亀梨和也主演舞台『迷子の時間-語る室2020-』が、11月7日(土)にPARCO劇場にて幕を開けた。前日6日に公開ゲネプロと取材会が行われ、取材会には出演する亀梨和也、貫地谷しほり、浅利陽介、松岡広大、古屋隆太、生越千晴、忍成修吾と作・演出の前川知大が登壇。本作と演劇の面白さについて明るい表情で語った。
公演は、11月7日(土)から29日(日)までPARCO劇場、12月8日(火)~12月13日(日)サンケイホールブリーゼにて上演。
前川知大 古屋隆太 松岡広大 浅利陽介 亀梨和也 貫地谷しほり 忍成修吾 生越千晴
本作は、作・演出家の前川知大が、2015年に自身が主宰する劇団イキウメで上演された「語る室」をベースに、独自のSF 的な世界観を深め生み出した作品。
主演の亀梨和也は、5年ぶりの舞台出演となり、映像でも活躍する貫地谷しほり、浅利陽介、近年活躍目覚ましい松岡広大、生越千晴、そして個性光る古屋隆太、忍成修吾という豪華キャストが揃った。
物語は…
ある田舎町で起きた園児と幼稚園送迎バスの運転手の失踪事件から始まった。
バスはエンジンがかかったままで、争った跡はなかった。手掛かりはほとんどなく、五年経った今も二人の行方は分からないままだ。
消えた子供の母(貫地谷)、その弟で最初に現場に駆けつけた警察官(亀梨)、消えたバス運転手の兄(忍成)は、それぞれの思いを抱えながら五年を生きてきた。
そんなある日、三人は、奇妙な霊媒師(古谷隆太)、帰ることのできない未来人(松岡)、 父の死を知り実家を目指すヒッチハイカー(浅利)とその妹(生越)と出会う。
そして、時間の謎がほどけていく…。
サスペンスから始まり、人物の心の動きを丁寧に描きつつ、観客を不思議な前川ワールドへと引き込んでいく。
結末を知って、また初めから見たくなる…そんな観客の気持ちを見抜いて描ききった作品となっている。
亀梨は、自分のふがいなさと後悔を心に閉じ込め、姉を支えて懸命に生きようとする警官を好演。キャストすべてがキーパーソンといえるこの作品で、さりげなく前川ワールドの核を担って見せた。
【取材会】
前川:見どころを話すのは難しいのですが、失踪事件がだんだん明らかになって、7人が絡み合いそうで絡まなそうで、でも深いところで絡んでいるのが徐々に分かってきます。ややこしい話ではありますが、難しく考えるより、感覚で見てもらえるようにつくったつもりです。この7人のつながりが、見終わった時に温かく残っていたらいいかなと思っています。
亀梨:PARCOさんとこうやってお仕事をさせて頂くのも初めてで、劇場も初めて、ストレートプレイも初めて。浅利君とはドラマでちらりとご一緒しましたが、共演のみなさんとも初めましてというところから入ったのですが、素敵な稽古場時間を過ごさせて頂きました。こうした状況の中でステージに立たせてもらうことに感謝しつつ、見に来てくださる方たちにもいい時間を過ごして頂けるように尽くしたいと思っております。
前川さんとご一緒させていただき、キャストの皆さんと素敵な時間を過ごす中で、PARCO劇場に立たせて頂くことをしっかりと噛み締めながら、時間が今回のキーになっています。良い想いの中で劇場を後にしていだだけるように過ごしていけたらと。良いものをもってかえってもらえたらと思っています。
貫地谷:憧れの前川さんの作品に参加できるということで嬉しかったのと、PARCO劇場も何度も足を運んでいましたが、出るのは初めて。いつか出てみたいと思っていたので嬉しいなぁという思いです。ほんとうに素敵な人たちばかりで、稽古場も楽しいというか、毎日ここに居る人のことをどんどん好きになっていった…もしかしたらこれから嫌いになるかもしれませんが(笑)、今はとっても大好きで。とても幸せな現場で、懐かしい感じもするのに、前川さんの時空を・時間を自在に操る、懐かしとは違う部分と融合した素敵な舞台になっていますので、こんな状況ですが、多くの方に観て頂けたらと思います。
(亀梨演じる警官との関係は)(亀梨とは)同じ年なのですが、(演じるのは)姉です。
浅利:稽古場から、舞台稽古も楽しくやっています。ヒッチハイカーという役で、ゆるく出てゆるく去っていく。ヒッチハイカーですから、風のごとく流れていくような、ちょっと出たらクスッとわらってという存在感のあるのを目指しています。
松岡:俳優をやっていたら、絶対にご一緒したかった前川さんなので、すごく嬉しいです。なにより、このキャスト・先輩方に囲まれて芝居ができるのは最上の喜びです。稽古場で一人ひとりからいろいろなものを学んで、昨日今日と舞台稽古で、明日初日。しっかりとぶつけられそうな気がします。演劇って、やっぱり楽しいと、日常には必要不可欠だと感じたので、皆さんの生活圏にも演劇が入っていけばなぁと思った作品です。楽しみにしていてください。
古谷 :霊媒師で、見えないものとのコネクションを人一倍大切にする役です。この作品自体も、見えないけれど確実にあるもの、そして人生にとってとても大切な物が深く描かれていると思っています。早くより多くの方にお届けできたらと静かに闘志を膨らませています。
生越 :ヒッチハイカーの妹役です。舞台は 稽古期間があって特別だと思います。この7人が深いところでつながっていて、そこを作り上げる稽古でした。みなさんがとても素敵であったかい気持ちで、簡単な言葉では伝えきれないです。つながっているのを稽古で作り上げてきて、それをお客様に伝えることが楽しみです。千秋楽まであきらめずに、まだまだ発見をして、届けていけたらと思っています。
忍成: 僕は初めての舞台がPARCOさんだったので、感慨深いです。新しいPARCO劇場でやらせて頂くのをうれしく思っています。2年ぶりの舞台で、始めは緊張していたのですが、皆さんが仲良くチームワークが良くて、稽古の中で役どころもそうですが、一人ひとりの個性が出て分かってきて、チームワークにつながっていて、それが本番でも役に立つというか、底力になるのではと思っています。
稽古中はあだ名で呼び合っていたそうで、和気あいあいとしたチームワークの良さが伝わってきた。コロナ禍で不自由な稽古であったに違いないが、その絆を強めたのは演劇の力だと、感じさせてくれた取材会だった。
『迷子の時間』 -「語る室」2020-
【作・演出】 前川知大
【出演】 亀梨和也
貫地谷しほり 浅利陽介 松岡広大 古屋隆太 生越千晴 忍成修吾
【東京公演】 2020年11月7日(土)~11月29日(日) PARCO劇場
【大阪公演】 2020年12月8日(火)~12月13日(日) サンケイホールブリーゼ
入場料金 : 12,000円(全席指定・税込) ※未就学児入場不可
公式サイト : https://stage.parco.jp/program/maigonojikan