黒柳徹子のライフワーク公演『ハロルドとモード』が、ジャニーズ WEST の藤井流星をハロルド役に迎えて9 月 30 日(木)に東京・EX シアター六本木にて初日を迎えた。初日に先立ち、ゲネプロが公開され、取材が行われた。
公演は10 月 14 日(木)まで東京・EX シアター六本木にて、10 月 16 日(土)から 10 月 18 日(月)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演予定。
60歳もの年の差がある二人の、いっぷう変わったラブストーリーと生きることの楽しさを描いた映画『ハロルドとモード』を、 G2が新たに脚本に書き下して生まれたのがこの朗読劇。
79歳のチャーミングな女性モードを演じるのは、長きにわたり海外コメディ・シリーズで主演を務めてきた黒柳徹子。
昨年の生田斗真からハロルド役のバトンを受け取ったのは、ジャニーズ WEST の藤井流星。
さらに、森川葵、花組芝居の小林大介、石丸謙二郎、高島礼子と豪華な顔ぶれがそろった。
【ゲネプロ】
自分らしく生きる破天荒な79歳の女性・モード(黒柳徹子)と、狂言自殺を繰り返す19歳のハロルド(藤井流星)は、赤の他人の葬式で幾度が顔を合わせるうちに親しくなった。
あらゆることに自分のスタイルをもち、それを貫くモード。一見すると奇妙に思えるそのスタイルも、モードの波乱に満ちた人生経験に裏打ちされた切実な思いが込められていた。
ハロルドはそれに気付いて、次第にモードに魅かれていく。
だがハロルドの将来を心配する母(高島礼子)は、ハロルドを結婚させようと次々に女性を紹介する。
ひとりで個性あふれる四役を演じる森川葵。
小林大介、石丸謙二郎の手堅い演技、森川と藤井とのコメディタッチのやり取りも楽しい。
黒柳が見せるモードの考え方が、爽快でかっこよく、黒柳自身に重なって見え、ゲネプロ終了後には、「黒柳さんのはまり役」という声があちこちから聞こえた。気持ちが暗くなりがちな今、その考え方に気付かされることがたくさんありそうに思えた。
【取材会】登壇したのは、黒柳徹子、藤井流星。
「80(才)という役で、実は80よりもっと上なんですけど、一応80ということで、こんな若い方と」と、藤井に年齢を尋ねた黒柳。
藤井が「28です」と答えると、驚いたように「そうなの?!あら、10代じゃないの?!10代だと思ってた」と返して、笑いを起こした。
黒柳は藤井について「とってもナイーブで素晴らしくて、この役にぴったりだったので、とても嬉しかったです」と話し「私の人生の中でも、嬉しい気持ちのお芝居だと申し上げていいと思います」と続けた。
一方の藤井は黒柳について「服装もおしゃれで、最初は(黒柳自身が)アートに見えた」とのこと。「徹子さんは雲の上の存在。『ホンマにいるんですか?』レベルなので、その黒柳さんと同じ舞台に立てているのが信じられない。本当にありがたくて光栄なお仕事です」と笑顔で。
さらに「朗読劇は初挑戦させてもらって、普通のお芝居とは違ったむずかしさがあります。ゲネプロが終わった後も『難しいね~」と」いえば、黒柳が「二人で言い合った」と引継ぎ、ふたりの息もぴったり。
藤井は「これを経験することでステップアップにつながる。貴重な経験になると思うのでがんばります」
また8月に無くなったメリー喜多川と長年の友人だった黒柳は「怖い人だと思われているかもしれませんが、とても気が付く、優しい人」と偲んだ。
最後に藤井は「東京・大阪とやらせて頂くので、まずは走りきれるように。一回一回を大事にしたい。学びが多い舞台なので、最後まで吸収していけるように最後までやり遂げたいと思います」
黒柳は「50年ぐらい前に見たこの芝居を、自分がそんな年になったらやりたいと思っていた。それがやれるようになった。有難いことです。変わったおばあさんで、面白い役なので、とても有難いです。ちょうどいい年頃の方がいらして、一緒にできたことはとても嬉しいこと。なんて運がよかったのだろうと思っています」と幸せな笑顔で取材会を終えた。
『ハロルドとモード』
【作】コリン・ヒギンズ 【上演台本・演出】G2
【出演】黒柳徹子 藤井流星(ジャニーズWEST) 森川葵 小林大介 石丸謙二郎 高島礼子
【東京公演】2021年9月30日(木)~10月14日(木) EXシアター六本木
【大阪公演】2021年10月16日(土)~18日(月) 森ノ宮ピロティホール
【チケット発売日】東京:2021年8月28日(土) 大阪:9月19日(日)
公式サイト www.haroldandmaude.jp/