3月12日(土)に『ミュージカル「手紙」2022』が初日を迎えた。舞台写真とコメントが到着!ゲネプロレポートをお届けする。(写真:田中亜紀)
本作は東野圭吾原作の小説を、高橋知伽江が脚本・作詞、深沢桂子が作曲・音楽監督・作詞を手掛け、藤田俊太郎が演出。2016年1~2月に初演。大きな感動を生み、新たな日本のオリジナルミュージカルの誕生として注目を集め、2017年に続いての上演。村井良大、spi、三浦透子、中村嶺亜&佐々木大光&今野大輝(7 MEN 侍) が出演している。
映画化もされた名作が、素晴らしい俳優たちとスタッフによって、感動のミュージカルとして蘇った。
描かれるのは、両親を早くに亡くした仲の良い兄(左 spi)と弟(右 村井良大)の物語。
弟・武島直貴は音楽好きで優秀な学生だった。友人の祐輔(左 中村嶺亜)と。
兄・武島剛志は直貴を大学に入れたいと夜遅くまで働くも、腰を痛めて仕事を解雇されてしまい、金持ちの女性が一人暮らしだと知った家に空き巣に入った。だが、女性は在宅で、剛志は彼女を殺してしまう。
強盗殺人犯となった兄と、その弟・武島直貴。
直貴は、大学も好きな音楽も、何もかもを諦め、差別されながらも、何とか就職先を見つけて働きだす。そこで一人の女性、由美子(三浦透子)と出会い、すべて諦めていた直貴の人生が少しずつ変わっていく。
祐輔(左)のバンド コータ(中央 佐々木大光) アツシ(右 今野大輝)
祐輔の音楽仲間 朝美(青野紗穂)
冒頭に村井とspiが登場した瞬間、「兄弟だ」と思え、村井が高校生にしか見えない。spiは実直だけど不器用そうで、まさに、役のままで、作品の世界へと引き込まれ、三浦透子の自然な演技と柔らかで透き通った歌声が心に沁みて釘付けになる。ゲネプロでありながら、客席では一幕から涙をぬぐう姿が。
いくつもの重いテーマを抱えた作品ではあるが、ライブのシーンではしっかり聞かせてもらえる楽しさもあり。
村井とspi、三浦の3人以外のキャストは、メインの役以外にも多くの役を次々に演じて、あっという間に変化(へんげ)。時に個性を没し、そして、幾人もの確かに存在する誰かになって現れる。スゴイ!凄すぎるとかしか言葉が出ない。
村井良大とspiへのインタビューで、spiが「藤田さんの配役は間違いがないんです。キャストには、めちゃくちゃ良いひとしかいない。お芝居素敵~!って、きっと思えると思います」と話してくれたが、まさにその通り!そんな見どころも見逃さないでほしい。
本作の初演、再演と観てきたので、涙なくしては観られない感動作であることは(号泣ものであることも)重々承知していたが、その期待を裏切らないどころか、劇場が大きくなりスケールも大きくなってエネルギーに包まれるように。
公演は3 月 27 日(日)。感動作をお見逃しなく。
演出 藤田俊太郎 コメント
キャスト、ミュージシャン、スタッフ、
カンパニーの仲間と、対話を重ねながら、充実した稽古ができました。
「今」と向き合い、オリジナルミュージカルの太く大きな幹を、
大切に育てて創った『ミュージカル「手紙」2022』。
演劇を愛する皆様に観ていただきたい作品です。
感染対策に努め、東京建物 Brillia HALL にて、お待ちしております。
村井良大 コメント
『ミュージカル「手紙」2022』、いよいよ12日より初日の幕が開きます。稽古中に大切に育んで来たも
のを、あとは舞台上に乗せてお客様に観劇していただくのみとなりました。依然コロナ禍での厳しい公演状
況ではありますが、一人でも多くの方にこの作品のメッセージを届ける為に一公演一公演、心を込めてまい
ります。
『「手紙」2022』というタイトルに相応しい、今だからこそ届く言葉がある作品です。
是非、劇場でお会いしましょう。
spi
皆様こんにちは、spi です。今回このカンパニースタッフ一同新型コロナ対策を徹底しながら稽古に励み
ました!この文章を書いている現在も、初日に向かって頑張っているところです。『ミュージカル「手紙」
2022』ということで、僕自身も出来る最大限の努力をしてきました!演出家の藤田さん含むスタッフ、共演
の皆様にも感謝しています。この公演の初日をあけられるのは、ひとえに観劇にいらっしゃる皆様のおかげ
だと思っています!是非楽しんでいって下さい!
三浦透子
自分の思いを伝える、相手の考えを聞く。そういうシンプルなことがちゃんと大事にされていた稽古場で
した。それがどれだけ恵まれていることか、『ミュージカル「手紙」2022』という作品を通して強く実感して
います。そんな時間を経て生まれた作品だからこそ、今を生きる皆様に届くものになると信じています。是
非劇場で観ていただきたいです!
中村嶺亜(7 MEN 侍 / ジャニーズ Jr.)
僕らを観に来てくれる方、原作が好きで観に来てくれる方、とにかく全てのお客様が満足できる作品にな
るように切磋琢磨しました。毎回、自分自身の全力を出すつもりです。そして、その都度見つけた発見を取
り入れて、日々進化すると思うので、それも楽しんで欲しいです。特にスペシウムのバンド演奏シーンは、
この3人でバンドを組むことも初挑戦なので、注目して観て欲しいと思っています。
佐々木大光(7 MEN 侍 / ジャニーズ Jr.)
コータとして、音楽への希望に満ち溢れた 2000 年初頭の当時の勢いを伝えられるよう、熱いバンドマンを
演じ切れるように頑張りたいと思います。加えて、与えられた役割として、衣装、特にカツラの替えも多い
ので、それぞれのキャラクターに個性を持たせるように心がけました。それも楽しんで頂きたいです。とに
かく、無事に初日が開いて、千秋楽まで迎えられるように体調管理をしたいと思います。
今野大輝(7 MEN 侍 / ジャニーズ Jr.)
今回、7 役を演じます。稽古始めは、配役ごとの人物像を作る事や、一連の流れで演じるときの気持ちの切
り替えは苦労しました。ただ、1 カ月以上の稽古を通じて、多くのことを学び、吸収できたので、成長できた
と思っています。そんな自分をお客様にお届けしますので、楽しんでもらえたらと思っています。そして、
無事に全 21 公演を完走できるよう感染対策もしっかり取り組みたいと思います。
青野紗穂
『ミュージカル 「手紙」2022』の初日をこうして迎える事ができて本当に嬉しいです。
このミュージカルは、90 年代から 2000 年代にかけてのお話ですが、今の時代にもまだ存在する世の中の仕
組みや人間関係、コロナや、世界情勢にも通ずるものがあると思います。
加害者と加害者家族そしてそれを取り巻く世の中をリアルに描き出している作品です。
「もし、自分が人殺しの家族になったら。」
「もし、周りに人殺しの家族がいたら。」
正解はありませんが、何か感じていただければとおもいます。
劇場でお待ちしています。
ミュージカル「手紙」2022
【原作】東野圭吾「手紙」(文春文庫刊)
【脚本・作詞】高橋知伽江
【作曲・音楽監督・作詞】深沢桂子
【演出】藤田俊太郎
【出演】村井良大、spi、三浦透子、
中村嶺亜(7 MEN 侍 / ジャニーズ Jr.)、佐々木大光(7 MEN 侍 / ジャニーズ Jr.)、今野大輝(7 MEN
侍 / ジャニーズ Jr.)、青野紗穂、
染谷洸太、遠藤瑠美子、五十嵐可絵、川口竜也
【ミュージシャン】村井一帆(pf)、えがわとぶを(Bass)、萱谷亮一(Perc)、中村康彦(Gtr)、古池孝浩(Gtr)、
土屋玲子(Vln)、日俣綾子(Vln)、三葛牧子(Vln)
【会場】東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場) 東京都豊島区東池袋 1-19-1
【公演日時】2022 年 3 月 12 日(土)~3 月 27 日(日)