少女漫画、ボーイズラブ(BL)等、様々なジャンルの漫画を執筆する漫画家・中村明日美子による漫画『Jの総て』の舞台化が決定した。脚本・演出を手掛けるのは“ほさかよう”。主演“J”を演じるのは竹中凌平。
“中村明日美子”の描く美しく艶やか、官能的かつ退廃的な物語を歌や音楽、ダンスなど、舞台演劇ならではの演出で舞台上にて表現する。現代の「風と木の詩」といわれる中村明日美子の代表作の舞台化となり、中村明日美子の作品が舞台化されるのは本作が初となる。
【原作者 : 中村明日美子】
『Jの総て』はいつか舞台になったらいいなあ。
と昔から思っていたところがあって、そんなことを編集さんにぽろりとこぼしたら、
「そういうことはずっと言っていたらいつか叶いますよ」と言われました。
そして本当になりました。
紙の上で歌って踊って泣いて笑っていたJが、肉体を持って立ち上がるのですね。
演者もスタッフもそしてもちろん観に来てくださった方々もみんなが幸せになれる舞台。
そんな予感がしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
【脚本・演出 : ほさかよう】
美しくて、苦しくて、愛おしい。
『Jの総て』は、漫画というものを読む時、自分が求めるものが全て詰まったような作品でした。
舞台化にあたって脚本と演出を担当させていただくことになり、首筋がぞわっとしました。
これはもう、絶対に生半なことは許されないぞ、と。
登場人物達の痺れる格好良さ、彼らに巻き起こる厳しすぎる現実と葛藤、その先にある愛。
この作品に流れる総てのものを舞台にのせるべく、あらゆる手を用いて尽力する所存です。
どうかご期待ください。
作品の名に恥じるものには決していたしませんので。
【J役 : 竹中凌平】
今回お話を頂き、初めて『Jの総て』という作品に触れました。LGBTと言うものが世間に少しずつ認められはじめた現代において、この作品を上演する事の大切さと意味を感じています。
とても繊細な作品なだけに言葉を選ぶのに苦労しますが、異性愛者も同性愛者の方も恋愛の形は等しく、ジェンダーやセクシャリティだけで判断出来るものではないと気付きました。人らしく生きる事より自分らしく生きる事の大切さ。複雑で危うさを孕みながらも、美しく儚い、愛が持つ多面性に心を揺り動かされました。
きっと僕が想像する以上にJという人物を演じるのは困難です。それを承知の上で、彼女をラストシーンまで精一杯生き抜きたいと思います。
是非お楽しみに。