは「伝統を守りつつも何を生み出せるのか」に興味をもっているし使命も感じている。それで海老会やいろいろコンセプトの違うものをやっている。例えば宮藤官九郎の脚本で私の演出で歌舞伎をやろうという人は、市川海老蔵さん以外に存在しないと思います。歌舞伎の中に閉じこもるのではなくて、歌舞伎役者として蓄えたエネルギーをさらに増幅して噴射してお客様に伝える。(本作は)これから稽古が始まって、初日にどうなるのか。イメージはありますが、本当にどうなるのか、まだわからないです。初日をご覧になるお客様はすごく楽しみだと思います。
市川海老蔵 今回は三宅さんとご一緒することでワクワクしています。『羅生門』という芥川龍之介さんの作品に挑む、三池監督とまたご一緒するということは、どんな変化が起こります。普段歌舞伎をやっている者としていつも以外の引き出しが、気付いていないようなことに気付けるような時間を稽古の中で過ごして、そして初日を迎えるにあたって具現化をして多くの方々に何かを感じて頂ける作品になるのではないかと思っています。是非多くの方々に見て頂きたいと、六本木歌舞伎ですが大阪・北海道にも参ります。
(台本を読んでの感想は)『羅生門』といえば黒澤明監督作品のイメージがあると思いますが、エゴイズムに対しての三池ワールドを咀嚼して私たちに表現して欲しいのだと感じています。
(歌舞伎を観たことがない方へのアドバイスをお願いします)三宅さんのファンの方が歌舞伎を観るときの質問だと判断させて頂きますと、基本的に三宅健を見ていれば良いと思います。(一堂爆笑) そういうことの中で「歌舞伎ってこういうことをやるんだな」とちょっと興味をもって頂けると良いです。
三宅健 39歳になるわけですが、まさか歌舞伎に出演させていただくことになるとは、本当に考えもしなかったことです。小さい頃から修練なさってきた歌舞伎役者さんの海老蔵さんと、ずぶの素人の私が同じ舞台に立たせて頂けるのは生涯で一度有るか無いかのことだと思っています。最初で最後のつもりで、捨て身で無我夢中で頑張りたいと思います。これをきっかけに、ジャニーズファンのみなさまに本物の歌舞伎というものに触れていただける、素敵なことだと思っていますので、多くの方に観て頂きたいと思っております。
海老蔵が演じるのは「老婆と、カットされなければたぶん渡辺綱をやります。老婆と渡辺綱は歌舞伎の古典を手本に。そしてもうひと役あります。市川海老蔵という役です」。囲み取材では更に市川海老蔵と役について「六本木歌舞伎では毎回、市川海老蔵という役がありましたが、今回はないはずでした。ところが、まわりからのリクエストがあり、今回は急遽ボリュームある役となっています。今は古典中心にやっておりますが、六本木歌舞伎では″歌舞伎の中で海老蔵というものを演じる”のもひとつの形になりつつあるので、仕方なく…」と説明を加えた。
下人、右源太を演じる三宅健は終始緊張の面持ち。「プレッシャーですよ!」「海老蔵さんの多大なるお力をお借りしてどうにか初日を迎えられたらと思っています」「日本舞踊、殺陣を稽古しています。洋舞とは勝手ちがって、相当難しいです。死にもの狂いでお稽古しないと」との言葉に相当の覚悟が感じられた。初日には、新たな三宅健の誕生が観られそうだ。
六本木歌舞伎 第三弾『羅生門』
【出演】市川海老蔵、三宅健 他 【原作】芥川龍之介 【演出】三池崇史
公式HP http://www.roppongikabuki3.com/
≪東京公演≫
【期間】2019年2月22日(金)~3月10日(日)
【会場】EXシアター六本木
【料金】一等席14,000円/二等席10,000円(全席指定・税込)※未就学児童入場不可
【主催】株式会社3Top/読売新聞社/六本木歌舞伎実行委員会
≪大阪公演≫
【期間】2019年3月13日(水)~3月17日(日)
【会場】オリックス劇場
【料金】一等席13,000円/二等席10,000円(全席指定・税込)※未就学児童入場不可
【主催】サンライズプロモーション大阪
≪札幌公演≫
【期間】2019年3月21日(木・祝)~3月24日(日)
【会場】わくわくホリデーホール(札幌市民ホール)
【料金】一等席13,000円/二等席10,000円(全席指定・税込)※未就学児童入場不可