2023年7月8日(土)~16 日(日)、7月22 日(土)~30日(日)に日本青年館ホールにて、『シュレック・ザ・ミュージカル』フルバージョン公演が上演される。
ドリームワークスが2001年に製作し、史上初のアカデミー長編アニメ映画賞を受賞した大ヒットアドベンチャー映画「シュレック」が、2008年にブロードウェイでミュージカル化され、昨年、日本に初上陸。全キャストオーディションを行ってのトライアウト公演を上演し、大好評を得た。子供から大人まで、多くの「もっと見たい!」の声を受けて、今年はフルバージョンでの上演が実現。昨年の全キャストオーディションで選ばれた超実力派のメインキャスト陣が続投し、生オーケストラの演奏で、更にパワーアップする。
今回ご登場いただくのは、トライアウト公演で、シュレックになりきった姿と演技が注目を集め、今年も主人公・シュレック役を演じるspi。本作の見どころや苦労、意気込みを聞いた。
―昨年のトライアウト公演について感想を教えていただけますか。
僕は公演途中でコロナに感染して公演を離れてしまったので‥。稽古中から動線などはしっかり決めて、役者依存にならないように意識していたので、僕がいなくなっても任せられるかなという気持ちではあったのですが…。「次こそは!」です。
―コロナ禍の大変なときでしたから、とても残念でしたね。初演のキャストとして、ご苦労も多かったのではないですか?
本当ありがたいことにオリジナルキャストとしてやらせていただきました。
僕はバイリンガルで、ニコロデオン(子供向けチャンネル)や「シュレック」など、ドリームワークスの作品を見て育ってきたので、散りばめられてる皮肉やギャグを消化して、どう日本語にすればいいか、笑いの方向性はわかっていましたし、ビジョンもありました。「英語の意味はこうで、それをどう日本語にするか」ということを、みんなと共有できたのが一番よかったなと思います。訳詞の小島(良太)さんが上手くやってくださっていたのもあって、共感できるものにできました。
―最近は訳詞の難しさを耳にすることが多いですが、トライアウト公演で、すんなり楽しめたのは、そこも丁寧に作られていたからなのですね。
稽古をやってる最中に、まず意識したのは、「これは誰に見せるものなのか」で、“子供たち”が1番。それから“自分の個性に、まだ納得ができてない人たち”という2つの柱で作りました。子供たちも楽しめるように作ったので、セリフははっきりとわかりやすく。そして、仲間外れや迫害されたりしたことへの思いや、それに対して戦う気持ちを表す台詞は、できるだけお客様に投げて、お客様を仲間にしていこうという作りをしたつもりです。細かいところですが、演出の岸本(功喜)さんとも話して、そういうところがたまに見えてくればいいなと。
―公演では反応を感じましたか?
まだ声は出してはいけなかったのですが、子供たちが「頑張れ!」と応援してくれて。客席に下りることもお願いしてやらせてもらいました。シュレックが来ると、子供たちが叫ぶ瞬間もあって、劇場の空気が良くなりましたね。
―本当に一瞬でシュレックの世界に連れて行ってくれた作品でした。
作品に力がありますし、そこを見据えて作っていると思います。
―シュレックの扮装も大変でしたでしょう?暑くて痩せてしまわれるのでは…と思っていましたが。
その実感がある前にコロナになってしまったのですが、衣装については取るべき対策がわかったので心配していません。シュレックのスーツ(着ぐるみ)は、見た目は暑そうなので、気を使って身体を冷やす装置をつけてくれたのですが、意外とそれは必要なかったです。シュレックはすごく大きく見えるかもしれませんが、お腹はスポンジで、体自体は僕自身の体なので。
―ではフルバージョンで公演時間が長くなっても?
大丈夫のような気がしています。シュレックのマスク(頭部)をもうちょっと薄くしてもらえたらと思いますけれど…。マスクは型を取って液体から作りますが、日本と海外ではマスク作りに使える薬剤が違うので、日本向けに改良しなければいけないので、特殊メイクはかなり難しいのです。
中央)ファークアード卿(泉見洋平)
―そういうご苦労もあるのですね。トライアウト公演での名場面で思い出されるのは?
ファークアード卿役の泉見洋平さんの出演シーンは全部です。面白すぎるでしょ!最高のヒールです。シュレックのソロも、もちろん見どころですし、一幕最後のシュレック&フィオナ姫(福田えり)&喋るロバ・ドンキー(吉田純也)の3人の三重唱も見どころ、聞きどころです。見どころがたくさんあります。
僕だけじゃなくて、全キャストが最高なんですよ。だから、本当に「俺、シュレックやるんだけど、観に来て!」と先輩後輩、いろんな人に言いました。「(マスクで)顔、わからないじゃん」とか、いろいろ突っ込んでいただいたりしていますけれど、誰も死なないし、すごく幸せな作品だから「本当に観た方がいい!」と言ってます。
左より)シュレック(spi)喋るロバ・ドンキー(吉田純也) フィオナ姫(福田えり)
―フルバージョンになると、内容はどう変わりますか?
シュレックにもうちょっとフォーカスが当たるのではないかなと。そして、フィオナ姫のタップが加わり、各々のソロ曲が増えるんじゃないかな。オーケストラでの生演奏になるので、迫力のあるグランドミュージカルになると思います。公演は、7月、夏ですよね。エネルギッシュで楽しい作品にします。観に来られた方が「いい思い出だった!」と思ってもらえる作品にしたいです。トライアウト公演をご覧になった方は、もっと深いところが見えるので、是非、また観に来てほしいです。「前回ぐらいの長さがちょうどよかったな」とは思わせたくないです。
―この『シュレック・ザ・ミュージカル』は、spiさんにとって、今までとはちょっと違う作品ではなかったのかなと思いながら拝見しました。
この作品が、あまりにも自分にはまりすぎていて、稽古してる最中も「なんか知ってるな」「全部手に取るようにわかる」みたいな感じがしたんです。そういう意味では、他の作品とは違う感じがしたかもしれないですね。
―当たり役、はまり役ですね!『シュレック』からは少し離れますが、spiさんは舞台や映像出演、ZIPANG OPERAやソロ歌手として、とてもお忙しく活躍されていますが、これからspiさんが見たいと思ってる景色を教えていただけますか?
僕の予定では、もうそろそろ、このぐらいの年齢で有楽町のミュージカルの主演全部を僕がやっているぐらいの気持ちだったんですけれど、どうやらそうでもないらしいとわかったので、40歳までに海外へ…と思っています。
―舞台ですか?映像作品ですか?楽しみにしています。最後に、まだ『シュレック・ザ・ミュージカル』の観劇を迷っている方へメッセージをお願いします。
めちゃめちゃ可愛いですし、愛らしいですし、難しくはないし、楽しい思い出になると思います。ミュージカルを観たことがない方は、この作品を1発目にするといいと思います。そして「ニッチなものが好き」という方も、すごく楽しめると思います。ドリームワークスらしいエッジの効いた前のめりの感じがすごく楽しい。老若男女に響くと思うので、ぜひ観に来てください!
『シュレック・ザ・ミュージカル』 フルバージョン公演
■会場:日本青年館ホール
■公演日:2023 年 7 月 8 日(土)~16(日)、7 月 22 日(土)~7 月 30 日(日)
※全 20 回(予定)
■スタッフ
原作:ドリームワークスアニメーション『シュレック』/
ウィリアム・スタイグ『みにくいシュレック』
脚本・作詞:デヴィッド・リンゼイ=アベアー
作曲:ジニーン・テソーリ
翻訳・訳詞・音楽監督:小島良太
演出:岸本功喜
キャスト ※(★)はトライアウト公演にも出演したキャストとなります。
シュレック spi(★)、フィオナ 福田えり(★)、ドンキー 吉田純也(★)、ファークアード卿 泉見洋平(★)
ジンジャーブレッドマン 岡村さやか(★)、ドラゴン 須藤香菜(★)、ピノキオ 新里宏太(★)
▽男性キャスト
佐々木誠、鈴木たけゆき(★)、岩﨑巧馬(★)、清水泰雄、深堀景介、村上貴亮、横田剛基、中桐聖弥
▽女性キャスト
咲良、元榮菜摘、寺町有美子、澤田真里愛(★)、石田彩夏(★)、青山瑠里
▽子役
矢山花(★)、本木麻由花、三浦あかり
■公式 HP: https://www.shrek-musical.jp/
チケット情報
■料金:S 席:10,800 円/A 席 8,800 円(税込)
「文化庁 劇場・音楽堂等の子供鑑賞体験支援事業」対象公演
本公演に 4 歳以上~18 歳以下のお子様を無料でご招待いたします。(各公演枚数限定)
※4 歳未満のお子様のご入場はできません。チケットはお一人様一枚必要です。(膝上不可)