Open Close

内博貴・藤本隆宏 音楽劇『海の上のピアニスト』ゲネプロ&初日前挨拶

内博貴・藤本隆宏が出演する 音楽劇『海の上のピアニスト』が、9月16日(木)より東京芸術劇場シアターイーストにて上演されるのに先立ち、15日に公開ゲネプロと初日前の挨拶が行われた。(会見写真:山副圭吾)

 

D8A_5809-Edit
西尾周祐    内 博貴    藤本隆宏

映画にもなったアレッサンドロ・バリッコのイタリア文学を、2018 年にキャスト 2 人の音楽劇として生まれた本作。
主演の内博貴は“豪華客船の中で生まれ、生涯一度も船を降りることのなかった”天才ピアニスト・ノヴェチェントの生涯を演じる。
藤本隆宏は彼の親友トランぺッター役他、幾役を演じ、この二人とピアニストの西尾周祐の三人でノヴェチェントの数奇な人生を描き出す。

音楽劇の名にふさわしい贅沢な音楽…ゴージャスなピアノ演奏、キャスト二人の歌…そしてダンスも含め、音楽に合わせた美しさのある動き…と存分に見せ聞かせ、ラストにはノヴェチェントが見たであろう海と陸の景色をも想像させてくれる広がりのある舞台作品となっていた。

【初日前挨拶】

D5Z_5090

西尾からは「彫刻です。立ち姿もすごくきれい」と言われた内博貴

「いよいよ始まるな」と初日を迎える感想を述べた内博貴。役については「難しく考えるタイプではないので、ナチュラルに演じられるように常に思っています。今回は演出の星田さんとディスカッションしながら作り上げてきたので、特に“コレ”と意識したことはないですかね」

D5Z_5098

西尾から「お兄さんでムードメーカー」 内からは「お茶目」と言われた藤本隆宏

藤本隆宏は「このご時世で、どうなるかわからなかったのに、ここまでこられて本当によかった。実際お客様の前でやるのが、どう見てくださるのか、それを感じながら演じることを今は楽しみにしています。精一杯やりたいと思います」と挨拶。

D5Z_5143

役については、藤本が「僕はノヴェチェントを大好きになる役なので、それを意識しなきゃと思っていましたが、稽古場から大好きになってしまった。かっこいいですよね。この衣装を見てください。ドキドキします。その気持ちを忘れないように演じていきたいと思います」と言えば、内は「やめてください」を連発。
すると藤本は「内さんは作ってないと言いますけれど、僕からするとノヴェチェントのキャラクターそのものなんです。孤独なピアニストのイメージを最初からもっていて、実際はどうなんですか?普段はちゃらけている感じですか?」とツッコミも。
すると内は「僕、ちゃれけてるの見せましたか?」
藤本「いや、見てないですけど…」
内「でしょう」
藤本「だから(聞きたかった)」
内「台本に描かれているので、それに忠実に向き合おうという気持ちなので、変にこうやって作ろうというのは本当にないんです」
藤本「でも、本当にノヴェチェントそのものなんですよ、ね、西尾さん」
西尾「はい!」
内「僕なんかより藤本さんの方が本当に大変なんです。僕がレベル1だったら、藤本さんはレベル100。トランぺッター役もそうですし、ストーリーテラーであり、他にもいろんな役を一人でやる。番組で言えば、MCもやりながらひな壇もやるみたいな、両方駆け巡りながらやる感じで」
と、内と藤本の褒めの突っ込み合いに取材陣も和んだ。

D5Z_5124

西尾周祐は初日を控えた感想を「毎日稽古をして楽しいと思っていましたが、稽古が終わってしまって、ちょっと寂しさもあります」と。そして「僕はもうひとりのノヴェチェントという意識も強く持っていますが、たまに違う登場人物としてピアノを弾くこともあるので、弾き分けをしてみたり、自分以外のピアニストを演じることを楽しんでやっています」

見どころについて、内は「西尾さんのピアノは素晴らしいし、藤本さんの台詞量もそうです。見ていろんなものを感じられる作品になっているので、不思議な空間になっている舞台だと思います」

藤本は「音楽主体で芝居を作り上げていくのが難しかったりしています。音楽が素敵なんです。演じていて心を動かされる」

見どころは「最後の内さんの長台詞と歌に凝縮されている。泣きすぎるとお客様が泣けないからあれなのですが、本当にやりながら涙がでてしまう」との藤本の言葉に「もう、やめて!ハードル上げている」と内。

西尾は聞きどころを「ピアニスト主役の舞台なので、ずっとピアノを弾いているので、ピアニストとしてこれ以上ない舞台だと思います。最初に流れるメインテーマが繰り返しでてきます。 ジェリー・ロール・モートン (Ferdinand “Jelly Roll” Morton)とノヴェチェントのピアノ対決のシーンが聴きどころです」

最後に内が「このご時世にもかかわらず、舞台ができるのは幸せなこと。感染対策ばっちりでお迎えして、皆さんに楽しいんで頂こうという気持ちでいっぱいです。僕のイメージですが、クルージング旅行のような船に乗っている気分になれると思いますので、観て頂く方に楽しんでいただけたらと思っています」と挨拶を締めた。

【ゲネプロ】

IMG_7025

1900年、大西洋を往復する豪華客船ヴァージニアン号で生まれて間もない赤ん坊がレモンの箱に入れられて捨て置かれているのを黒人機関師ダニー・ブートマン(右 藤本)が見つけた。その子は ダニーに名前をもらい、育てられた。それが ダニー・ブードマン・T.D.レモン・ノヴェチェント(左 内)だった。

この船で育ったノヴェチェントは、やがてこの船の専属楽団のピアニストとなった。 しかし船で生まれた彼は、一度も陸地を踏んだこと がなかった。

IMG_6717

船を利用する多くの人から世界を知り、トランぺッターの友人マックス(藤本)を得たノヴェチェント。

IMG_6839

ノヴェチェントが弾くピアノは評判を呼んだ。全米一のジャズピアニストが決闘を挑みに来るほどに。

だが、ノヴェチェントは船から降りることがなかった。彼の心に秘められたその理由とは…。

IMG_7392

藤本が何役も演じるだけでなく、内もノヴェチェントの一生を、それこそ子供から晩年まで演じて見せる。ピアノだけでなく、内と藤本の歌声もたっぷり。ミステリアスなノヴェチェントの謎に魅かれて、上演時間の97分があっという間に過ぎてしまった。

小劇場でありながら、船と海の大きさや、時代の雰囲気を感じさせてくれる。演劇の魔法に酔える作品となっている。

公演は、9月20日(月・祝)まで 東京芸術劇場シアターイーストにて。その後、栃木、富山、石川、大阪にて上演予定。

 

音楽劇「海の上のピアニスト」
作:アレッサンドロ・バリッコ 訳:草皆伸子(白水社刊) 上演台本・演出:星田良子 作曲・音楽監督:中村匡宏
美術:齋藤浩樹 照明:阿部典夫 音響:秦 大介 歌唱指導:宮川知子 振付:KAZOO
衣裳:doldol dolani 舞台監督:西川 也寸志
製作:アーティストジャパン
◆キャスト
ノヴェチェント役 : 内 博貴 トランぺッター役 : 藤本隆宏
ピアノ 西尾周祐 宮川知子(富山公演)
◇東京公演日程:2021年9月16日(木)~20日(月・祝) 東京芸術劇場シアターイースト
◇栃木公演日程:2021年9月23日(木・祝) 栃木県総合文化センター サブホール
◇富山公演日程:2021年9月25日(土)富山県教育文化会館
◇石川公演日程:2021年10月7日(木)・8日(金)北國新聞 赤羽ホール
◇大阪公演日程:2021年10月 9 日(土)・10日(日) 大阪市中央公会堂 大集会室
◇ホームページ: https://artistjapan.co.jp/novecento-1900/ ◇Twitter:@aj_novecento
◇お問い合わせ:アーティストジャパン 03-6820-3500

©2021.海の上のピアニスト