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「せたがやこどもプロジェクト2023」《ステージ編》の舞台『メルセデス・アイス MERCEDES ICE』細田佳央太インタビュー「こんなに恵まれた経験は人生に1回あるかないかのレベル」「解釈が自由な作品だからこそ、観終わった後、どう感じたか、話し合ってもらいたい」

世田谷パブリックシアターで2023年8月に「せたがやこどもプロジェクト2023」《ステージ編》の演劇作品として、舞台『メルセデス・アイス MERCEDES ICE』(以下『メルセデス・アイス』)が上演される。

本作は、白井晃が「彼の作品に出会った瞬間から、そこに書かれている世界が、頭の中に絵として浮かび上がってきてしまう」と語った劇作家・フィリップ・リドリーの児童小説をもとに2012年に創作した作品。
街の中心にそびえ立つ巨大なタワー(Shadow Point)を軸に、その街に暮らす 3 世代にわたる人物たちが、愛や憎しみ、喜びや悲しみとともに生きる様子が描かれる。

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今回、ご登場頂くのは、本作でメルセデス・アイス役を演じる細田佳央太。
4歳から活動を始め、ドラマや映画で活躍する21歳。初主演した石井裕也監督作・映画「町田くんの世界」(2019年)では、第29回 日本映画批評家大賞新人男優賞など多くの賞を獲得。現在放送中のNHK大河ドラマ「どうする家康」で徳川家康の息子・松平信康役を演じている若手実力派俳優だ。配信での舞台出演はあるが、有観客での舞台出演は本作が初めての細田に、本作への意気込みを語ってもらった。

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―なぜこの時期に舞台出演を決めたのですか?
元々「舞台をやりたい」「演劇をやりたい」と、マネージャーさんにずっと話していました。でも、まさか、こんなに早く実現するとは思っていませんでした。ちょうどタイミングが合ったという感じです。

―本作は白井晃さんが演出されます。白井さんの作品への出演を熱望されていたそうですね。
「白井さんとご一緒したい」と思っていましたが、僕が頑張らなきゃいけないことがまだまだ多いので「20代後半にはご一緒できるように頑張りたい」という思いでした。まさか、この年齢で、このタイミングで、しかも僕にとってのほぼ初舞台を白井さんとご一緒できるとは、なんて贅沢なのだろうという思いで、びっくりしました。

―しかも白井さんと作者のフィリップ・リドリーさんのタッグの舞台『マーキュリー・ファー Mercury Fur』(以下『マーキュリー・ファー』)に感銘を受けたと伺いました。
コメディなどエンタメ全開の作品も見ますが、思いや訴えたいことがある作品は特に好きで、そんな作品を見て考えることが好きなのです。それをリドリーさんと白井さんのタッグの舞台『マーキュリー・ファー』でくらいました。こんなに恵まれた経験は、人生に1回あるかないかのレベルだと思うと幸せですよね。

―それはプレッシャーになったりしますか?
プレッシャーは無いかも…。何も知らないから、何をどうプレッシャーに感じていいのか、わからないんです。「舞台について、全部勉強させていただきます!」という思いです。

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―その思いを深堀りさせてください。楽しみにしていることは?
シンプルに「お芝居がうまくなりたい」というのが1つでしょうか。ゲームとは違って、舞台というアイテムをゲットしたからといって、レベルが上がるわけではないと思うんです。でも自分の知らない世界を体験したいし、見たいし、知りたい。
映像はお芝居の良いところだけを継ぎはぎができる。そうでなかったとしても、位置や動きで、前のカットとのつながりに気を配ったりします。それは見ている人が見やすくなるための工夫のひとつだから有っていいと思うのですが、それを意識している時点でお芝居に100%は集中できてはいないと思うので、舞台なら立ち位置などはあるでしょうけれど、必要最低限のことしか気にせずにお芝居ができるだろうというのも楽しみです。
映像作品では物語の進むとおりに撮影するわけではありませんが、舞台では通してお芝居ができるのも贅沢です。そして、舞台は全部を見られているわけで、いい意味で油断ができない。そのヒリヒリ感も、ちょっとワクワクするポイントです。
稽古期間も含めると一か月半、どっぷりとこの作品に浸れる。浸り続けて、そこで自分が得るものが何か。今の自分の力を知るのも楽しみですし、自分がどうなるのか、どんな感覚を得るのか。毎公演、違うかもしれないというドキドキも楽しみです。

―ファンの皆さんは、映像でしかなかなか会えなかった細田さんに会える。舞台出演をすごく喜んでおられますね。
そうだといいなと思います。その期待に対して、ちゃんとそれ以上のものがお返しできたらと思います。

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―脚本を読んだ印象を教えてください。
子供と大人、両方の視点から丁寧に描かれていて、その差がすごく面白いです。ただ「怖いな」とも思いました。観ている側は純粋に楽しめる。楽しみつつも、どこか怖さがあるのを感じる。それがすごく好きです。観ながら考えさせる作品。お客様を油断させない感じがあります。

―演じる主人公メルセデス・アイスについては、いかがですか?
稽古前なので、まだ役を作れてはいないのですが、メルセデス・アイスは、とてもわがままな子です。子供だからわがままも通るし許されもする。何でもかんでも与えて甘やかして育てるのも、親の愛情表現の一つだというなら、メルセデス・アイスは非現実的なキャラクターではないと思いました。むしろ距離感が近くて安心しました

―“ちょっとどこかおかしな3世代にわたる家族の物語”だそうですが、リアルな話でもあるんですね?
そうだと思います。親世代の方や実際にお子さんを育てている方が、この作品をご覧いただいたら、どう思われるのか、とっても気になります。メルセデス・アイスのキャラクターによって、観客の考えが広がると思うので、これから稽古を積んで、深く作っていけたらと思っています。

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―さて、現在「どうする家康」に松平信康役でご出演されていますが、いかがですか?
僕の撮影は終わりましたが、すごく楽しかったです。たった3か月の撮影でしたけれど、ずっと喋っていられるぐらい受け取ったものが多くて、これからも演技を続けていくにあたって、間違いなく良い経験をさせて頂きました。初の大河ドラマ出演で、こんなに恵まれたキャスト・スタッフの中でやれたことが幸せでした。だからこそ、その方々とご一緒した経験を何ひとつ無駄にしてはいけないし、“細田佳央太と一緒に出演したこと”を残念がられないように、これから頑張らなければいけないと、強く思っています。そういう意味で、自分に圧をかけ続けています。

―大河ドラマをご覧になった方にも、是非、『メルセデス・アイス』の細田さんを見て頂きたいですね。最後に、観に来てくださる方へ、メッセージをお願いします。
世代や、大人と子供では、見え方や感じ方が違ってくる作品だと思います。だからこそ、観終わった後、お父さん、お母さん、お子さんはどう感じたか、話し合ってもらいたいと思います。話し合うまでが、この作品だと思っています。解釈が自由な作品だからこそ、考えることができるので、そこまでやってもらえたらと…。僕からのお願いです。

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せたがやこどもプロジェクト2023《ステージ編》
『メルセデス・アイス MERCEDES ICE』

【日程】2023 年 8 月 11 日(金・祝)~20 日(日)
【会場】世田谷パブリックシアター
【原作】フィリップ・リドリー
【翻訳】小宮山智津子
【演出】白井晃
【出演】細田佳央太 豊原江理佳 東野絢香
篠原悠伸 名村辰 大場みなみ 斉藤悠 今泉舞
松尾諭

【18歳以下限定 無料ご招待】
この夏、劇場でとびきりの演劇体験を!
*各回150名限定、先着順、要予約/発券手数料、当日要証明書
【公演公式 HP】https://setagaya-pt.jp/stage/1892/