遠藤達哉原作による超人気コミック「SPY×FAMILY」(集英社「少年ジャンプ+」連載)の、初めてのミュージカル版、ミュージカル『SPY×FAMILY』が3月8日より東京・帝国劇場で上演中だ。同日に行われたゲネプロの模様をお伝えする。
累計発行部数2,900万部突破の超人気コミック「SPY×FAMILY」が、テレビアニメ化に続いて、脚本・作詞・演出をG2、作曲・編曲・音楽監督をかみむら周平が担い、ミュージカルとなって登場した。
製作:東宝 ©遠藤達哉/集英社
描かれるのは…
西国〈ウェスタリス〉の凄腕スパイ〈黄昏〉が、任務のため精神科医ロイド・フォージャーに扮し「仮初めの家族」を作るのだが、娘となったのは、超能力をもつアーニャ。そして妻に迎えたのは〈いばら姫〉というコードネームを持つ殺し屋、ヨル。正体を隠しながら家族となっていく3人と、彼らを取り巻く個性豊かな人物たちが織り成す、微笑ましくも痛快な物語。
ロイド役は 森崎ウィン、鈴木拡樹、ヨル役は唯月ふうか、佐々木美玲、ヨルの弟、ユーリ・ブライアを岡宮来夢、瀧澤翼がWキャストで務め、アーニャ役は、数々のワークショップ・レッスンを含んだ育成型ロングオーディションを経て選ばれた4名、池村碧彩、井澤美遥、福地美晴、増田梨沙が演じる。
3月8日のゲネプロではロイド役を鈴木、ヨル役を唯月、アーニャ役を増田、ヨルの弟ユーリ役を瀧澤が務めた。
製作:東宝 ©遠藤達哉/集英社
戦闘機の飛行音と爆撃音が響く中で公演は始まった。廃墟の中、登場する人々の圧巻のコーラスと群舞に、グランドミュージカルならではの壮大さを感じる。
そこに与えられた任務は必ず遂行するスパイ、〈黄昏〉が現れたとき、彼の目指す“子供が泣かない世界”への決意の固さと、今の現実にもつながる物語であることに思い至り胸詰まる思いがした。
舞台上には、東国〈オスタニア〉の街並みや、アーニャが入学を志すイーデン校の階段などが続々と現れ、名場面の数々がスピーディに展開していく。
製作発表でG2が脚本づくりでは「原作は1回1回ちゃんと落とし前がついて読み切りになっていて簡潔な良さがある。それを並べることで流れが中断しないように」と心がけたことを語っていたが大成功だ。
どの場面が選ばれるのか、舞台では再現できそうにない場面がどう描かれるのかは、是非とも楽しみにしてほしい。たくさんある見どころからひとつだけご紹介するとすれば、初日会見でアーニャ役の4人が「劇中にも登場するボンドマンごっこをする」と話していた“ボンドマン”の登場場面。生演奏の音楽と歌とエネルギッシュなダンスが一体となったミュージカルの魔法を感じられる場面が生まれている。ボンドマンのかっこよさにも拍手喝采だ。
製作:東宝 ©遠藤達哉/集英社
生身の肉体を持つ俳優が演じるからこそ伝わってくるのが、物語が進むにつれて変わっていく登場人物の感情の変化と、アクションシーンの躍動感。キャストたちのキャラクターづくりの繊細さと、アーニャの可愛さに魅了されてしまう。
製作:東宝 ©遠藤達哉/集英社
製作:東宝 ©遠藤達哉/集英社
〈黄昏〉に協力する情報屋フランキー(木内健人)や名門イーデン校の教諭ヘンリー・ヘンダーソン(鈴木壮麻)、〈鋼鉄の淑女〉の異名を持つ〈黄昏〉の上官シルヴィア・シャーウッド(朝夏まなと)も、キャラクターの持つ人間味まで感じさせてくれ、登場する度にワクワさせられてしまう。
製作:東宝 ©遠藤達哉/集英社
製作:東宝 ©遠藤達哉/集英社
LEDに登場人物の“心の声”やナレーションが字幕で現れる度に客席が沸く。その観客の一体感も、本作ならでは楽しさだろう。
この楽しさを、是非とも劇場で体感してほしい。
上演時間は休憩を含み、約2時55分。
東京公演は帝国劇場にて3月29日(水)まで。その後4月11日(火)~4月16日(日)兵庫・兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホール、5月3日(水)~5月21日(日)に福岡・博多座で上演される。
製作:東宝 ©遠藤達哉/集英社
ミュージカル「SPY×FAMILY」
CREATIVES
原作:遠藤達哉(集英社「少年ジャンプ+」連載)
脚本・作詞・演出:G2
作曲・編曲・音楽監督:かみむら周平
出演者
ロイド・フォージャー(凄腕スパイ:コードネーム〈黄昏(たそがれ)〉 森崎ウィン/鈴木拡樹 *Wキャスト
ヨル・フォージャー(殺し屋:コードネーム〈いばら姫〉) 唯月ふうか/佐々木美玲(日向坂46) *Wキャスト
アーニャ・フォージャー(〈黄昏〉の養女:テレパシー能力の持ち主):池村碧彩/井澤美遥/福地美晴/増田梨沙 *交互出演
ユーリ・ブライア(姉のヨルを溺愛する、東国の秘密警察)岡宮来夢/瀧澤翼(円神) *Wキャスト
フィオナ・フロスト(〈黄昏〉の後輩スパイ、コードネーム〈夜帷(とばり)〉)山口乃々華
フランキー・フランクリン(〈黄昏〉に協力する情報屋)木内健人
ヘンリー・ヘンダーソン(アーニャが入学を目指す名門イーデン校の教諭)鈴木壮麻
シルヴィア・シャーウッド(〈鋼鉄の淑女〉の異名を持つ〈黄昏〉の上官)朝夏まなと
楢木和也(ドミニクほか)
新井海人、大津裕哉、小倉優佳、鎌田誠樹、栗山絵美、桑原柊、柴田実奈
島田彩、丹宗立峰、堤梨菜、般若愛実、深堀景介、福田えり、藤岡義樹
湊陽奈、宮野怜雄奈、武者真由、元榮菜摘、山野靖博、ユーリック武蔵、LEI’OH
帝国劇場 日程:2023年3月8日(水)初日~3月29日(水)千穐楽
チケット料金(税込):S席15,000円、A席10,000円、B席5,000円
全国ツアー公演
兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホール 2023年4月11日(火)~4月16日(日)千穐楽
博多座 2023年5月3日(水)~5月21日(日)大千穐楽
ミュージカル『SPY×FAMILY』公式サイト https://www.tohostage.com/spy-family/
「SPY×FAMILY」集英社公式サイト
https://www.shonenjump.com/j/rensai/list/spyfamily.html
アニメ「SPY×FAMILY」公式サイト https://spy-family.net/
製作:東宝 ©遠藤達哉/集英社