英国メニエールチョコレートファクトリー劇場と、梅田芸術劇場が初めて手掛ける共同制作ミュージカル「太平洋序曲」の上演が決まった。出演は、 山本耕史・松下優也(Wキャスト) 海宝直人・廣瀬友祐(Wキャスト) ウエンツ瑛士・立石俊樹(Wキャスト) 朝海ひかる.
メニエール劇場は、エッジの立った芸術性の高い作品のプロデュースに定評があり、ロンドンでの躍進目覚ましい劇場。近年では『屋根の上のバイオリン弾き』(2019年トレバー・ナン演出)、『カラーパープル』
(2016年度トニー賞受賞)、『メリリー・ウィー・ロール・アロング 』(2014年ローレンス・オリヴィエ賞受
賞)等をウエストエンドやブロードウェイに輩出。
初のコラボレーションに選んだのは、ミュージカルの巨匠ソンドハイムの意欲作『太平洋序曲』。“西洋のクリエイターによって描かれた「日本」”という点で唯一無二の作品を、西洋と日本の融合したアプローチで新たに創り上げる。今回は、『TOP HAT』のマシュー・ホワイト&屈指のクリエイティブスタッフによる新演出となる。
描かれるのは、江戸時代末期、日本が鎖国を解き、開国し、西洋化へ向かう激動の過程。
物語全体を俯瞰しながら進行する狂言回しとして山本耕史・松下優也が、浦賀奉行としてペリーとの交渉に臨み、
次第に西洋文化に傾倒していく香山弥左衛門に海宝直人・廣瀬友祐が、流れ着いた米国から帰国し、日本が開国に向かう中で武士道に目覚めるジョン万次郎にウエンツ瑛士・立石俊樹がそれぞれダブルキャストで挑む。
演出:マシュー・ホワイト<コメント>
ソンドハイム氏の『太平洋序曲』は、私にとっては希少な宝石のような作品です。イギリス人からすると、
馴染みがうすい時代の日本史を扱った作品だからでしょうか…時として、この作品はイギリスで過小評価されているように感じます。しかしながら、この卓越した作品の上演が発表される度に、いつも胸が高まるのです。
スティーヴン・ソンドハイム氏の訃報を受け、彼の類まれなる豊かな遺産は再評価されました。彼の作品の一つ一つ
全てが、それぞれに大変な個性を持っています。とりわけ『太平洋序曲』について言えば、1976年ブロードウェイ初演の夜に居合わせた幸運な観客が受けた衝撃たるや、驚きに溢れていたに違いありません。そこには、アメリカの観客が観たことのない世界が広がっていました。歌舞伎や能などの伝統技能が取り入れられ、最後のシーンを除き、出演者は男性のみでした。この作品で、ソンドハイム氏と脚本のワイドマン氏は、東洋と西洋の伝統をスリリングに並べて見せ、ミュージカル界に地割れのような衝撃を与えたのでした。
この度、ロンドンのメニエール劇場と日本の梅田芸術劇場の新たなコラボレーションである『太平洋序曲』に関われることを、とても誇らしく嬉しく思います。奇しくも、私の母国イギリスは「ブレグジット」を通じて西洋の近隣諸国からの「孤立」を選びました。そんな時代に、日本がイギリスとは正反対の道を選んだ歴史を見ていくことに、魅力と意義を感じています。あの時、日本にとって分別のある選択肢はそれしかなかったのです。世界の国々を受け入れ、新しい技術を取り込み、西洋に出来ることは何だって、日本にもできる…日本の方が上手く出来ると立証したのです。
ミュージカル『太平洋序曲』概要
■作詞・作曲:スティーヴン・ソンドハイム
■脚本:ジョン・ワイドマン
■演出:マシュー・ホワイト
■出演:狂言回し 山本耕史・松下優也(Wキャスト)
香山弥左衛門 海宝直人・廣瀬友祐(Wキャスト)
ジョン万次郎 ウエンツ瑛士・立石俊樹(Wキャスト)
将軍/女将 朝海ひかる
[老中] 可知寛子/ [たまて] 綿引さやか/ [漁師] 染谷洸太/ [泥棒] 村井成仁/ [少年] 谷口あかり/ [提督] 杉浦奎介/
[提督] 武藤寛/ [提督] 田村雄一/ [提督] 中西勝之/ [提督] 照井裕隆/ [水兵] 藤田宏樹/ [少女] 井上花菜(登場順)
■公演日程:〔東京〕2023年3月 日生劇場
〔大阪〕2023年4月 梅田芸術劇場メインホール
■一般発売:2022年冬(予定)
■お問合せ:梅田芸術劇場(10:00~18:00)
〔東京〕0570-077-039 〔大阪〕06-6377-3800
■企画・制作・主催:梅田芸術劇場
■HP: https://www.umegei.com/pacific-overtures/
■Twitter:@ P_Overtures