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栗山民也&瀬戸山美咲 瀬戸康史主演 舞台「彼女を笑う人がいても 」開催決定 木下晴香 渡邊圭祐 近藤公園

現代日本演劇界を代表する演出家の一人である栗山民也と、活躍目覚ましい劇作家・瀬戸山美咲がタッグが組み、瀬戸康史主演舞台「彼女を笑う人がいても 」を、2021年12月、世田谷パブリックシアターを皮切りに上演する。木下晴香、渡邊圭祐、近藤公園ら魅力的な共演者も集う。

『彼女を笑う人がいても』宣材ビジュアル1-1

「安保闘争」を題材に、報道の真実やマスコミニュケーションの正義を追い求め奔走する二人の新聞記者の青年の姿を通し、日本社会の光と闇を見つめ、光を求める作品を届ける。

栗山民也 コメント
「あのとき」へ
世田谷パブリックシアターから新しい企画の話があった。いくつかの候補の中から、瀬戸山さんとの新作を、と答えた。早速お会いした。自由で熱い作者としての思いをたくさん聞けて、とても楽しい時間になった。
60年の「あのとき」とは、一体何だったのか。主題は「六十年安保」。
人それぞれ違った歴史があるように、その時代への密かな思いはそれぞれに違う。
学生の時、当時書かれたものを漁るように読んだ。そして、その時の運動や言葉の断片を勝手に時代の光景として心に刻んだ。体のどこかに刺さった深い棘のように、一つのどうしようもない痛みになって残った。その痛みが何かの時に、ズキンと今に疼く。この支離滅裂で、痛ましいほどの政治の空白を前に、じっと「あのとき」のあの人たちの気持ちと行動を見つめたい。

瀬戸山美咲 コメント
その言葉を笑わない
60年の安保闘争のことがずっと気になっていました。デモのさなか、一人の女子学生が命を落とした。それが一体どういうことなのか想像できなかったからです。2000年代初頭、あることに抗議するために初めてデモに参加しました。でも、数回行ってやめてしまいました。自分の言葉が本当に届いているのかわからなくなってしまったのだと思います。90年代後半から日本社会全体に冷笑的な雰囲気が広がってきていました。その空気の中、何かに抗議するということにどこか居心地の悪さも感じていました。その後もたびたびデモや抗議行動に参加してきましたが、続けることの難しさを痛感するばかりでした。
60年安保闘争のあの若者たちの熱はどこから来て、そしてどこに消えてしまったのか。
それを知ることは、自分や社会全体の「あきらめ」の根源を知ることにもならないか。
そう思ってこの主題を選びました。そして、あらためて政治と民衆とメディアの間で行き交う「言葉」について考えたいと思いました。人と人はわかりあえないものだけれど、かつてはもう少し、言葉の意味自体は共有されていたように思います。でも、今は言葉が意味を失ってしまった。そこに思想はなく、ごまかしたり、だましたりするために言葉が使われています。そして、わかりあえない他者の言葉を冷ややかに笑うことしかできなくなってしまいました。でも、だからといって、これからもずっとそうだとは思いたくありません。61年前に命を落とした彼女の言葉は今の私に届きました。共感できることもできないこともあるけれど、彼女の言葉には命が宿っています。その言葉を私は笑いたくない。言葉の持つ可能性はまだある。そう信じて、この作品を届けたいと思います。

瀬戸康史 コメント
初めて栗山民也さんと瀬戸山美咲さんとご一緒させていただきます。栗山さんの作品は何作も見ていて、ぜひご一緒したいと思っていたので、本当に嬉しいです。瀬戸山さんはとても勢いのある劇作家さんだと思っていたので、今から稽古が楽しみです。安保闘争という難しいテーマではありますが、この作品には人間にとって、今の時代にとって、大事なメッセージが込められているのではないかなと、感じています。
安保闘争の時代を生きた人物の心情を体全体で演じることができればいいなと思います。

『彼女を笑う人がいても』
【作】 瀬戸山美咲 【演出】 栗山民也
【出演】 瀬戸康史 木下晴香 渡邊圭祐 近藤公園
阿岐之将一 魏涼子/吉見一豊 大鷹明良
【美術】 松井るみ 【照明】 服部基 【音響】 井上正弘
【映像】 上田大樹 【衣裳】 前田文子
【ヘアメイク】 鎌田直樹 【音楽】 国広和毅
【演出助手】 須藤黄英
【舞台監督】 加藤高 松嵜耕治
【日程】 2021年12月4日(土)~12月18日(土)
【会場】 世田谷パブリックシアター https://setagaya-pt.jp/

福岡公演
[日時] 12月22日(水)18:30
[会場] 福岡市民会館・大ホール

愛知公演
[日時] 12月25日(土)~26日(日)
[会場] 刈谷市総合文化センター 大ホール

兵庫公演
[日時] 12月29日(水)18:00/30日(木)12:00/30日
(木)17:00
[会場] 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール