《ゴールデンコンビ》鹿賀丈史&市村正親による大人気のミュージカル・コメディ『ラ・カージュ・オ・フォール』が、3月8日(火)日生劇場から5度目の上演の幕を開ける。
1月25日(火)に製作発表記者会見が行われ、鹿賀丈史と市村正親が登壇。作品への愛と意気込みを語った。
東京公演は3月30日(水)まで。その後、愛知・富山・福岡・大阪・埼玉公演あり。
フランスでストレートプレイとして誕生し、映画化されミュージカルとなり、日本でも1985年の日本初演以来、愛されてきた本作。
南フランスのナイトクラブを舞台に、ゲイカップルの夫婦愛と、その一人息子への愛情を巡って巻き起こる珍騒動を通して<愛>の尊さ、温かさをハートフルに描いた物語。二人が営むナイトクラブの華やかなショーは、ミュージカルでも一二を争う豪華さ楽しさで、多くの観客を引き付けてきた。
今回も、2008年から続く、夫役ジョルジュの鹿賀丈史とザザことアルバン市村正親の<最強のコンビ>が出演する。その二人が製作発表会見に登壇した。
鹿賀丈史:(2008年に本作に初出演して)十何年が経ち、自分もよい年になりましたので、前回まではカツラをかぶっていましたが、今回からは「カツラをかぶっている場合じゃないだろう」という思いがありまして、今回からは地毛で、また新しい芝居をいろいろ考えたり、試行錯誤している最中です。(本作は)こういう状況の中ですが、人とのつながりや愛や思いやりの気持ちがふんだんにちりばめられた素晴らしいミュージカルです。一人でも多くのお客様に来て頂けるように、どうぞよろしくお願い致します。
市村正親:この作品と出会ったのが、44~45歳で、約三十年前。非常に元気で非常に美しく、非常に華やかでした。年が経つと、役をもっともっとリアルにしてくれるなと、最近は思っています。今回また、鹿賀くんと夫婦役をできるのは、運命的なものを感じるし、三十年前には出せなかった、よりザザに近いザザをだせるのではないかと思って、期待で胸が膨らんでいるところです。
去りゆく美しさを、どこまで手元に置いておくことができるか。最近は、メイクの技術も発展しているので、いろんな方からメイクの技術を盗んで、つかの間の嘘の輝きを放っていけたら良いなと思っています。
大変素敵な作品ですので、このコロナ禍、愛と喜びと感動を与えられたらいいなと思っております。
―ジョルジュがアルバンに一番惹かれているところは?
鹿賀:ジョルジュがアルバンに魅かれているのは、アルバンはわがままな奥さんですが、可愛かったり、二人で力を合わせてクラブをやっていく上ではかけがえがない人だなと。喧嘩したり、普通の家庭にもあるようなことが、物語を深めていく面白いところかなと思います。二人は男性同士ですが、24になる実子がいて、その子も含めて家庭でもあり、(営んでいる)踊り歌うナイトクラブにもチームのような強いものが感じられます。
この難しい時代に、この作品をやるのは、一層インパクトがあるのではないかと思います。僕らは俳優ですから少しでもご覧になるお客様に、人間というものを大事にすること、自分は自分で強く生きていくというメッセージを面白く楽しく伝えられるといいかなと思いながら稽古をしています。
―市村さんの役者としての魅力は?
鹿賀:市村さんとは40何年やってきて、二十代は劇団四季でやってきて、僕は20代後半で四季を退団して、(つきあいの)間はあいてるけど、市村正親という俳優の魅力は最初から知っています。芸の幅がひろい。舞台ならではの押し出しが強くて的を外さない凄い役者だと思います。長くやっているということもありますが、やはり息が合うのはやっていて非常に面白い、気持ちがいい。ある意味、非常に楽しいし、お客様にも楽しんでもらいたいとおもっております。
―アルバンにとってジョルジュの魅力は?
市村:ザザのわがままを全部きいてくれるところがジョルジュの魅力ではないかと思っています。それとダンディで品があって大人で全部聞いて支えてくれる。いつ倒れても全部面倒見てくれるところではないかと。
ー市村さんが鹿賀さんに一番惹かれているところは?
俳優・鹿賀丈史については、私が24で劇団四季のオーディションを受けたときから、常に舞台のセンターに立っていたのは鹿賀丈史。いつもいい声で、いいファルセットと、いい低音を出して、僕はいつもその横で小バエのようにブンブン生きてきた。そんな男がなんとか丈史と夫婦になって、最近はダブルキャストで同じ役をやったり。市村も随分がんばってきたな。それも、鹿賀丈史という最初の頃からの僕にとってのあこがれの役者がいたからここまでこれたかなと思っています。
俳優として、ジョルジュとザザの役がだぶってくる場面があるので、幕切れの後ろで手を組んで歩く場面などは、若い頃を知っているお客様なんかは涙々の世界ではないかと思います。(鹿賀が「そんなに褒めなくていいですよ」と声をかけ、笑いが起こる)
鹿賀は「最近、ミュージカルで歌いきることにどれだけの意味があるのか?と思うようになり、ミュージカル『生きる』の再演ではミュージカルで初めて、芝居をするのをやめよう。歌うはナンバーとしてまとめ上げない、という作業をやって刺激になり、面白い体験をした」と言う。
再演を重ねても、新たな心で作品を見つめ直して演じる鹿賀と、「よりザザらしいザザが出せるのではないか」という市村。
ゴールデンコンビのさらなる進化を楽しみに劇場に向かいたい。
ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』
日程:2022年3月8日(火)~30日(水)
会場:日生劇場
料金(全席指定・税込):S席14,000円 A席9,000円 B席4,500円
出演:
ジョルジュ 鹿賀丈史
ザザことアルバン 市村正親
ジャン・ミッシェル 内海啓貴
アンヌ 小南満佑子
ハンナ 真島茂樹
ジャクリーヌ 香寿たつき
エドワール・ダンドン 今井清隆
マリー・ダンドン 森 公美子
他
作詞・作曲:ジェリー・ハーマン/脚本:ハーベイ・ファイアスティン/原作:ジャン・ポワレ
翻訳:丹野郁弓/訳詞:岩谷時子、滝弘太郎、青井陽治/演出:山田和也/オリジナル振付:スコット・サーモン
主催・企画製作:東宝/ホリプロ
愛知公演2022年4月9日(土) 10日(日)愛知県芸術劇場 大ホール
富山公演2022年4月16日(土) 17日(日) オーバード・ホール
福岡公演2022年4月22日(金)~25日(月) 博多座
大阪公演2022年4月29日(金・祝) ~5月1日(日) 梅田芸術劇場 メインホール
埼玉公演2022年5月7日(土) 8日(日)ウェスタ川越 大ホール
公式HP:https://www.tohostage.com/lacage/