ミュージカル『フランケンシュタイン』が、日生劇場で1月8日(水)に初日を迎えた。
2017年の日本初演で熱烈なファンを生んだ、傑作ミュージカルの再演が、2020年の幕開けを飾る。
初日前日に行われた囲み取材には、初演時と同じメインキャスト4名が役柄の衣裳でそろって登壇。人気ミュージカルならではの魅力と勢いを感じさせてくれた。
小西遼生 柿澤勇人 中川晃教 加藤和樹
原作はイギリスの小説家メアリー・シェリーの同名小説(1818年)。世界的に有名な物語を、韓国の演出家ワン・ヨンボムが脚本/歌詞を、イ・ソンジュンが音楽を手掛け、人間を深く描くミュージカル大作に作りあげた。2014年に初演され、以来、多くの熱狂的ファンを生み出し続けている。日本では2017年に続き、今回も板垣恭一が潤色/演出をつとめる。
本作の見どころの1つは、メインキャストがそれぞれ2役を演じること。
囲み取材では、怪物を作り出してしまうビクター・フランケンシュタインを演じる中川と柿澤が、中川がビクターの衣裳で、柿澤はもうひと役のジャックの衣裳で登場。
ビクターの親友・アンリを演じる加藤と小西は、小西がアンリの衣裳で、加藤はもうひと役の怪物の衣裳で登場。この囲み取材でしか見ることができない稀有なワンショットとなった。
中川晃教:フランケンシュタイン博士がドラマチックな物語になり、多くお客様が感動して下さった。そんな初演を経て、今回の再演ですが、ご覧のとおり初演メンバーが揃っています。そして初演で経験した時間を深めていくことができた、そんな充実した稽古ができました。なので、今この物語の素晴らしさを観ていただきたいという気持ちが増しているのと同時に、2人のビクター、2人のアンリがいるので、ここを見なきゃもったいない!2つの面白さを体感していただきたいです。
僕一人ではフランケンシュタインという役はできなかったなということを、とても実感した再演の稽古期間を経ての今日です。かっきーありがとう! この物語で心がすごく震える瞬間に、ふと大切な人のことや、自分が生きてきた時間を振り返ることがあります。その想いは役とは全くかけ離れている個ではあるんだけれども、ミュージカルという素晴らしい時間の中で一瞬つながる・重なる瞬間があるんです。これがもしかしたらミュージカルの凄みなのかな、と改めて思います。作品に携わる一俳優としても、このミュージカルを届けていく一人の人間としても、そういう気持ちを再び、新たに持ってお客様をお迎えしたいと思っております。
柿澤勇人:3年前の初演は一生懸命突っ走っていたというか、初演のエネルギーみたいなものがあって、なんとかやり遂げたと思います。その結果として、すごい盛り上がって頂いたので、また今回もそれを巻き起こしたいと思います。再演では新しいメンバーも加わり、カンパニーの平均年齢が少し若くなったこともあってか、すごくエネルギーが溢れているので、そこも観ていただきたいです。
3年前をさらに上回る熱狂を、日生劇場で巻き起こしたいと思います。2020年の1月のスタートにぴったりの縁起のいい、ハッピーエンディングミュージカルとなっておりますので、お待ちしております?!(一同笑)
加藤和樹:こんな衣裳なので「はい!」とはなかなかならないのですが(笑)、3年前の初演は、とにかくがむしゃらにつっぱしった公演だったなと、僕らも感じています。韓国版の訳詩や台詞の足りないところを僕らなりに突き詰めてつくっていきました。今回は僕らがやった初演をベースにしつつ、また新たな解釈をするところはして、一つひとつのシーンを深め、無駄なものを削ぎ落としてより見やすくなったと思います。よりお客様が夢中になれるミュージカルになったんじゃないかなと思います。2020年1発目の作品なので、我々も全身全霊で取り組んで行きたいです。
生きるということはアンリ/怪物にとってテーマなんです。なので、改めて生きることについてのメッセージがお客様に届いたらいいなと思いますし、生命の力、人間が持つ力というものを2020年の始まりに感じていただければと思います。
小西遼生:皆は3年前のことを結構覚えていたようですが、僕は稽古が始まった時、全然思い出せなかったんです。「あれ、こんなことやったけ?」と思うくらい新鮮に稽古をやりました。やってみて、魂と記憶が抜けていくくらい全身全霊でやる作品なんだということを思い出しました。観て頂く方も、見終わった時には魂もぬけて「どこにいるんだろう?」と思うような作品になっていると感じます。
正月明けに相応しい作品なのかはともかく(笑)、間違いなく皆様の心に衝撃を与える作品になることは間違いありません。一年の始まりに大きく心を動かしていただければと思います。
初演時のことを皆さんがどれくらい覚えているかわかりませんが、もう一度びっくりすると思います。初演のメンバーが揃って友情物語や復讐物語を紡いでいく。一筋のストーリーを息を呑むように観ていただける作品に仕上がっていると思いますので、正月明けのちょっとボーッとした頭をスッキリさせに来てください。
囲み取材に続き行われたゲネプロでは、中川晃教と加藤和樹が出演。雷鳴と共に始まり、別世界へと誘われた。
初演をご覧になった方には、初演よりもいっそう切実で残酷、哀しみが迫り来る物語に驚かされることだろう。
そして、まだご覧になってない方には、ホラーでもSFでもない人間たちの物語を是非、じっくりご覧頂きたい。舞台の上に生まれる壮大な世界のなかで、息もつかせぬ3時間。
公演は、日生劇場で1月30日(木)まで。その後、愛知公演・大阪公演有り。
strong>ミュージカル『フランケンシュタイン』
<東京公演>2020年1月8日(水)~30日(木)日生劇場
<愛知公演>2020年2月14日(金)~16日(日)愛知芸術劇場 大ホール
<大阪公演>2020年2月20日(木)~24日(月)梅田芸術劇場メインホール
公式HP:https://www.tohostage.com/frankenstein/
音楽:イ・ソンジュン
脚本/歌詞:ワン・ヨンボム
潤色/演出:板垣恭一
訳詞:森雪之丞
音楽監督:島健
出演:
ビクター・フランケンシュタイン/ジャック:中川晃教 柿澤勇人 ※Wキャスト
アンリ・デュプレ/怪物:加藤和樹 小西遼生 ※Wキャスト
ジュリア/カトリーヌ:音月 桂
ルンゲ/イゴール:鈴木壮麻
ステファン/フェルナンド:相島一之
エレン/エヴァ:露崎春女
朝隈濯朗 新井俊一 岩橋 大 宇部洋之 後藤晋彦
白石拓也 当銀大輔 丸山泰右 安福 毅
江見ひかる 門田奈菜 木村晶子 栗山絵美 水野貴以
宮田佳奈 望月ちほ 山田裕美子 吉井乃歌