関ジャニ∞の丸山隆平主演によるブロードウェイミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の全国5都市での公演が、2022年2月3日(木)のEX THEATER ROPPONGIでの公演を皮切りに始まった。初日に先駆け公開されたゲネプロをレポートする。
ミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』は、ベルリンの壁がまだ残っていた東ドイツから米兵と結婚することで脱出。手術の失敗によって股間に「アングリーインチ(怒りの1インチ)」が残ってしまい、今はロックシンガーとなったヘドウィグが歌と語りで自らの人生を綴る物語。世界中で繰り返し上演され、映画化もされ、熱狂的なファンを持つ傑作ミュージカルだ。筆者も海外での公演を含め、10人以上の俳優がHEDWIGを演じるのを観劇してきたが、観れば観るほどに深く心をえぐられる作品で、お気に入りミュージカルのトップ3に必ず入れたい作品だ。
【取材会】
さとうほなみ 丸山隆平
笑顔いっぱいに登壇した丸山隆平は、ヘドウィグへの変身について「プロの技術をすごいと実感した」と語り「ヘドウィグに気持ちを持ち上げてもらって成り立っている」としながらも「ヘドウィグと(自分との)境目がわからなくなってきている。わからない自分も少しずつ生まれている」とも言うほどにのめりこんでいる。
「男性の恰好をするのは初めて」と言うさとうほなみ。丸山について「自由度の高い方。生き生きされているので、一緒にやらせてもらえて楽しい」と語り「尊敬する丸山さんについていこうかと(思う)」。
丸山はこの取材会の後に腋毛と脛毛を剃る断髪式を行うと宣言。関ジャニ∞のメンバーからもメールをもらい「200点目指してがんばります!」とヘドウィグへの強い意気込みを見せた。
【ゲネプロ】
作者で長年主演を務めてきたジョン・キャメロン・ミッチェル自らが舞台版の演出を初めて手掛けた本作。丸山によれば、ジョンはコロナ禍のため来日がかなわず、まとめて送られてきた映像にコメントするリモートでの演出となったとのことだが、ジョンらしい本質を大切にした”HEDWIG”が完成した。
ヘドウィグを演じた丸山は、アドリブもふんだんに交えて情熱をあふれさせる。自由に演じているように見えるが、ヘドウィグの内に抱えて悲しみと怒りと希望を丁寧に見せていく。これまでに日本で上演されてきた『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の中にはアレンジを楽しませる作品もあったが、本作は原点回帰ともいうべき仕上がりで筆者には嬉しかった。
彼の美しい足も、背景に流れるアニメーションも印象的だ。
ただ歌が全編英語で、日本語字幕が出ないものが多い。本作のファンにとっては嬉しいのだが、歌詞が大切な意味を持つ本作では、初めて観る観客にはヘドウィグの生い立ちや心のうちを理解するのには難しいかもしれない。初めてヘドウィグに触れる方は、楽曲の歌詞の予習をしてから観ると本作の醍醐味を味う手助けになるだろう。
激しさや派手さの奥にある、熱狂的ファンをもつ理由を、じっくりと味わって欲しい。
2月13日(日)まで、EX THEATER ROPPONGIにて上演。その後、大阪、福岡、名古屋、札幌を経て東京凱旋のZepp DiverCity公演は3月4日(金)~6日(日) 。
ブロードウェイミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』
作・演出 ジョン・キャメロン・ミッチェル
作詞・作曲 スティーヴン・トラスク
アドバイザー 鈴木勝秀
出演 丸山隆平 さとうほなみ
[BAND]GUITAR/山岸竜之介 GUITAR/イイダケイスケ BASS/FIRE DRUMS/ナガシマタカト KEYBOARD/Robin
企画・製作 テレビ朝日/ニッポン放送/東京グローブ座
公式サイト www.hedwig2022.jp
チケット料金 全席指定11,000円(全席指定・税込)※未就学児童入場不可
☆東京公演
公演期間/会場 2022年2月3日(木)~13日(日) 全14回公演 / EX THEATER ROPPONGI
☆大阪公演
公演期間/会場 2022年2月16日(水)~19日(土) 全7回公演 / Zepp Osaka Bayside
☆福岡公演
公演日時/会場 2022年2月23日(水・祝) 13:00/17:00 全2回公演 / Zepp Fukuoka
☆名古屋公演
公演期間/会場 2022年2月25日(金)~27日(日) 全4回公演 / Zepp Nagoya
☆札幌公演
公演日時/会場 2022年3月2日(水) 14:00/18:00 全2回公演 / Zepp Sapporo
☆東京凱旋公演
公演期間/会場 2022年3月4日(金)~6日(日) 全4回公演 / Zepp DiverCity