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インタビュー 小野田龍之介 ミュージカル『メリー・ポピンズ』はすべてが完成された総合芸術!

ディズニーと『レ・ミゼラブル』のサー・キャメロン・マッキントッシュがプロデュースし、トニー賞7部門にノミネートされた傑作ミュージカル『メリー・ポピンズ』が、3月24日(木)からプレビュー公演を行い、31日(木)から初日の幕を開ける。
2018年の日本初演では、当日券を求めて長蛇の列ができたという好評を受けての再演だ。

初演ではハウスボーイのロバートソン・アイ役で出演し、今回は煙突掃除人のバート役で出演し、本作をよく知る小野田龍之介に、作品の魅力と、役替わりで挑むバート役への意気込みを聞いた。

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―「最高のミュージカルだよ」とよく耳にします。まだ観たことがない身としては「どこがそんなにスゴイのか?」を教えて頂きたいです。
『メリー・ポピンズ』は、総合芸術で、ドラマも音楽もダンスの振付も、台詞の言葉ひとつひとつも、すべてが完成されていて、すべてが詰まっている作品です。ミュージカル俳優としてもそうそう出会える作品ではないと思っています。
目を閉じて音楽を聴いているだけでも、耳をふさいで見ているだけでもワクワクします。本当にこの作品は他のミュージカルとは楽しみ方も全く違うのではないかと思うくらいです。
ディズニーならではの世界観とカラフルなセットと音楽、それにプラスして、ミュージカル界最高のキャメロン・マッキントッシュ・カンパニーのプロデュース作品です。エンターテインメント界の最高の2組がタッグを組んだ作品ですから、最高でないはずがない。
それに、キャメロンの作品では、『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』にも出演させて頂きましたが、どちらも重いテーマです。本作はキャメロンに珍しく明るい作品なので、そこも楽しんで頂けるのではないかと思います。

―とにかく楽しい?
CMなどでちらりと舞台シーンを見ただけでも「どういう場面だ?!」と興味が沸き立つと思います。衣装も美術もすばらしい。だから誰が観ても楽しい。
そして、すっと世界観に引き込んでくれる。お客様ものめりこめる作品だと思います。

―誰が観ても楽しい?!
楽しいです!女性のお客様のお好きな作品かなと思われがちですが、初演では海外スタッフも驚いていましたが、本当にたくさんの男性のお客様が涙を流してご覧になっていました。
英米ではショーとして楽しむ方が多いのでしょうが、日本人はショーとして楽しむのはもちろんですが、描かれている繊細な家族の機微が、日本人の琴線に触れるのでしょうね。そこが初演でリピートする方が増えて、この作品が愛された所以かなと思います。

―楽しいけれど、楽しいだけではないんですね?
そうなんです。いろんな感情を引き出してくれる作品なんです。
俳優にとってもグッと入り込めるエネルギーがある作品で、その作品のエネルギーに負けずに演技し続けることが、この作品に出演する全俳優の課題でもあるかと思います。

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―小野田さんは、今回から役が変わるのですね?
初演ではロバートソン・アイ役で出演していたので「再演があったら、またロバートソン・アイをやれたら楽しいな」という気持ちもあったのですが「バート役はどうだろう」というお話を頂いて「トライできるならトライしてみたい」と思ってオーディションを受けさせていただきました。ただ、正直「どうなるのかな?」と思っていました。というのは、バートはやることがたくさんあるんです。それに、初演に出演していたので、バートという役のイメージが自分の中でとっても膨らんでいたのですが、オーディションの前に、海外スタッフから「前回の日本版とはちょっと違ったバートを作ってみて欲しい」とリクエストをもらっていたので。
オーディションでは「こういうのどうでしょう」と話しをしながらいろいろやりました。大変ではありましたが楽しい時間で、結果的には、それを評価して頂けたのだと思います。

―バート役に決まった時のお気持ちは?
バート役に決まったと聞いた時は非常に嬉しかったです。ディズニーの映画の中でも『メリー・ポピンズ』は最高の作品のひとつだと思いますし、ミュージカルとしてもトップクラスの作品だと思います。子供の頃からのディズニー好きとしては、バートはヒーローのようなあこがれの役だったので。
でも3分後には「これは大変だ」という気持ちの方が大きかったです。「今から大変だな」と。

―大変だというのは具体的には?
細かい段取りも多いですし、歌って踊る、その分量も多い。僕は元々ダンスからミュージカルを始めたのですが、最近は歌や台詞でドラマを展開していく役が多くて、踊る役はあまりなかったのですが、バートはダンスナンバーも多い。「キャラクターとして踊るのは、どう踊るのがいいのかな?」「これは大変だぞ」という思いで日々、生きています。

―普通に踊るのとは違いますか?踊る小野田さんを拝見したことないので、新鮮に思えます。
ダンスで新しい面をお見せできたらいいなと思います。ただ、『メリー・ポピンズ』は優雅に踊る曲ではない。例えば『TOP HAT』や『SINGIN’ IN THE RAIN』のようなダンスとは違って、あのディズニーの世界の、キャラクターとしての身体表現としてのダンスです。タップもありますが、タップダンサーとしてタップを踏むのとは違います。
バートはエンターティナーに見えるけれど、エンターティナーではなくて煙突掃除人です。労働者のバートが、メリーの魔法でちょっと踊り出しちゃったというような労働者としての身のこなしの部分も逃さず表現していけたらと思っています。タップを踏むのは久しぶりなので、覚悟して取り組んでいます。楽しんで頂けるシーンにしたいと思っていますし、どこまでできるのか、自分でも楽しみです。

―単にタップが上手ければ良いのでなく、魔法にかけられてのダンスなのですね。こだわりがいっぱいありそうです。バート役としては、他にどこを見てほしいですか?
挙げたらキリがないほどですが、キャメロン・マッキントッシュのスタッフも言っていましたが…このお話はイギリスのバンクス家にメリーが登場して、バンクス家の人たちにバートやバードウーマンなど様々な人を会わせることで子供たちが成長し、大人も変わっていくお話で、メリーは空からバンクス家を支え、バートは大地からバンクス家を支えます。バートは人間で、エンターティナーでも魔法使いでも何でもない。ショーアップされた役だというイメージがあると思いますし、そういう瞬間もたくさんありますが、彼は本当は労働者なので、男性的な部分を見せることができたらいいなと思っています。

―作品の見どころや楽しみ方を、たくさん教えて頂いて、ありがとうございます。最後に、楽しみにしている方へメッセージをお願いいたします。
またミュージカル『メリー・ポピンズ』が帰ってきました。作品のベースは変りませんが、新たなキャストも加わりました。前回楽しんだ方も、初演とは違う感じ方があるかもしれません。見逃した方も、2度3度、劇場に足を運んで、複数キャストの組み合わせも楽しんで頂きたいと思います。

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ミュージカル『メリー・ポピンズ』
<東京公演>
【プレビュー公演】2022年3月24日(木)~3月30日(水)
【本公演】3月31日(木)~5月8日(日)
会場:東急シアターオーブ 渋谷ヒカリエ11階
主催・企画製作:ホリプロ/東宝/TBS/梅田芸術劇場
お問合せ:ホリプロセンター 03-3490-4949(平日11:00~18:00/定休日 土・日・祝)/東宝テレザーブ 03-3201-7777

<大阪公演>
2022年5月20日(金)~6月6日(月)
会場:梅田芸術劇場メインホール
企画製作:ホリプロ/東宝/TBS/梅田芸術劇場
主催:ホリプロ/東宝/TBS/梅田芸術劇場/読売テレビ
お問合せ:梅田芸術劇場 06-6377-3800(10:00~18:00)

<キャスト>
メリー・ポピンズ:濱田めぐみ/笹本玲奈(Wキャスト)
バート:大貫勇輔/小野田龍之介(Wキャスト)
ジョージ・バンクス:駒田一/山路和弘(Wキャスト)
ウィニフレッド・バンクス:木村花代/知念里奈 (Wキャスト)
バードウーマン/ミス・アンドリュー:島田歌穂/鈴木ほのか(Wキャスト)
ブーム提督/頭取:コング桑田/ブラザートム(Wキャスト)
ミセス・ブリル:浦嶋りんこ/久保田磨希(Wキャスト)
ロバートソン・アイ:内藤大希/石川新太(Wキャスト)

石川 剛、 エリアンナ、 小島亜莉沙、 丹宗立峰、 長澤風海、 般若愛実、 樋口祥久、
青山郁代、 五十嵐耕司、 石井亜早実、 大井新生、 岡本華奈、 風間無限、 工藤 彩、 熊澤沙穂、 今野晶乃、 斎藤准一郎、白山博基、 高瀬育海、 髙田実那、 照井裕隆、 東間一貴、 長澤仙明、 花岡麻里名、 藤岡義樹、 藤咲みどり、 MAOTO、 武藤 寛 (五十音順)

ジェーン・バンクス(4人キャスト)
大廣アンナ、西光里咲、弘山真菜、深町ようこ (五十音順)
マイケル・バンクス(4人キャスト)
井伊巧、髙橋輝、田中誠人、中込佑協 (五十音順)

公式HP= https://marypoppins2022.jp/