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黒澤明監督の傑作映画『蜘蛛巣城』が赤堀雅秋の演出、早乙女太一、倉科カナ出演で舞台化

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース
『蜘蛛巣城』
原脚本:黒澤明 小國英雄 橋本忍 菊島隆三
脚本:齋藤雅文
上演台本:齋藤雅文 赤堀雅秋
演出:赤堀雅秋
出演
早乙女太一 倉科カナ
長塚圭史 中島歩 長田奈麻 山本浩司 水澤紳吾
久保酎吉 赤堀雅秋 銀粉蝶 ほか
日程:2023年2月25日(土)~3月12日(日)
会場:KAAT神奈川芸術劇場 <ホール>
以降、全国ツアーあり
主催・企画制作:KAAT神奈川芸術劇場

蜘蛛巣城_組写真

2023年2月、KAAT(神奈川芸術劇場)2022-2023シーズン<忘>ラインアップを締めくくるホール公演として日本映画界の巨匠・黒澤明監督の傑作映画『蜘蛛巣城』が赤堀雅秋の演出、早乙女太一、倉科カナ出演で舞台化される。

シェイクスピアの四大悲劇の一つとして有名な『マクベス』を、黒澤監督が日本の戦国時代に翻案し、能・狂言の様式を応用した日本的で無常観に満ちた戦国スペクタクル作品として知られる『蜘蛛巣城』。

その映画作品を、2001年に松竹が齋藤雅文の脚本・演出で舞台化。“人間の業の物語”として、日本人の精神性を強く意識した作品に昇華させた。

今回演出を担当する赤堀は、人間の心の機微を独自の視点で描き、まるで実在する誰かの日常を覗き見しているようなリアルさと、どうしようもない人間の愛おしさを感じさせる作品を創りつづけてきた。その赤堀が裏切りや疑心暗鬼、込み上げる欲望といった澱んだ感情も、常に何の変哲もない他愛のない日常の中にあるという想いや、武時や浅茅を取り巻く様々な人間たちにも光をあてて、新たな『蜘蛛巣城』を生み出す。

 
上演台本・演出 赤堀雅秋 コメント
まずこの作品の演出の依頼を受けた時、「何故、今この作品を現在の観客に提示するのか」という事を考えました。もちろんエンターテインメントとして単純に喜んでいただくというのは大前提として。

『蜘蛛巣城』といえば、言わずもがなシェイクスピア『マクベス』を原案とした黒澤明監督の映画作品。その主人公は三船敏郎。今回の舞台版『蜘蛛巣城』はそれとはまったく印象の違う早乙女太一が主人公を演じます。そしてその妻は倉科カナ。若い夫婦が戦乱の世に翻弄される顛末。歴史に織田信長が登場する直前の混沌の世。下剋上の世。

それでも人間の心の在り方は何も変わりがありません。戦乱の世は、決して二次元の世界ではなく、我々と地続きにある現実的な世界。その生々しい痛み、愚かさ、そして愛しさを、舞台という生々しい空間で感じ取っていただけたら幸いです。

早乙女太一(さおとめ・たいち) コメント
赤堀さんが演出を手掛ける舞台に参加させて頂くのは、2017年に上演された『世界』以来、約6年ぶりになります。あの時、経験できた舞台作りの時間は、とても大きな経験になりました。
今作に参加出来ることが決まった日から、ほぼ毎日この舞台のことが頭をよぎり、その度に心臓が締め付けられては鼓動が高鳴ります。まだ随分先の舞台なのに、こんなにも前から緊張や不安や高揚感を感じるのは、今までで初めてです。それ程、自分にとってこの舞台に挑む事がどんな事なのか、日々実感しております。
そんな作品に参加出来ることを心から嬉しく思います。誠心誠意努めてまいりますので、宜しくお願い致します。

倉科カナ(くらしな・かな) コメント
演出の赤堀さんとはずっと一緒にお仕事したいと切望していたので、今回お話しを頂いてとても嬉しいです。
私自身赤堀さんの演出を受けてどんな変化や気付きがあるのか、どの様に染まってゆくのか、怖くもありますが丁寧に向き合っていきたいと思います。
また「蜘蛛巣城」が舞台でどう蘇るのか、一演劇ファンとして今からとても楽しみです。

あらすじ
日本の戦国時代、天下統一の野望を抱いた者たちが群雄割拠の様相を呈した頃、蜘蛛巣城の城主・都築国春は味方の謀反により苦戦をしいられていた。一の砦の大将・鷲津武時(早乙女太一)は二の砦の大将・三木義明と激しい戦いの末、蜘蛛手の森の中をさまよっていると、二人は森に棲む謎の老婆(銀粉蝶)と出会い、二人は予言めいたことを告げられる。武時には「今宵からはあなたは北の館のお殿様、やがては蜘蛛巣城のご城主様」、義明には「あなたのお子はやがて蜘蛛巣城のご城主様」。この予言を聞いてから武時とその妻・浅茅(倉科カナ)の運命は大きく変わり、予言に誘われるかのように動き出す――。