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「今、喜劇を通してパワーを送りたい」山口祐一郎、浦井健治、保坂知寿 「オトコ・フタリ」会見

NHK大河ドラマ「篤姫」「江~姫たちの戦国~」など多数の脚本を手掛け、コメディ作家でもある田淵久美子書き下ろしのオリジナル脚本によるエンターテイメント・コメディ『オトコ・フタリ』の会見が、11月12日(木)に開かれ、出演する山口祐一郎、浦井健治、保坂知寿 の三人が顔をそろえた。 公演は、12月12日(土)~30日(水)日比谷シアタークリエ。その後、大阪・愛知で公演を行う。

演じるのは、山口がモテモテの抽象画の大家、保坂はそこで働く家政婦、浦井は母探しをする若者。出演者はこの3人のみ。ミュージカルではなく、軽快に言葉を紡ぐストレートプレイで、人生における永遠のテーマ「愛」の形を導き出していく作品となる。

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保坂知寿   山口祐一郎   浦井健治

会見は、笠井信輔が司会を担当し、和やで楽しい雰囲気の中で行われた。

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田淵の手掛けたドラマに出演した経験のある山口。田淵が稽古初日の本読みに参加して「今の時代、表には見えないが、1人ひとりが困難や不安をかかえながら、何も無いような様子でそれを乗り越えている。その現実の重さを、喜劇という表現を通して伝われば」と作品の意図を語ったエピソードを明かし、「台本を読んだ時にそうなるといいなと思いました。悩みや不安などがある方が見てくださって、すこしでもパワーを受け止めて前向きになって頂けたら」「台本を読むと、ずっと笑えます」と脚本への信頼度の高さを表した。

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浦井もその言葉に頷いて「この年末年始の時期に、すごくハッピーな感じがしています。コメディですが、内容は深い。日常での愛を学び再確認できる作品です」と絶賛。さらに「僕が尊敬するおふたりとご一緒できる。僕にとっては、ご褒美タイム」と本作に参加できる喜びを率直に語った。

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保坂は「田淵さんとは面識がなく、(山口・浦井の)おふたりとどのような関係かは知らなかったのですが、脚本を読んで、ふたりの魅力を取り入れて、人物を作り上げているので、どれだけおふたりをよく知っている方なのか、と驚きました」と語り、自身の演じる役については「題名の『オトコ・フタリ』にある・(点)と思っています」と立ち上がって背後の題字を指さし笑いを誘った。
さらに「(山口と浦井)のやり取りは、おふたりのファンが嬉しくなるような、ニヤッとしてしまう台本」であることも明かした。

これまでも共演経験を持つ3人。互いの印象や思い出について尋ねられた。
山口は「『王家の紋章』で、浦井さんは殺陣師が一度つけたアクションをすぐにできてしまう。目の前でやられると、その才能の差を謙虚に受け止めないといけなくて、その能力のない僕はどうすればいいのかと思った」と途方にくれた表情を再現するように語った。
保坂については、保坂のデビュー作となった『オンディーヌ』での代役エピソードに触れ「保坂さんは『3日の稽古でできたら舞台に立たせる』と演出家に言われて、3日後にはできていた。この台本を3日で覚える人がいるんだと目の前で見て、僕はこの世界でどう生きていったらいいのかと深く考えさせられた」と、ここでも茶目っ気あふれる表情をのぞかせた。

保坂は一度だけ共演した浦井について「(主役という)ど真ん中は大変なはずなのに、いつもさわやかで、少しも大変そうではない。尋ねると『僕、疲れないんです』と言う。『緊張もしない』と、衝撃的な意見を聞きました。若い力はそういうものかと、頼もしく思った」と記憶をたどった。

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ミュージカルへの出演が多い三人には、ストレートプレイの難しさについても質問が飛んだ。
浦井は「ミュージカルでは歌唱指導、振付といくつかのセクションがあるが、ストレートではひたすら芝居というセクションだけという贅沢な時間を過ごしています。(山口と保坂の)おふたりは、そのまま舞台に立てるようなクリエイトでスキがない。それを何回もやりたいとおっしゃって稽古される」とそこにいられる幸せを思い浮かべるように語った。

保坂は「ミュージカルでは歌や振付というやるべきことがたくさんあるので、その大変さはありますが、自分の役を表現する手段がたくさんある。ストレートプレイでは、俳優として自家発電しないといけない。芝居の空間が繊細なので、ひとつずつ紡ぐ難しさがあり、それがまた魅力。それをいつも考えながらやっています」

山口は「ミュージカルだと台詞は何小節かと決まっていて、速さもオケピが決める。マイナーなところは、マイナーなトーンと音楽で決まっている。ストレートプレイでは、それを芝居そのもので表現する。ミュージカルもストレートプレイも両方やっている3人なので、自動的に音楽が、テンポが体から出ている。苦労というよりもそれを発見する楽しみが大きい」と発言。ミュージカルを演じる三人ならではの、小気味いいテンポのあるコメディになりそうな期待がふくらんだ。

最後に山口が「田淵さんが、浦井さん、保坂さん、山口くんを使って、2020年という今、問題を抱える皆さんに、喜劇を通してパワーを送りたいという思いを込めた作品です。僕たち3人が、その願いを皆さんに届けられたら」と、意気込みにもユーモアを込めて会見を終えた。

「オトコ・フタリ」
2020年12月12日(土)~30日(水) 日比谷シアタークリエ
脚本:田渕久美子
演出:山田和也
出演:山口祐一郎、浦井健治、保坂知寿

【チケット】
料金:11,000円 (全席指定・税込)

1月15日(金)~17(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
1月23日(土)~24(日) 刈谷市総合文化センターアイリス

公式HP : https://www.tohostage.com/otokofutari/