山本一慶が主演を務める舞台『Run For Your Wife』が2019年7月27日(土)~31(水)まで東京・三越劇場にて上演される。
イギリスの人気劇作家レイ・クーニー原作の人気コメディで、1つのウソからウソを重ね大騒動に発展していく抱腹絶倒のドタバタ劇を、若手からベテランまで幅広いキャストで描く。
平凡なタクシードライバー、ジョン・スミス。ジョンには2人の妻がいて、重婚生活を楽しんでいる秘密があった。そんなある日、アクシデントでスケジュールが狂ってしまい重婚がバレないようにウソにウソを重ねて大変な騒ぎに!…という物語だ。
稽古は止め通し(シーンごとに止め細かい指示を挟み、全体を通す稽古)が行われていた。
ジョン(山本)はアクシデントに巻き込まれぐったり、しかし状況確認のため訪れたトラウトン警部(青木)とのやり取りで次第に自分の状況を把握していく。頭を抱えたり飛び上がったりと様々なバリエーションでパニックを表現。身もだえながら嘘に苦闘する山本は必見だ。
そんなジョンの妻メアリー(花奈)は献身的に支えるできた妻、さらにもう一人のセクシーな妻バーバラ(七木)もジョンの世話をやき動きまわるため、その立ち位置が重要になっている。小道具の置き場所にも決まりがあり、花奈と七木は「このセリフの時はこの位置」と常にチェック、身体に叩きこんでいた。
ジョンとメアリーの部屋にちょいちょいやってくるのは友人スタンリー(大柴)。無職のためジョンに借金をしているのだが、そのことでジョンの嘘にしぶしぶ協力することに。それでも心の底では人の不幸を楽しんでいる風を軽快に見せるさじ加減がさすがだ。ジョンとスタンリーの「笑い」に期待しかない。細かなセリフの応酬では大柴自ら「もう一度やりたい」と試すことも。演出の菅原道則もそれに応えるように時折席を立ち身体を使って演出する姿が見られた。
職務に忠実なトラウトン警部はジョンやスタンリーを追い詰めていく役どころ、飲み込まれないように常に線を引いているような立ち居振る舞いが印象的だ。爽やかな青木と鋭い視線のトラウトン、そのギャップに注目したい。
そしてバーバラとの部屋にはオネエのボビー(鮎川)がやってくる。初のオネエ役という鮎川は声優バリの美声を響かせ、指先で女性っぽさを意識したボビーに挑んでいる。このボビーの存在がどうジョンに影響していくのか期待が膨らむ。
軽快な会話とスピード感で紡がれる上質な笑い、そして空間使いの面白さでどんどん引き込まれる本作、男女問わず楽しめるに作品に違いない。
作品を代表して稽古の合間に、花奈澪と七木奏音に話を聞いた。
花奈は「本番も近くなり土台はできているので後は味付けですね」とほほ笑む。
――お互いの夫婦を見て感じることは?
七木「メアリーの弾け具合が、後半に向けて炸裂していくので楽しいです」
花奈「バーバラを見ていると、バーバラに浮気されるのもわかります。こういう女が好きだったのかと(笑)」
七木「花奈さんのセクシーな所を真似しようと研究しています(笑)
バーバラは女性から見ても憧れる女性ですね。ご近所さん同士でボビーさんとも明るく会話ができるお母さんみたいな人なのかなと想像していて、こういう役は初めてだったので頑張ろうと挑んでいます」
花奈「海外のホームドラマを見ているようですよね。メアリーは一番振り回されて後半爆発していくので、そのギャップの面白さを見せたいですね」
――七木さんも見どころを教えてください。
花奈「バーバラがジョンとイチャイチャします」
七木「(笑)バーバラはジョンを振り回せる女性。そこは面白く見てもらえるようにできたら。そして観ているお客様は色々な人がドアから出てきて、きっと休む暇がないと思います。どんどん展開していくので、頑張って追い付いてきてください」
花奈「お客様も頭を使うかも。一瞬ですが、飛び入りゲストが登場するところもあるので、果たしてどういうものをぶち込んできてくれるのか楽しみです。経歴も年齢も幅広い7人が集まりました。個性の大渋滞と、パッと見て逆の配役そうな私たち2人がこの役を演じる面白味みたいなところを見ていただけたら。女には色々な顔があるものですから」
取材/撮影:谷中理音
【公演概要】
タイトル:ロンドンコメディ『Run For Your Wife』
公演期間:2019年7月27日(土)~31(水) 劇場:三越劇場
訳:小田島雄志/小田島恒志 演出:菅原道則
出演:山本一慶、花奈澪、七木奏音、鮎川太陽、青木空夢、我 善導、ルー大柴
飛び入りゲスト:27日(土)17時・28日(日)17時:小南光司
29日(月)18時30分:稲垣成弥、31日(水)14時:橋本真一
企画・製作:アーティストジャパン
お問い合わせ:アーティストジャパン 03-6820-3500 http://artistjapan.co.jp