小島聖 田代万里生
占部房子 新原泰佑 木野花
2022 年 2 月~3 月に KAAT 神奈川芸術劇場〈大スタジオ〉にて上演が発表されていたピューリッツァー賞戯曲部門受賞作『ラビット・ホール』について、小島聖 田代万里生 占部房子 新原泰佑 木野花の出演が発表された。
上演台本は、ドラマ『クロサギ』『紙の月』や、連続テレビ小説『まれ』など映像作品の脚本家として活躍する篠﨑絵里子。演出は、第 25 回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞した小山ゆうな。
2021 年 4 月 1 日より KAAT 神奈川芸術劇場の新芸術監督に就任した長塚圭史により導入されたシーズン制。2021 年 8 月~2022 年 3 月までのシーズン一年目は、「冒(ぼう)」というテーマにそって、“飛び出す、はみ出す、突き進む”さまざまな作品が上演されるが、そのシーズンの最後を飾るのが、2010 年にはニコール・キッドマン自らのプロデュース・主演により映画化もされ、数々の賞に輝いた『ラビット・ホール』。
息子を事故で亡くし、深い苦しみと悲しみの中にある一組の夫婦(小島聖、 田代万里生)と、彼らを取り巻く人々が微妙に変化していく日常をきめ細やかに描く。
上演台本:篠﨑絵里子 コメント
十代の頃、失うのが怖いから人を本気で好きになるのはやめておこうと真剣に思っていました。貧しい考え方だと憐れみの目で見られたとしても、断固として嫌でした。
けれど人生は否応なしに、大切な存在を連れてきます。
気づけばかけがえのない人たちに囲まれて暮らしていたわたしはもう、ふとした弾みに思い出す『失う恐怖』に蓋をしてやり過ごすしかなく――、そして、この戯曲に出会いました。
幼い息子を失った絶望のなかで、これからをどう生きていくのか、生きていけるのか、その答えを探してもがく夫婦の物語。心とは裏腹に傷つけ合い、責め合い、差し出された手に触れることもできず、暗闇にただ立ち尽くす。
その果てに彼らが得た再生へのかすかな光が、誰かを愛して生きずにはいられないわたしたちのささやかな救いにもなることを、祈らずにはいられません。
演出:小山ゆうな コメント
私が『ラビット・ホール』を知ったのは 2010 年、映画版でした。人間の悔い、その悔いにどう人は向き合っていくのかという問いが、美しい言葉と深い人物像で描かれていて、私自身自らの人生においても時折触れたくなる作品で何回も見返しており、長塚さんから本作での演出というお話を頂いた際、驚きと喜びと共に、身の引き締まる思いがいたしました。
この素晴らしい戯曲に、演劇的に自由で新しい事/垣根を超える事を恐れず果敢にチャレンジされる KAAT、そして長塚芸術監督の新シーズンの作品として、【冒】険を恐れず取り組めればと思っております。
今回は、映像界で大活躍される篠﨑さんが上演台本を作成してくださいます。いきた日本語を生み出される篠﨑さんの手により、どのような日本語版が生まれるのか楽しみです。また、キャスト・スタッフともに新鮮なチームとなっており、皆でこの作品を透明度高くお客様にお届けできるよう模索できればと思っております。
KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース
『ラビット・ホール』
作:デヴィッド・リンゼイ=アベアー
上演台本:篠﨑絵里子
演出:小山ゆうな
翻訳:小田島創志 美術:乘峯雅寛 照明:原田保 音響:徳久礼子 衣裳:前田文子
ヘアメイク:小林雄美 演出助手:城野健 舞台監督:瀬戸元哲
出演: 小島聖 田代万里生 占部房子 新原泰佑 木野花
公演日程:2022 年 2 月~3 月 KAAT 神奈川芸術劇場〈大スタジオ〉
【チケット発売】 12 月 一般発売予定
ツアー情報
<兵庫公演> 3 月 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
<名古屋公演> 3 月予定
公式HP :https://www.kaat.jp