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ミュージカル『夜の女たち』が本日9月9日開幕!

ミュージカル『夜の女たち』_SSZ7423_s(撮影:細野晋司)

(左から) 君島夏子役 前田敦子、大和田房子役 江口のりこ、大和田久美子役 伊原六花

長塚圭史上演台本・演出、江口のりこ主演、前田敦子、伊原六花、前田旺志郎、大東駿介、北村有起哉ほかが出演する ミュージカル『夜の女たち』が、本日9月9日(金)より、神奈川・KAAT神奈川芸術劇場<ホール>にて幕をあける。前日に行われた公開ゲネプロをスタッフ・キャストのコメントとともにご紹介する。撮影:細野晋司

ミュージカル『夜の女たち』_PAZ1212_s(撮影:細野晋司)

本作は、日本映画界の巨匠、溝口健二監督の1948年の映画「夜の女たち」の初舞台化作品。KAATの芸術監督・長塚圭史が初めてミュージカルに挑戦。ステージ上で生バンドが演奏。セリフの多くを音楽に乗せて届ける。

描かれるのは、戦後間もない大阪釜ヶ崎を舞台に、敗戦により価値観全てがひっくり返り、生活に困窮する中、必死に生き抜く女性たちと、その時代。

夫を戦争で失い、「闇の女」へと堕ちていく主人公・大和田房子役の江口のりこ、戦争で全てを失い、自暴自棄となり進駐軍が駐屯するホールでダンサーとして生きる房子の妹役の前田敦子は、ミュージカル初挑戦。

シンプルで大きな八百屋舞台に流れる空気は、“戦後のどさくさ”と呼ばれるにふさわしく重く暗い。そこに荻野清子のリズミカルな音楽が流れると、女性たちのエネルギーを運んでくる。生き延びるために格闘していた女性たちが、本当にいたのだと感じさせてくれる。

ミュージカルの経験ある伊原六花、劇団四季だった北村岳子はもちろん、ミュージカルのイメージがない俳優たちが思いがけない美声を聞かせてくれるのも嬉しい。前田旺志郎や福田転球の、メインキャラクターでない登場シーンにも注目してほしい。

公演は9月19日(月・祝)までKAAT神奈川芸術劇場にて。その後全国ツアーあり。

【スタッフ コメント】
●長塚圭史(上演台本・演出)
劇場に入る直前にピアノの伴奏からバンド演奏になり、そこに照明・音響の調整が重なる、それは俳優にとっても特別な体験でしたし、思ってもみないエネルギーを要する時間でしたが、その分、全てがかみ合っていく瞬間を見るのはとても新鮮で、楽しいものでした。演劇は総合芸術と言われますが、ミュージカルはそれが際立つと思います。

この作品は戦後間もない時代に書かれた作品をベースにしているので、作品から匂いたつものが多くあり、当時の時代背景を調べながら上演台本を書きました。当時の時代の匂いと、その時代に生きた人々が抱えた様々な事情や切実さ、それでも生きていくという生命力をお客様にお伝えしたい、と思っています。

今の世界情勢を見ても、一つの国の中でも色々な考えがあり、一緒に歩むことの難しさを痛感します。人間性をもって共に協調しながら歩むことができればよいけれど、そうはならない。人間は愚かです。でも、だからこそ美しく、面白い。戦後の話を市井の人々にスポットを当てて描いた作品を手掛けた今、そのことを改めて思います。

ある種、暗い時代を扱った戯曲ですが、荻野清子さんの音楽が素晴らしく、音楽と劇が相まって、とても華やかなエンターテインメント作品としてお届けすることができることを嬉しく思っています。

ミュージカル『夜の女たち』_SSZ7041_s(撮影:細野晋司)

【キャスト代表 6名 コメント】
●江口のりこ
今はもう、早く初日を迎えたい気持ちです。音楽がとても素晴らしく、振付もおもしろいですし、楽しいシーンもたくさんあります。お客様にぜひ楽しんでいただければと思います。

●前田敦子
贅沢に時間を使ってしっかり稽古もさせていただきました。観に来る方たちもどういう作品なんだろうと思っていらっしゃるでしょうし、予測ができないので、そこを楽しんでいただけたらいいなと思います。真っ直ぐな気持ちで初日を 迎えたいです。

●伊原六花
やっと初日を迎えられるという気持ちです。いい意味で緊張感をもったまま初日を迎えらますし、カンパニーの結束力も高まっています。出演者としてもKAATシーズンタイトル「忘」にふさわしい、今やるべき作品だと思っています。
ミュージカルという一歩入りやすい形でお客さまにも感じていただけたら嬉しいです。

●前田旺志郎
初めてのミュージカルで、芝居の中で歌が流れるということが何度やっても新鮮です。自分の歌もみんなで歌っている歌も他のパートも、頭に残るフレーズ、刺さる歌詞の箇所が毎回毎回違うことが面白くて、いつまでたっても新鮮に音を聞いてお芝居ができることに、ストレートプレイとは違う魅力を感じています。そういう風に自分の曲も毎日、今日はこういうことをやってみようと試行錯誤しながら、本番が始まってからも届ける部分を変えて行けたら面白いと思っています。

●大東駿介
ようやく幕が開いて皆さんにこの芝居を体験してもらえることが楽しみです。音楽が素晴らしく、映画が公開された1948年にぜひKAATでタイムスリップしてください。

●北村有起哉
この作品がどんな流れになっているのか稽古場では分からなかったですが、いつもはあまり見たくない通し稽古の映像を初めて見て、そうしたら色々な予想外の発見があって、確信を持てた部分、ほっとした部分がたくさんありました。不安な部分もありましたが、長塚君や荻野清子さんがこういうことをやりたかったんだと、改めてチームの一人として誇らしく思えました。初日が延期になりましたが、無理やり慌ててやるよりもぎりぎりまで粘ってリハーサルができて、満を持して、延期した初日から皆さんの前でお披露目できるのはよかったと思っています。

KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース
夜の女たち
日程:2022 年 9 月 3 日(土)~19 日(月・祝)(9月3日~9月8日は公演中止)
会場:KAAT 神奈川芸術劇場<ホール>
以降、全国ツアーあり

原作:久板栄二郎 映画脚本:依田義賢
上演台本・演出:長塚圭史
音楽:荻野清子 振付:康本雅子

出演:
江口のりこ 前田敦子
伊原六花 前田旺志郎 北村岳子 福田転球
大東駿介 北村有起哉 他
北九州芸術劇場9月24日(土)25日(日)
穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール9月30日(金)10月1日(土)、10月2日(日)
山口市民会館 大ホール 10月6日(木)
まつもと市民芸術館 主ホール10月10日(月・祝)
兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール10月14日(金)15日(土)16日(日)

ミュージカル『夜の女たち』|KAAT 神奈川芸術劇場