Open Close

ミュージカル「レ・ミゼラブル」開幕!! 初日前囲み取材 生田絵梨花はトレーニングを積んで発声を変えエポニーヌ役に

ミュージカル「レ・ミゼラブル」が、プレビュー公演を経て、5月25日に幕を開けた。開幕前に囲み取材が行われた。

25_0006

登壇したのは、主人公のジャン・バルジャンを演じる福井晶一、吉原光夫、佐藤隆紀と、エポニーヌを演じる生田絵梨花、テナルディエ役の六角精児、マダム・テナルディエ役の森公美子。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
六角精児 佐藤隆紀 福井晶一 吉原光夫 生田絵梨花 森公美子

25_0091

福井:お客さんに入っていただいてプレビュー公演をさせて頂いていただきましたが、やはりあのこの作品を待っていてくれるお客様の圧というものを全身で感じました。カーテンコールでは、皆さんマスクをして声も音出せないような状態ですけども、ありったけの拍手をしていただいて、その熱意が伝わって、やはり『レ・ミゼラブル』という作品の力を強く感じたプレビュー公演でした。

―拝見して、拍手の大きさが尋常でないと感じました。
福井:皆さん、それぞれがこの一年間苦しんできた。やっぱりあのすごく苦しいあの時間が多かった中で、この『レ・ミゼラブル』がお客さんを入れて公演できるということが、すごく演劇界にとっても明るいニュースだと思うんですけど、そんな中でやっぱりこう皆さんの思いはあるんですけど、僕たちはなるべく冷静にと言うか、いつも通りにやることを心がけてやるのが必須でした。やっぱり僕達も色んな思いがある中で、でもその役を真摯に受け止めて作品を忠実に伝えるという事に集中してやらせていただきました。

25_0101

吉原:また帰ってきたなという感覚がすごくありました。そして「これで良かったんだな」「変わらないんだな」と。一時は、特に去年なんかは「どうなってしまうんだろう」とか、すごく不安が巻いたんですけど、このレミゼラブルで帝国劇場に帰ってきてプレビュー公演の舞台上で、なんかちょっと俯瞰して感じることは、「何も変わってないものもあるんだな」と。「変わらずに、守られて暖められて先に進んでいくものもあるんだな」ということで、すごく安心しては本当にあの今福井さん言うように、何か特殊なことをやろうとかそういうことは思わず、いつも通りに舞台が開いていくってことが、ちゃんと日本の日常の中にあるってことにすごく安心したのが大きいかなと思います。

―去年は初めて朝ドラにもご出演されて、かなり環境が変わったんじゃないかなと思いますが、周りの反応で何か変わった事ってありましたか?
吉原:すごくそう聞かれますが、僕よりも自分のお袋とかの環境が変わってるだけで、僕はあまり変わってないなっていう感じです。元々声をかけづらいキャラクターなので、あんまり声かけられることもないです。ただお袋が、子供の面倒を見に来るのですが。来る度に「これにサインしてもらえる」とか「サインしてって言われたから」って言うことが変わったことぐらいで、日常は普通に過ごさせて頂いています。でも素晴らしい出会いをさせて頂いたなと思ってます。

25_0094

佐藤:プレビュー公演を終えたときの皆様の拍手の圧にすごく感動して、ほんと様々な思いで皆さんこの会場まで来てくださった。その想いを感じたら、なおさらこっちもギュッと胸が温かくなるような、本当に来ありがたい気持ちに包まれました。去年やはりこう色々仕事がなくなった時に、やっぱり僕たちは自分を見つめ直して、今こそ研鑽していつか進化したものをお届けしたいって思いで、去年は自分に向き合う時間として向き合ってきたんですけども、それがもう一つ実ったような、そんな充実感もありました。この想いで千秋楽まで本当に感染対策をしっかりしながら、皆さんに安全安心な公演をお届けできるように頑張っていきたいなと思っています。

25_0267

生田:今までの開幕では緊張でフワフワしている感覚でしたが、今年は地に足を踏みしめている感じがしました。それはエポニーヌという役に力を借りているのかもしれないですし、あとはなんか今目の前にある、当たり前の光景がいつなくなってしまうかわからないということが、すごく現実的な可能性で身近にあるので、本当に今出来る事っていうのを一つ一つ集中して、その魂をそこに込めていくっていうことを、きっと皆さんそれぞれ行ってらっしゃると思いますし、私もそういう意識でこの舞台に臨んでいます。あのバルジャンの皆さんもおっしゃってましたけど、私たちは今できる集中っていうところで、お客様の心を少しでもともせるように受け取ってもらえるように頑張れたなと思ってます。

― コゼットからエポニーヌへ役が変わりますが、感じたことなどありますか?
生田:今までずっと「コゼットぽい」と言って頂いて、とても光栄なことなのですが、そのイメージがある分も、最初はすごく「自分はどんなエポニーヌができるのか」と不安はありました。でも稽古場で、そのキャストの方々が、私が臨む姿勢を見て「エポニーヌもすごいいいね」と言ってくれたりして、「最初からエポニーヌをやってた?」という声を聞けるようになって、それが「この方向でいいんだ」と進める勇気をもらえた感じがします。

―ピュアなコゼットから180度違う役ですが、共感できるところなどありますか?
生田:エポニーヌは強いって印象がやっぱりありますけど、強いから強いんじゃなくって
傷つかないために弱さを隠して強くいようとしているところや、生きていくために強くいなきゃいけないとか、そういうところは誰しも共感できるんじゃないかなと思います。私もその強さの中にどれだけ複雑な物を混在させられるかっていうのを意識して試みています。

25_0099

―『レ・ミゼラブル』初参加の思いは?
六角:他のキャストの方々、スタッフの方に色々と助けをいただきまして、僕もこのプレビューをクリアしてきたんですけども、すべてが新鮮でした。帝国劇場に立つのは初めてだったんですけど、この大劇場での拍手…。それも今この時期だから、強いものだったと思うんですけど、それを体で受け止めた時に非常に感動というものを味わいました。それと同時に皆さんが自分の心を非日常の所にたずねて行って動かすっていうことが、決してそれは不要不急じゃないと言うか、必要なことなんだと生活の一部なんだと強く感じた思いがありますね。だからそういう人の心を動かすということに対して一つ役目をこうやって持ってるってことに、なんかちょっと誇りを感じたりもしたことがありました。

25_0079

―森さんは今年25年目の出演ですか?
:97年からの出演で24年になります。本当に皆さんに飽きられないように飽きられないようにと、ただそれだけを祈っておりまして。でも役で少しずつマイナーチェンジがありますので、それでなんとなくまた新しいマダムテナルディエお届けできればと思っています。何にしろ、衣装がパンパンで、コロナ禍で自炊が増えて、皆さんに迷惑かけているという状況なんです。ちょっと出して(大きめにして)もらいました。(笑)
大変なんですよ。あのここは締めて、ここは出してというのがありますから。
今回はあの皆さんもおっしゃってないんですけども、コロナ禍のリハーサルということでリハーサルの回数が前回よりも1/5ぐらいしかなかったもんですから、全員が揃ってのお稽古がなかったのと、それとみんなマスクして練習したので、本番に入ってますマスクをとった途端に「誰?」と。「あんた誰?」っていうような状況下の中、ものすごく感染対策をしてあの稽古をしておりましたので、本当に人の顔が分からない状態っていうのがずっと続いておりました。

―森さん、六角さん、生田さんは親子役ですね。
:生田さんのエポニーヌが、またすれっからしで。「あれ?前にコゼットやったよね?」というくらい全然違うのがキャラクターを押し出してきて、しかも声も全部地声の張ったやつで、びっくりしました。(生田に)これに向けて声を作ったんですね?
生田:そうです。発声は本当に変えました。いままで裏声とか高い音域だったので、地を這うようなエポニーヌの音色を出せるようにトレーニングは重ねてきました。

―最後にお客様にメッセージをお願いします。
福井:いよいよ今日、『レ・ミゼラブル』日本の2021年がスタートします。このような状況の中で舞台に立てること本当に嬉しく思いますし、しっかりと地に足をつけて、まあまだまだ状況はすぐには良くならないと思いますけど、明日舞台があるということで、私たちはその準備をしっかりとしてそこに挑むだけだと思っています。長い公演になりすが、10月の千秋楽まで地方公演も合わせて、最後まで何とか完走できるに頑張りたいと思います。ぜひ応援のほど、よろしくお願いいたします。

25_0002

 ミュージカル『レ・ミゼラブル』

<東京公演>
■日程:
2021年5月21日(金)~5月24日(月)プレビュー公演
2021年5月25日(火)本初日~7月26日(月)千穐楽
■会場:帝国劇場

<全国ツアー公演> 2021年8月~10月 福岡・大阪・松本

■原作:ヴィクトル・ユゴー
■作:アラン・ブーブリル、クロード=ミッシェル・シェーンベルク
■作詞:ハーバート・クレッツマー
■オリジナル・プロダクション製作:キャメロン・マッキントッシュ
■演出:ローレンス・コナー、ジェームズ・パウエル
■翻訳:酒井洋子
■訳詞:岩谷時子

■キャスト
ジャン・バルジャン:福井晶一、吉原光夫、佐藤隆紀
ジャベール:川口竜也、上原理生、伊礼彼方
ファンテーヌ:知念里奈、濱田めぐみ、二宮愛、和音美桜
エポニーヌ:唯月ふうか、屋比久知奈、生田絵梨花☆
マリウス:内藤大希、三浦宏規、竹内將人☆
コゼット:熊谷彩春、加藤梨里香☆、敷村珠夕☆
テナルディエ:駒田一、橋本じゅん、斎藤司、六角精児☆
マダム・テナルディエ:森公美子、谷口ゆうな、樹里咲穂☆
アンジョルラス:相葉裕樹、小野田龍之介、木内健人☆
(☆は新キャスト、生田絵梨花は役替わり)

■公式サイト:https://www.tohostage.com/lesmiserables/