新橋演舞場6月公演として上演される「熱海五郎一座 新橋演舞場シリーズ第7弾 東京喜劇『Jazzy(じゃじぃ)なさくらは裏切りのハーモニー〜日米爆笑保障条約』の製作発表記者会見が3月17日(火)に行われた。オフィシャルレポートをご紹介する。
お客様が心の底から本当に面白いと思える東京の喜劇“軽演劇”を上演しよう、“東京の笑い”を継承しようと、2004年に旗揚げした「伊東四朗一座」。伊東がスケジュールの都合でどうしても参加できない時もその想いを継承すべく、2006年に三宅裕司を座長に「熱海五郎一座」を旗揚げ。
2014年には、ついに伝統ある大劇場・新橋演舞場に進出。以降、新橋演舞場にて毎年公演を行い、毎公演満員御礼で、劇場を大爆笑の渦で包み込んだ。
新橋演舞場シリーズ第7弾となる今年の舞台は、戦後の日本とアメリカ。おなじみの一座メンバー(座長・三宅裕司、渡辺正行、ラサール石井、小倉久寛、春風亭昇太、東貴博(深沢と交互出演)、深沢邦之(東と交互出演))に加え、豪華ゲストに紅ゆずると横山由依を迎える。
製作発表記者会見では、松竹株式会社 代表取締役副社長の安孫子正が「大変な時期にこのようにお集まり頂きありがとうございます。熱海五郎一座は2014年に新橋演舞場での公演をスタートし、三宅さんをはじめ、一座の皆さんで正当な喜劇を目指して毎年公演を行ってまいりました。そして毎年ゲストをお迎えし注目となりますが、今回は宝塚歌劇団退団まもない紅ゆずるさんが女優のスタートの作品としてこの熱海五郎一座に参加して下さることになりました。紅さんは松竹エンタテインメントに所属したご縁もあり、喜びとともに期待で一杯です。またもうお一方、AKB48の横山由依さんもご参加くださり、AKBグループの方に新橋演舞場の舞台に出ていただくこの機会を心より感謝いたします。お二人の参加によって、より期待できる作品になると思います。今回もアミューズさんとともに公演の製作を進めて参りますので、是非とも(本日ご列席の)皆様のご協力を頂きたいと思います。」と、今作への期待を述べた。
株式会社アミューズ 取締役 常務執行役員 荒木宏幸は、「大変な時節ですが、今年もまた熱海五郎一座の時期を迎えられることを非常に喜んでおります。このような時期だからこそ、演じる笑いにこだわったこの公演の価値は増していくように思います。今回も紅さん、横山さんという素晴らしいお二人をゲストにお迎えして、それぞれのファン(宝塚ファン、AKBファン)の皆さんにも見て頂きたいし、(年配のお客様に加えて)年齢の若い人にも是非お越し頂きたいと思います。」と期待を込めて挨拶を締めくくった。
続いて座長の三宅は「このような状況の中、たくさんの方々にお集まりいただき、ありがとうございます。この一座はお年寄りから小学生までが一緒に笑えるギャグ、笑いを連発して、最後に感動させる、そんな分かりやすいものを目指しています。笑いは免疫力を上げます。6月に熱海五郎一座を観てみなさんの免疫力を上げると非常にいい状況になっていくと思っております。熱海五郎一座が日本を救う!という気持ちで今年の公演を頑張りたい」と冒頭から意気込んだ。またゲスト二人に対し「今まで何名か宝塚出身の方に出演してもらいましたが、退団後すぐの舞台に熱海を選んでいただいたのは初めて、またAKBグループの方も初めて。このお二人の『宝塚とAKBの化学反応』も見どころです。一座に溶け込んでいただき、一緒に最高の舞台を作っていきたいと思います」とやる気を見せた。
渡辺は「いつもは(5月初めの)稽古前ギリギリに台本をもらうのに、今回は1週間くらい前に送られてきました。内容は言えませんが、とにかく楽しい舞台にしたいと思います」と期待を込めると、ラサールは「今、演劇界は苦しい状況にありますが、演劇の灯を消してはいけないと思う」と熱く語った。
今回バンドのバンマスの役を演じることになった小倉は「僕は人を引っ張っていくような役をやったことがない。プライベートでもない。今までの人生で命令口調を一度も使ったことがないのでセリフが言えるか心配だが頑張りたいです。」と笑いを誘った。
「毎年、熱海五郎一座を上演する6月が来るのが楽しみ」と語る昇太は、「普段一人で落語という芸をやっているのでみんなで一緒にいるのが楽しみでしょうがない」と言うと、すかさず三宅から「舞台のこと言ってよ」と長年の付き合いが成せる一座のコンビネーションの良さで掛け合いを見せつけると、「バンドでトロンボーンを演奏します。台本もとても面白いので楽しんで頑張りたい」と意気込んだ。
今回「ラジオ局のプロデューサー兼ディレクター兼オーナー役」を演じる東は、「後半セリフが多く、やることが多くて、とても難しい役なので、今からプレッシャーを感じているが一生懸命やります。観に来てください!」とやる気をのぞかせると東と交互出演の深沢は、「三宅さんがいつも言う『緊張と緩和』を大切に演じたい」と語った。
今回のゲストの一人である紅ゆずるは、宝塚歌劇団退団後初舞台。「退団して4ヶ月が経ち、今日公の場で初めてスカートを着ました。スースーする」とまず爆笑を誘った。続けて「お客様を笑わせることをずっと考えてやってきたので、熱海五郎一座のオファーは夢のよう。昨今の暗いニュースが多い中、最後に残るのは“悲劇”ではなく“喜劇”だと思います。皆様に少しでも現実を忘れて笑っていただけるような作品に、そして一座の一員になり、笑いのプロフェッショナルの皆さんと一緒に私自身も笑いに貪欲に頑張っていきたい」と熱く意気込みを語った。
もう一人のゲストである横山由依は、「熱海五郎一座に参加させていただくことになり、幼い頃からテレビで見ていた方々とご一緒できて、夢のようです」と緊張気味の様子だったが、「今回演じながらドラムの演奏もします。小学生の頃習っていたドラムを初めてお披露目できるので頑張りたい」と堂々とやる気を見せた。
そして最後に三宅から「全員が均等に笑いを背負うように台本を作りました。それぞれが成功すれば爆笑の連続です。今回、笑いが大好きな紅さんと楽器もできる器用な横山さんがいますので、ファンの皆さんも相当楽しみにしていただいて大丈夫。全てが見どころです!」と強く語った。
【質疑応答】
今まで応援してくれているそれぞれのファンに対して、今回挑戦すること、今までと違うところを教えてください、と聞かれたゲスト二人。「男役だったので女性を演じること自体が挑戦です。軍服を着ていても中身は女性。ちゃんと女性を作っていく」と紅が言うと、横山も「とにかく笑いにこだわる舞台は初めて。本番中に自分が笑わずにできるのか心配ではあるが、たくさん稽古をして新しい自分をお見せしたい」と意気込んだ。
今回バンドメンバー役で楽器を演奏する面々。三宅はウッドベース、横山はドラム、昇太はトロンボーン、小倉はテナーサックス、ラサールはギターに挑戦する。男性メンバーはそれぞれ楽器を自腹で調達したことを話し笑いを誘った。
最後に座長である三宅は、「爆笑の連続、そして最後に感動できる、そんなお芝居です。予備知識は全く要りません。ただ劇場に来て、熱海五郎一座を観て笑ってスッキリして帰ってください。宝塚とAKBの化学反応も楽しみの一つです。ぜひ劇場にお越しください!」と意気込んだ。
熱海五郎一座 新橋演舞場シリーズ第7弾
東京喜劇 「Jazzy(じゃじぃ)なさくらは裏切りのハーモニー~日米爆笑保障条約~」
2020年6月2日(火)~6月30日(火)全37公演、新橋演舞場にて。
公式HP : https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/2020_atamigoro/