劇団創立 100 周年を迎えたOSK 日本歌劇団が、本日3月25日に100 周年記念公演「レビュー春のおどり」東京公演を新橋演舞場にて開幕した。初日を控えて、トップスターの楊琳(やん・りん)が囲み取材を行った。公演は3月27日まで。
OSK 日本歌劇団は、1922年(大正11年)4月に「松竹楽劇部」として大阪で誕生。その後、松竹歌劇団(SKD)や宝塚歌劇団と共に、日本三大少女歌劇のひとつとして日本のレビュー文化を牽引してきた。
時代の移り変わりにより一時解散の危機にも直面したが努力を重ね、2014年に66年ぶりに大阪松竹座で「春のおどり」を上演。以来、各地で公演を重ねてきた。
今日開幕したこの100 周年記念公演「レビュー 春のおどり」は、大阪公演につづいての東京公演。
初日開幕前には、新橋演舞場前には初日を楽しみにした多くの観客が列をなし、初日らしい賑わいを見せていた。
【囲み取材】
トップスターの楊琳
「OSK 日本歌劇団100周年ということでOSKの公演を東京のお客様に観て頂けるのが嬉しいです。でもまだまだOSKの知名度が足りないと思っておりますので、たくさんの方に知って頂きたいと思いますし、今回の「春のおどり」はとてもすばらしい作品に仕上がっております。最高のレビューを皆さまにお届けしたいと思っておりますので、劇団員一同一丸となって邁進したいと思っております。27日の千穐楽までよろしくお願いいたします」と挨拶し、質疑応答へ。
―先に行われた大阪公演について
大阪の公演はコロナの影響で公演日数が短くなってしまったので、お客様の反応が怒涛のように活気がすごく。私たちも「100周年」「素晴らしい作品を観ていただける」という喜びも相まって、感動にあふれた初日を迎えました。東京のスタッフも皆さまも待っていてくださったので、感謝の気持ちを忘れずに東京の皆さまにも楽しんで頂きたい。
―見どころは?
第一部が史上初めて山本友五郎先生、尾上菊之丞先生、藤間勘十郎先生に共同演出・構成して頂いた作品になっています。
第二部は荻田浩一先生により、OSK100年の歴史をきらびやかに振り返っている作品になっているので、両方ともOSK100周年ならでになっています。見どころ満載なので、心から楽しめる作品になっているので頑張りたいと思います。
初日の公演を観劇した。
目の覚めるような華やかでゴージャスなオープニングに、客席のテンションがド~ンと上がり、そのまま一挙に一幕最後まで。構成・演出が“和“の先生方であり「和のレビュー『光』」題されていながら、音楽もダンスも衣装も、ありとあらゆるエンターテイメントが織り交ぜられており緩急自在。舞台セットにも想像力を刺激される。長い時間を共にしている劇団員ならではの息の合った優美な群舞も圧巻で、そのすべてを引き受けてのラストの“月”をテーマにした「光の巻」はミステリアス!必見です!
二幕は『INFINITY』はグッと洋物に寄って、一層にぎやかに華やかに。観客の手拍子が止まらない!ラテンから南仏、パリへと旅した気分に。ソロの歌やダンスも多く、団員のひとりひとりの個性が目を引く。耳馴染みのある日本の古き名曲も次々と披露されて、最後はOSKのテーマ曲ともいえる「桜の咲く国」へ。
囲み取材で、楊琳が
「今回も最後に歌う♪『桜咲く国』を東京で初めて歌った時に、SKDの先輩から「本当にありがとう。まさか東京で聞けなんて」と言われて歴史を感じました。なので、毎回「桜咲く国」を歌わせて頂くときは、「OSKが歌い継いできたテーマ曲なんだな」と改めて感じています。
と語っていたが、名物のピンクのパラソルを持ちながら歌う艶やかなステージと、客席でも小さなパラソルを回しながらリズムをとる観客を目にして「今年も春が来た」「今年も東京に桜咲く時期になった」と実感。終演後には「また、この曲が観られたことの喜び」が劇場からあふれているように感じられた。
OSK日本歌劇団創立100周年記念公演 『レビュー春のおどり』
演目 :
【第一部】 『光』 演出・振付 : 山村友五郎、尾上菊之丞、藤間勘十郎
【第二部】 『INFINITY』 作・演出 : 荻田浩一
出演 : 楊琳、舞美りら、千咲えみ、白藤麗華、虹架路万、愛瀬光、城月れい、華月奏、遥花ここ、翼和希、椿りょう
/ 桐生麻耶 他 OSK日本歌劇団
■2022年2月 大阪松竹座(終了しました)
■2022年3月25日(金)~27日(日) 新橋演舞場(東京都中央区銀座6-18-2)
【ご観劇料(税込)】S席(1・2階):9,500円 A席(3階):5,000円