小山ゆうな演出、Sexy Zoneの佐藤勝利が主演を務める舞台、PARCO PRODUCE『ブライトン・ビーチ回顧録』が、本日9月18日(土)に初日を迎えた。
開幕に先立ち、フォトコールと初日前取材会が行われた。
『ブライトン・ビーチ回顧録』は、ブロードウェイの大御所コメディ作家ニール・サイモンが自身の少年時代を描いたとされ、貧しくもたくましく生きるユダヤ人一家と思春期の次男・ユージンの成長を描いた名作。
今作が舞台初単独主演となるSexy Zoneの佐藤勝利が、主人公の14歳のユージンを演じ、母・ケイトを松下由樹、兄・スタンリーを入野自由、父・ジャックを神保悟志、ユージンが憧れる従姉・ノーラを川島海荷が演じる。
【フォトコール】
時代は第二次世界大戦前、NYブルックリンで暮らすユダヤ人の4人家族の元に、夫を亡くしたケイトの妹と、その2人の娘が身を寄せて3年。深刻な不況で一家の暮らしは、父が正規の仕事の他に副業をしてもかつかつで、不安な日々を送っていた。
ユージンは野球選手か作家になるのが夢の14歳。日々の思いを回顧録にしたためていた。
16歳のノーラは女優になるためオーディションを受けるといいだす。
思春期を迎えたユージンに様々アドバイスをくれる18歳の兄・スタンリーは、仕事を失う危機に瀕していた。
それぞれが不安や問題を抱えて夕食のテーブルに着いた一家。
ただユージンだけは、食事中も幾度もナプキンを落として、ノーラの足を盗み見ていた。
迫りくる戦争の足音。ヨーロッパでのユダヤ人迫害のニュースに、ヨーロッパに多くの親類がいる一家は、一層不安を募らせていた。
テンポよく交わされる会話で、人物の個性と境遇、考え方や時勢が鮮明に浮き上がる。好奇心とエネルギーにあふれる14歳のユージンを佐藤は自然体で演じる。ベテラン松下と神保は言葉以上の苦悩をにじませて、切ない。川島の夢見る16歳を始め、どの人物も好感が持てるキャラクターだけに、今にも通じる閉塞感あるこの時代が彼らの未来にどうかかわってくるのか、続きがとても気になるプレスコールだった。
【初日前会見】
「感慨深いです。ずっと舞台大好きで、いつかやってみたいと思っていて、たくさん舞台を見ていて、東京芸術劇場も素敵でいつか立ってみたい舞台だと思っていたので、まさか立てる日がくるなんてと、よくみんなが言っていたコメントを言ってみました」と笑いを誘って会見を始めた佐藤勝利。
佐藤から「僕よりも緊張しいの方を見て逆に緊張しなくなりました」と言われた入野は「僕が兄役ではあるのですが、基本的にユージンに助けてもらっているところがあります」「勝利くんの笑顔をみて、大丈夫と言い聞かせながらやっています。稽古場でコミュニケーションをとってきたありのままを舞台上でつないでいけば、きっといい作品になると思っています」
松下はふたりについて「本当にかわいい息子で、見とれないように気をつけないと。14歳と18歳の役ですが、年齢を気にせず演じている姿に、私も助けられてお母さん度がアップできます」
佐藤は「台詞量だったり、不安や落ち込んだり、大変だなと思う瞬間もあるのですが、稽古で少しずつ得られることや、稽古場でみなさんと一緒に作れる時間がやはりいいなと思いますし、こうやって劇場で目の前のお客様を想像するとやはり舞台はいいなとなります。本当に舞台が好きなんだなと思っています」と語り、演劇への熱い思いをぶつける公演に、一層期待が膨らんだ。
PARCO PRODUCE
ブライトン・ビーチ回顧録
Brighton Beach Memoirs
【作】 ニール・サイモン 【翻訳】青井陽治
【演出】小山ゆうな
【出演】佐藤勝利(Sexy Zone)/松下由樹 入野自由
首藤理彩 川島海荷 岩田華怜 神保悟志
【東京公演】 2021年9月18日(土)〜10月3日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
【京都公演】 2021年10月7日(木)〜13日(水) 京都劇場
【企画製作】パルコ