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ミュージカル『BE MORE CHILL(ビー・モア・チル)』プレスコールと初日前取材会

7 月 25 日(月)より東京・新国立劇場 中劇場にて、薮宏太主演のミュージカル『BE MORE CHILL(ビー・モア・チル)』が開幕。初日を控えてプレスコールと初日前取材会が行われた。
本公演は8月10日(水)まで新国立劇場にて、その後、福岡・大阪にて上演される。

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本作はニュージャージー州の小さな劇場での上演から始まり、そこで終わると思われたが、アルバムを発売したことで人気を獲得。ついにはブロードウェイで上演され、トニー賞にもノミネートされたという大人気ミュージカル。今回がアジアでの初上演となる。
演出は、今年のトニー賞で作品賞と脚本賞を受賞したミュージカル「A Strange Loop」でも演出をしたスティーヴン・ブラケット。
その他の出演は加藤清史郎 井上小百合 木戸邑弥 内海啓貴 斎藤瑠希 ダンドイ舞莉花 ラリソン彩華 ブラザートム 横山だいすけという実力者揃い。アンサンブルキャストやダンサーはおらず、この10人ですべての役を演じるのも見どころだ。

【プレスコール】見ごたえのある3場面が披露された。場面披露の前には演出のスティーヴン・ブラケットによる場面紹介が行われたので、合わせてご紹介する。

スティーヴン:主役のジェレミー(薮宏太)は高校1年生。学校ではスクールカーストが低く、家庭ではたった一人の家族である彼の父は家から出ることができず、辛い日々。そんな彼が願っているのは、自分を表現できる場所、自分の居場所を探すこと。ただ親友のマイケル(加藤清史郎)と過ごす時間だけが救いです。
そんなジェレミーが薬(スクイップ)を飲み、日本製のスーパーコンピューターを頭に植え付けられます。スーパーコンピューターの指示に従うと、物事がうまく進み、彼の人気がどんどん上がっていく…という物語です。

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★オープニングM1 ♪生き延びたい 猫背の冴えない男の子・ジェイミーが辛い思いを吐露し歌う。

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ジェイミーが恋するクリスティン(井上小百合)はちょっと変わり者⁈

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スティーヴン:次第に人気を得る過程でジェイミーが犠牲にしなくてはならないもののひとつが、親友のマイケル(加藤清史郎)との関係です。人気を上げるには親友のマイケルガが邪魔で、マイケルから離れるようにとスクイップはジェイミーを説得します。
親の留守に行うハウスパーティで、マイケルがジェレミーに対峙します。マイケルは「頭からコンピュータを取り出すと良くないことが起こる」とジェイミーに告げますが、ジェイミーはマイケルを振り捨ててしまいます。取り残されたマイケルが歌います。

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★2幕 M11 ♪バスルームのマイケル このミュージカルがアルバム発売によって人気を獲得したことが体感できる一曲。プレスコールで前後の脈絡なく歌われましたが、聞き惚れ、おもわず涙してしまいました。

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スティーヴン:仲間はバラバラになってしまっていました。スクイップはジェレミーをハッピーにするために学校中の生徒にスクイップを飲ませることを提案します。

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そしてジェレミーもその考えに乗り、最初にゼナ(ダンドイ舞莉花)にスクイップを飲ませます。

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★2幕 M14 ♪哀れな子を救え スクイップ(横山だいすけ)は擬人化して登場。

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スクイップがジェイミーを操る様子は、ミュージカル「エリザベート」のルドルフとトートを彷彿とする迫力!

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ますますジェイミーを支配していくスクイップ。この先、ジェイミーは、仲間たちはどうなるのか?! そして、ジェイミーの恋の行方は?

 

 

【取材会】スティーヴン・ブラケット、薮宏太、加藤清史郎、井上小百合、横山だいすけが登壇した。

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役の雰囲気で…とリクエストされた時の様子がこちら
スティーヴン・ブラケット 加藤清史郎 薮宏太 横山だいすけ 井上小百合

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―日本初上演にあたっての思いは?
スティーヴン:日本に来るのが初めてで、東京で公演ができてうれしいです。とても暑いです。この素晴らしい国で日本の素晴らしいキャスト・クルーと一緒に仕事ができてとてもうれしく思っています。

―スティーヴンさんの演出は?
藪:振付稽古が始まってから、スティーヴンが演出している作品がトニー賞を取って、稽古場は大盛り上がりで、スティーヴンをどう迎えいれようか、と考えました。トニー賞を受賞した演出家から演出してもらえるのは人生に一度あるかないかだと思うので、この貴重な体験を、一分一秒を無駄にしないようにしなくてはと思いでいました。

―どのようにお祝いを?
藪:もうすぐ来るよという段階からクラッカーを準備して、皆、そわそわして。スティーヴンが扉を開けた瞬間に「Congratulations!」とクラッカーを鳴らして迎えました。
加藤;僕はいられなくて、映像だけ見たけど、すごかったね。
藪:清ちゃんは『るろうに剣心』に出ていたからね。侍から急にニューヨーカーになったね。
加藤:超楽しそうだった。すごい大きいクラッカーを準備してね。
藪:喜んで下さったので、いいスタートを切れたのかなと思います。
スティーヴン:サプライズの誕生パーティみたいでした。それまで誰とも会ったこともなかったのに、暖かく向かい入れてくれて、本当に楽しい時間でした。

―この稽古場は?
スティーヴン:すごいキャストの皆さんだと思いました。最初だけすこし言葉がわからないどうしようと思いましたが、すぐに同じグルーブに乗れて素敵なエネルギーのある稽古を過ごしてきました。

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―藪さんと加藤さんは初共演ですか?
加藤:13年前に「任侠ヘルパー」というドラマでワンクール、その後スペシャルもあったね。
藪:僕がまだ19歳で、(加藤君は)まだ本当に子どもで。本当にちっちゃかった。まだ子供店長やっていたころ。
加藤;写真を見ると、(藪さんの)身長はこのままで、僕はこんな小さくて。
藪:宿題とかをずっとやっていて、たまにそれを教えてあげたりとかね。作品はずっと見ていたので、どんどん大きくなっているのは知っていたのですが、久しぶりにあったら大人になっていて。でも、ちょっとやんちゃなところは残っている。「せいちゃんはせいちゃんだな」と。「これは親友の役いけるな」と。ぶっちゃけ一回り以上ありますが、実年齢と役はあまり関係ないのがミュージカル・舞台の魅力だと思いますので、特に心配はなかったです
お互いに稽古場ではサッカーチームのユニフォームを着ていて、僕もサッカーのコレクションを持っているので、「今日はチェルシーだ!」なんてね。
加藤:共通の趣味があって、毎日嬉しくて。サッカー知らない人からみたら、なんの話をしてるんじゃ という感じで。

―親友関係がすぐにできたようですね。
藪:敢えてフランクに接することを心掛けてくれていて。タメ語でいいよと言って。藪敬語じゃなく、普通に友達として話してくれたので。
加藤:今はもう普通に。前はたまに敬語がでたりましたが、「タメ語でいいよ」という言葉を信じて、今はもう。

―藪さんはどんな存在ですか?
加藤:昔も今も変わらず、大好きなお兄ちゃんみたいな感覚は残っています。でも今回は高校生で親友役なので、心の距離は稽古期間で縮めることができたのかなと、僕は思っています。
藪;me too!

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―横山さんが演じるのは薬?
横山:薬(日本製のスーパーコンピューター入りの錠剤「スクイップ」)です。
加藤:薬が擬人化したのね。
横山:スクイップは魔法を使えるような感じなので、僕が手を出せばこうちゃん(藪)はコロコロ転がってくれるし。こうちゃんて呼びたくて、こうちゃんって呼んでいいかなって。

―こうちゃんって呼ばれ慣れてないですよね?
藪:家族ぐらいです。
横山:それを聞いちゃったので「やっぱりやめるわ」と言ったら「いいよ~」と言ってくれて。

―藪君の印象は?
横山:こうちゃんがすごくかっこいい印象なんですが、オタクをやるときいて「ならんでしょ!」と思っていましたが、マスクを着けているときは表情が見えにくかったのですが劇場に入ってマスクを取って稽古をしたときにオタクっぽさ前回を早くお客様に見てもらいたいなと。そこからどんどん、チル系になっていく彼、薮宏太こんな一面もあるのかと思ってもらえたら嬉しいです。

 

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ー井上さんはヒロインですね?
井上:そうですね。一応。少女漫画に出てくるようなかわいらしいヒロインを想像していると「えっ?!」となるような、すごいキャラクターで、周りから見ると変な奴ですが、ジェレミーからすると魅力的に見える女の子。その塩梅を気を付けながらやっています。

ー普段の自分とはだいぶ違いますね。
井上:正直、割と近いかなと。
藪:クリスティンは結構思ったことは口に出すタイプだよね。
井上:私も素直な、まっすぐにしか生きられない性格なので。共通点は多いかなと思っています。
加藤:素敵です!

ージェイミーは?
井上:ジェイミーは大丈夫?という感じですが藪さんはすごく頼もしくて、稽古場でも劇場入りしてからも周りの方のこともすごくよく見て声をかけて、円滑に進むように仕切ってくださるので、とっても素晴らしい方だなと思います。ジェイミーと全然違います。

「ここはしっかり書いてくださいね」と笑った座長の藪が最後に「アジアで初めて上演されるということで、暑い時期ですけどクールになっていただけるように僕たちもがんばります。ここに登壇している以外にも魅力的なキャラクターがいますので、自分の好きなキャラクターを見つけて、是非好きになって帰っていただければと思います。全員で大切に演じていきます。どうぞ観に来てください」と呼びかけ取材会を終えた。

上演時間は休憩を含む約2時間30分。東京公演は8月10日まで。その後、8月20・21日に福岡・キャナルシティ劇場、27日~29日に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールで上演。

ミュージカル「BE MORE CHILL(ビー・モア・チル)」
原作:ネッド・ヴィジーニ 脚本:ジョー・トラックス 音楽/歌詞:ジョー・アイコニス
演出:スティーヴン・ブラケット 振付:チェイス・ブロック
出演:薮宏太(Hey! Say! JUMP) 加藤清史郎 井上小百合 木戸邑弥 内海啓貴
斎藤瑠希 ダンドイ舞莉花 ラリソン彩華 ブラザートム 横山だいすけ
【東京公演】2022年7月25日(月)~8月10日(水) 新国立劇場 中劇場
【福岡公演】2022年8月20日(土)・21日(日) キャナルシティ劇場
【大阪公演】8月27日(土)~29日(月) COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール

photograph of the original London cast
Matt Crockett for Dewynters