シアタークリエにて2021年2月6日(土)~2月25日(木)に公演される舞台『ローズのジレンマ』の製作発表会見が、1月12日(火)に行われた。(大阪公演、愛知公演有り)
別所哲也 大地真央 神田沙也加 村井良大
“ブロードウェイの喜劇王”ニール・サイモン作のコメディを、大地真央、神田沙也加、別所哲也、村井良大というミュージカルでも主演を張る4人のスターがストレートプレイで上演する。
大地真央が演じるのは、最愛のパートナーだった作家ウォルシュを亡くし、その亡霊と過ごすローズ。自身も作家だが、経済的に危機に瀕している。
大地と13年ぶりに共演を果たす神田沙也加が演じるのは、ローズを献身的に支える助手のアーリーン。
ウォルシュの遺作をローズ、アーリーンと一緒に仕上げる売れない若手作家クランシー役に村井良大。
そして亡霊となったウォルシュを別所哲也が演じる。
会見にはキャストの4人と、翻訳・演出を担当する小山ゆうなが登壇した。
小山ゆうな 別所哲也 大地真央 神田沙也加 村井良大
「本当に摩訶不思議なローズという人物を楽しんでいただける作品になるように皆さんと一緒に作り上げていきたいと思っております」と口火を切った大地真央。
「膨大で無駄がないセリフの応酬で、演じるのが4人だけなので、チームワークが必要かな」と苦労を覚悟しつつ「(キャストの)皆さんがそのままかな…っていうぐらい適役な感じがしています」。
中でも13年ぶり共演となった神田沙也加について「印象としてはやっぱりすごい成長したなあという感じはしています。取り組み方とか。なにしろ痩せたよね」という言葉に笑いが起きた。
その神田沙也加は「久しぶりのストレートプレイということで、緊張感もありつつ、でも毎日、お稽古をすごく楽しくやらせていただいて、先輩方皆さんのお芝居を見て勉強になっています」とあいさつ。
大地の発言に対しては「13年前は、私は20歳か21歳くらい。台詞一言を発するのも怖かったんです。何が正解かもわからなかったし、憧れの真央さんと共演ということだけで萎縮していた面もきっとあったと思うんです。13年の間に素晴らしい作品に携わらせて頂いているので、そういう作品や経験に恥じないためにも『後退さってはいけない、挑んでいく気持ち』です。そして、13年前と変わらない真央さんを穴が開くほど見て観察する。真央さんが取り組んでいらっしゃることに、いち早く気づいて、『こういう意図で動かれているんだ」とメモして、自分のものにしていくみたいな…そういう勉強をさせて頂いています。もし成長したと思ってもらえているのだとしたら、すごく嬉しいです」と大地への敬意と同時にガッツものぞかせた。
「雪が降らなくて良かったですね。ほんとには晴れ晴れとした気持ちで今日はやってきました」と笑顔を見せた村井良大。「お稽古も始まったばかりなのですけども、ソーシャルディスタンスを取りつつも、濃密な時間を過ごしております。初日までに楽しくて面白い作品に仕上げるように頑張っていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします」とさわやかにあいさつした。
「皆さんに僕が見えていますか?」と記者たちに尋ねた別所哲也。「そういう役です。共演者の皆さんと共に、大地真央さんの最愛の男をきちんと演じさせていただこうと思っております」と和やかな会見ムードを作り出した。
亡霊役については「体が大きいので、ちょっと動くと空気を動かしているのじゃないかと思いながら、まだ探り探り稽古をしています。亡霊なのでどこからでも登場でき、どのようにも振る舞える。だからこそ、余計に自分のローズとの会話、ローズの頭の中に存在している自分というものを思い巡らせながら稽古を続けているところです。ものすごく楽しい。俳優としてもやりごたえのある役柄だなと思っています」
本作の見どころについて尋ねられると
別所は「ローズとの最終的なクライマックスに向けて、二人の人間関係を会話の中でどう表現できるか。二幕ではいろんなことが判明するんです。世の中には見えないけれど大切なものがたくさんあります。それが、透明のウォルシュを通じて皆さんに、なんだかジワジワとウィットの効いた笑いとともに、弦楽四重奏のように4人で奏でられたらいいなぁと思っております」
神田は「稽古してみてテンポが含めてすごく面白かったのが、電話を使うシーン。大地さんのお芝居がすごく面白い。私も電話を触らせていただきます。電話周り(のお芝居)になったら『ちょっと面白いこと始まるぞ!』と思って見ていただけたら嬉しいと思います」
村井は「たくさん見所はあるんですけど、一つ挙げるならば、実はキスシーンがあります。別所さんと、そういう話じゃないキスシーンがあります。この状況なので、唇を重ねられないのではと思います。もしそうなった場合は、ぜひ大地さんに宝塚式のすごくかっこいいキスシーンをご教授いただければ」と大地にその場で依頼。大地から即座に「お任せください」との返事をもらって「それをめいっぱい練習して挑みたいと思います!」
大地は昨年末に出演し、好評を得た同じニール・サイモン作の『おかしな二人』を引き合いに出し「同じサイモン作品でもこんなに違うというのも楽しんで頂けるところ」と見どころの一つに挙げ、「アメリカの香りを残しながら分かりやすく」「1989年のアメリカの感じをお楽しみいただければ」と一味違った楽しみ方を語った。
翻訳・演出を担当する小山ゆうなからは、「幽霊のウォルシュはローズにしか見えない。ローズに見えていることを知っているのはアーリーンだけで、クランシーは知らない。そんな四人が舞台上に一緒に立つシーンがとても面白くなるのではないかなと思っています」とお薦めシーンを紹介。
さらに「カーテンコールで、登場人物たちの劇中の思い出の曲をみんなで歌えればと思っています。お客様に楽しんで頂けるようにしていければ」との発言も出た。
舞台に映える4人のスターが、どんな笑いを届けてくれるのか。そして華やかなカーテンコールにも期待膨らむ作品となりそうだ。
『ローズのジレンマ』
日程:2021年2月6日(土)~2月25日(木)
会場:日比谷・シアタークリエ
作:ニール・サイモン
翻訳・演出:小山ゆうな
出演:
大地真央 神田沙也加 村井良大 別所哲也
公式HP : https://www.tohostage.com/rose/
大阪公演 2月27日(土)~3月1日(月) 新歌舞伎座
愛知公演 3月3日(水) 2回公演 刈谷市総合文化センターアイリス
公演の最新情報は、公式HPにてご確認をお願いいたします。