舞台『千と千尋の神隠し』製作発表　橋本環奈「今まで緊張したことがない性格だと思っていましたが…」上白石萌音「千尋のように勇敢に頑張りたい」

尋役 橋本環奈・上白石萌音（W キャスト）で上演される舞台『千と千尋の神隠し』の製作発表が、メインキャスト勢揃いで11月9日(火)に行われた。

2001年封切で爆発的な大ヒットとなって以来、愛され続けている映画『千と千尋の神隠し』を、『レ・ミゼラブル』の世界初演の潤色・演出を担ったジョン・ケアードが翻案・演出を手掛ける本作。
ドラマ・映画などで大活躍、今回が初舞台となる橋本環奈と、現在放送中の連続テレビ小説 『カムカムエヴリバディ』でヒロインを演じている上白石萌音がWキャストで主演・千尋役を演じることでも大きな注目を集めている。

製作発表には、橋本、上白石の他、メインキャストが勢揃い。スタジオジブリ鈴木敏夫プロデューサー、ジョン・ケアードと共同翻案を務めるジョンの妻でもある今井麻緒子を迎え、2022年東宝創立90周年記念作品にふさわしく盛大に行われた。

後）大澄賢也 橋本さとし 田口トモロヲ 三浦宏規 醍醐虎汰朗  菅原小春 辻本知彦 咲妃みゆ 妃海 風
前）今井麻緒子 ジョン・ケアード上白石萌音 橋本環奈  鈴木敏夫 夏木マリ 朴璐美

ジョン・ケアード：映画『千と千尋の神隠し』を最初に見たときから演劇的な作品で、舞台になる作品だと常々思ってきました。鈴木さんと宮崎さんとお会いした時に（舞台化に）「いいよ」とは言ってくれないだろうとは思っていましたが、何分か話した後に「いいよ」と言ってくださいました。その後、しばらくして「どうやってやるの？」と言われて、僕はパニックになりましたが、承諾してもらったのだからやらなきゃいけないと思いました。宮崎駿作品の素晴らしさは環境問題や、男女・動物と人間の平等など、早くから大切なテーマを繰り返し描いていることです。一番天才的なのは子供の心の中に入りこんでいることで、それが宮崎さんは今もできる。チャールズ・ディケンズやアンデルセンやルイス・キャロルという素晴らしいストーリーテラー達をとならぶ歴史に名を遺す方だと思います。

（今回が世界初上演で、今後の海外での上演については）宮崎作品は西洋的な要素の強い作品が多いが、この作品については日本的な要素が強い作品です。海外で成功するとしたら、日本的だから日本をリスぺクトしているものだからと海外の方に喜んでもらえるようにしたいと考えています。

上白石萌音　　 橋本環奈

千尋役 橋本環奈：千尋役を演じさせて頂くのは、すごく光栄なことだと思います。だから舞台上で演じるのではなく、生きていけるように、息を吹きかけられるように頑張りたいと思います。初舞台なので何もわからない状態なので、周りのキャストのみなさんやジョン・ケアードさんもいらっしゃるので、助けて頂くというかなんでも吸収して、みなさんの背中を見てまっすぐぶつかっていけたらと思っております。
今まで緊張したことがない性格だと思っていましたが、ここに立ってすごく緊張していて、何をしゃべっていいか、わからない。何をしゃべったかも覚えていないと思います。それぐらい緊張しています。これほど多くののマスコミのみなさんが集まることはないのではないかと思います。ありがとうございます。それだけこの作品が注目されているのだと思います。
私も千尋として思いを届けられたらいいなと、何事も新鮮に楽しく向かって行けたらと思います。

千尋役 上白石萌音：この映画は大好きで、7歳の時に初めて見て、恐ろしさと何か引き込まれるものを感じました。おいおい泣きながら最後まで見たそうです。このプレッシャーを拭うことはできないと思うので、ここちよい重さと感じながらリスペクトと覚悟を持って演じさせていただければと思います。
千尋のように勇敢に頑張りたいと思います。

三浦宏規　　 醍醐虎汰朗

ハク役 醍醐虎汰朗：昨日お風呂で今日は何をしゃべろうか、考えていたのですが、いざこの場に立つと全部忘れちゃいました。精一杯頑張りたいと思います。
プレッシャーを感じていますし、緊張していますが、それ以上にこんなに素敵な方々にかこまれているので、胸を借りながら頑張りたいと思います。

ハク役  三浦宏規：舞台になるのが、とてもワクワクしています。僕が龍になるのか、龍がでてくるのか、僕自身もすごく楽しみにしています。皆様の期待を裏切らないように精一杯演じたいと思います。

カオナシ役　菅原小春：神秘的な存在の、動物なのか、人間なのか、宇宙なのか、世界なのか、わからない生き物を、ただ生きていることは確かだと思うから、人間の最大限の身体表現を使って、毎日ひとりでも人の輝きになる生ものをお届けできれば良いなと思っています。

カオナシ役 辻本知彦：ワークショップを1度やって、舞台美術、構想、振り付けを見たときにワクワクさせられました。イギリスのミュージカルに知恵がいっぱい詰まっているのが感じられました。子供心が戻った気がして、演出を受けるのが楽しみです。5歳で生まれて初めて見た映画が『風の谷のナウシカ』で、僕の人生の一部になっています。この公演を観に来てくれた方の一部になれたらいいと思いながら演じればと思います。僕はダンスがすごく上手いですが、上手さではなく哀愁というか、カオナシの哀しみを表現したときに何か違う身体表現ができるのかなと思います。記者のみなさんの人生の一部になればと思うので、ちょっと踊っていいですか（と、手先からはじまる滑らかな不思議なダンスを披露されました）

咲妃みゆ　　　 妃海 風

リンと千尋の母役　咲妃みゆ：幼少期からジブリ作品の大大大ファンで、（ケアードが見て欲しいと言った）「未来少年コナン」も全部拝見しています。オーディションの話を聞いたときに、得も言われぬ興奮に襲われ、どうしてもこの作品に携わらせ頂きたい一心で挑みました。今も興奮おさまらないのですが、しっかり地に足をつけて千尋の母、そして千尋をささえるリンを演じさせて頂けるよう、心してお稽古に挑みたいと思います。

リン・千尋の母役　妃海風：私も会場に入ってから感動しつづけています。キャストのみなさまもカラフルで、圧倒され続けている私。こんなにたくさんの方々に撮影されている私。
これからたくさんの興奮が待ち受けていると思うとワクワクします。リン役として湯婆婆役・夏木マリさんと朴璐美さんの下ではたらくという経験、橋本環奈さんと上白石萌音さんの面倒をみるという経験、そんなことは人生でないと思うので幸せを感じております。がんばろう！

釜爺役　田口トモロヲ：歴史ある帝劇に出演する緊張、世界的にファンをもつ作品に出演する緊張、更にジョンさんの演出をうける緊張、3つ巴の緊張があります。それを良き緊張にして、味方にして長丁場を完走できたらと思います。初日には6本腕が生えているか、ぜひご覧頂きたいと思います。

釜爺役　橋本さとし　：期待値が高まっていることを肌身で感じてしますが、ジョンと宮崎さんを信じて作っていきたい。本番までに何本か手を生やしたい。憑依型の役者なので生やせると思います。

兄・千尋の父役　大隅健賢也　：ジョンがいつもジョークを忘れず、いつも穏やかで誰に対しても平等に接して導いてくれます。そんなジョンと一緒に物を作ることを光栄に思っています。

 朴璐美　上白石萌音 　橋本環奈   夏木マリ

湯婆婆役　夏木マリ　：声をやらせていただいたのは20年前。20年後に実演するとは思いもよあらなかった。フレッシュに取り組ませて頂きたいと思っております。

湯婆婆役　朴璐美　：ジョンのオーディションで「璐美のすべてを出して」と言われたときにジョンの目の奥に飛び込んでいけると思えた。帝劇をきっちり油屋に変えていきたいと思います。

来年の世界初演となる日本での公演から、日本文化の一翼を担う世界へと広がる演目へとの期待膨らむ製作発表でした。

チケットの一般前売開始は2021年12月18日（土）より。お問い合わせ：03-3201-7777（東宝テレザーブ）

 舞台『千と千尋の神隠し』
原作：宮﨑 駿
翻案・演出：ジョン・ケアード
共同翻案 ：今井麻緒子
オリジナルスコア：久石 譲
音楽スーパーヴァイザー・編曲：ブラッド・ハーク
オーケストレーション：ブラッド・ハーク／コナー・キーラン
美術：ジョン・ボウサー
パペットデザイン・ディレクション：トビー・オリエ
振付：井手茂太