3月1日(金)から銀座・博品館劇場を皮切りに、大阪・静岡・愛知でも上演されるミュージカル「Red Hot and COLE」の製作発表が、2月8日に行われた。
主演の屋良朝幸の他、7名のキャストと翻訳・演出の小林薫が登壇。楽曲2曲を歌唱披露し、本作の魅力と意気込みを語った。
後列左から)小林香 彩乃かなみ 矢田悠祐 吉沢梨絵 木内健人 真瀬はるか
後列左から)彩吹真央 屋良朝幸 鈴木壮麻
本作は、ブロードウェイで活躍し、アメリカのポピュラー音楽史に多大な足跡を残したソングライターと、その名曲をたっぷり紹介するレビュースタイルのシリーズ「ブロードウェイ・ショーケース」の第3弾。
名曲♪「ビギン・ザ・ビギン」やミュージカル『キス・ミー・ケイト』等で知られる作詞作曲家コール・ポーターの生涯を綴り、彼の楽曲から26曲が歌われる。
その楽曲から、まず主演の屋良朝幸が♪「I’m a gigolo」をソロで披露。しっとりとした前半と軽やかでリズミカルな後半という魅惑の一曲。
登壇者全員で♪「Friendship」を合唱。美しいハーモニーを響かせた。
小林香:コールの人生の光と陰を、彼の作詞作曲した全26曲の名曲と共に彩っている作品です。今、この屋良朝幸さんをはじめとする素晴らしいキャストのみなさんとスタッフと共に稽古をしているところです。どうぞ楽しみになさっていて下さい。
複数役をつとめる方が多いので、稽古場でどんどん引き出しを開けて下さいとお願いしています。昨日も吉沢さんが突然腰の曲がったおばあさんとして出てきて、彩乃さんが笑って歌えなくなるということがありました。とにかく、決められた与えられた枠をはみ出して自由に稽古を進めています。予期していない瞬間がたくさん生まれつつある稽古をしています。
屋良朝幸: ♪「I’m a gigolo」をお聞かせしましたが、この場で歌うことになるとは思っておらず、まだまだ練習の段階です。本番ではコール・ポーターとして素敵に歌いたいと思っておりますので、楽しみにいらしてください。
(楽曲を歌ってみて)とんでもなく難しい。今までの経験の中でも一番難しいです。コールの性格や人生が、歌詞やメロディになっているのかなとおもっていて、歌っていて気持ちよくないこともありますが、そこがコール・ポーターの良さだとも聞いています。難しいのですが、そこを理解しながらやっていくのは新しいし面白いなと思います。先輩方がさすがな歌声を持っているので、そこに助けてもらいたいなという思いでがんばります。
鈴木壮麻: モス他、一人でいろいろな役をやります。上手く仕分けてやりたいと思っています。コールの作品はドラマチックでリズミカルで物悲しげ。そんないろんな要素のある楽曲にみんなでまみれています。一人ひとパートで8人でコーラスしながら踊るというかなりレベルの高いことをやっています。そこをクリアしながら感情をのせて演技するという、楽しみながら、実はもだえ苦しみながらやっています。まるでアヒルが水面下では足をバタバタしながら、水上では優雅に見えるような感じです。そこがこの稽古場の楽しくてわくわくするような瞬間かなと思っています。
彩吹真央:大好きなコール・ポーターのミュージカルに出演できて、毎日幸せを噛みしめながら稽古させて頂いています。私も数役やらせて頂くので、一つの作品の中でいろいろなカラーを出せたらいいなと思っています。
吉沢梨絵:いろいろな役をやって、盛り上げたいと思っています。ひとつ前の出演作が音痴の役だったので、今回は名曲を歌えるのか、心配していましたがなんとか大丈夫そうです。このままお稽古して、踊りもたくさんあるので、楽しんで頂けるショーに皆で頑張って作り上げたいと思っております。
矢田悠祐 :全部で 6役をやります。複数の役を演じるのは初めて。楽しんで作品を盛り上げていけたらと思っています。6役は大変なのですが、やりがいがあって楽しいなぁと思っています。周りの先輩方の引出しの多さが本当にスゴイので、全部盗んで僕の引出しに入れられたらいいなと思っています。
木内健人:僕も6役します。楽しく演じ分けられるといいなと思っていますし、なにより素敵なキャストのみなさんとご一緒できることを嬉しく思っています。
歌が本当に難しいのですが、以前コールさん作曲のミュージカルに出演したことがあって、その時に「音楽が背中を押してくれる瞬間がたくさんある」と思いましたので心強いです。今はピアノだけの伴奏ですが、これにオケが入ると重厚になって僕等には心強いし楽しみですが、まずはそこに頼らずダンスもコーラスも自分の力でパフォーマンスできるように頑張りたいと思います。
彩乃かなみ:まだよく知られていなかったコールの楽曲を知らしめた妻・リンダ役としてお稽古しています。毎日コールの曲に酔いしれてお稽古場にいるので、私が感じたこの思いをお客様に届けられるように頑張りたいと思います。
私はリンダ役を通しで演じ、他の方より演じる役の数は少な目です。自分の役を果たしながら、他の役の方の面白い部分が立つようにバランスを考えながら作っているのが楽しいです。
歌うだけでなく踊りも多く、2日に1日か毎日振付が入っており、集中した日々を送っています。ついていくのは大変ですが、今闘った分、楽しい物をお届けできるのではないかと思っています。
真瀬はるか:6役をやります。いろいろな引出しを開けて、無い引出しはなんとか作って、素晴らしい先輩方にくっついて頑張っていきたいと思います。歌に踊りにボリュームたっぷりの作品なので、そこを自分なりに消化してお届けできるように頑張りたいと思います。
いろんな役を演じるために、試行錯誤しています。屋良さんが柔らかいのに肝が据わっている感じがして、チャレンジしやすい環境であることがとても助けになっています。
少人数の出演者なのに、観客は目が足りない…ということになると思っているので、何度も観に来て頂けたらと思っています。
小林香:屋良くんの居方がみんなに良い影響を与えていると思っています。本シリーズ第一弾から一貫して寡黙に他の人の表現を静かに心を動かしながら見つめている姿が、他のキャストをひっぱっています。新しい座長の居方を感じています。私もそこに助けられていると感じています。
そして、今この場で初めてみなさんが本作についてお話しになるのを聞きました。いっぱい役をやって、そんなに大変だったんですね。(笑)私は日々それをエンジョイしながら稽古していました。(笑)2時間(の公演時間の中)で役を変えるのはエネルギーが必要ですが、その分、弾力有る力強い作品になると思いますので、楽しみにして頂けたら嬉しいです。
ミュージカル「Red Hot and COLE」の公演は3月1日(金)~17日(日)まで銀座・博品館劇場にて上演。その後、大阪・森ノ宮ピロティホールにて3月21日(木・祝)、 静岡・富士市文化会館ロゼシアター 大ホールにて3月24日(日)、愛知・刈谷市総合文化センターアイリス 大ホールにて3月27日(水)に上演予定。