8月3日(木)~27日(日)まで京都・南座にて上演される「坂東玉三郎特別公演」『怪談 牡丹燈籠』について、坂東玉三郎、片岡愛之助が出席し取材会が行われた。
三遊亭円朝の落語をもとにして、人間の欲望を描きながらも、軽快な夫婦のやりとりが笑いを誘う、怪談ものの傑作『怪談 牡丹燈籠』。
お峰を勤める玉三郎は、「笑いの中から怪談が生まれる、それがこの演目の面白いところです。日本の芝居で、人間の切なさを描きながら終始笑える芝居は多くないんですが、『怪談 牡丹燈籠』は、数少ない笑える怪談で、私の大好きな演目の一つです。その笑いの中に、お峰と伴蔵は、欲に目がくらみ、人間の悪の心が見え隠れする。もともと悪人ではないのに、人間のかわいい出来心が闇に引きずり込んでいく。それがこの演目の独特さなのだと思います。愛之助さんは役を作りすぎない、自然体で表現できる俳優。江戸の世話狂言を愛之助さんがどう料理するのか、期待していますし、楽しみです」と語った。
お峰の夫・伴蔵を勤める愛之助は、「欲望に翻弄されて幽霊と取引をする伴蔵とお峰は、“生”ついての執着が強く、力強い人なのだと思います。完全な悪人ではないんです。伴蔵は、かわいいところもありながらも、妻に対しては強気に出る、内弁慶なところもあり、そういった人間らしいところを表現できればと思っています。
“怪談”とついてはいますが、そんなに怖いというものではありません。本当に怖いのは人間の気持ちなんです。怪談ものと聞くと、敬遠される方もいますが、ぜひ笑って、楽しんでいただければと思います。私は初役なので、お兄さん(玉三郎)の胸を借りるつもりで、勉強させていただきながら、精一杯勤めさせていただきます」と意欲をのぞかせた。
本公演は8月3日(木)初日~27日(日)、京都南座にて上演。
怪談 牡丹燈籠(かいだん ぼたんどうろう)
三遊亭円朝 原作
大西信行 脚本
坂東玉三郎 演出
今井豊茂 演出・補綴
伴蔵女房お峰 坂東 玉三郎
伴蔵 片岡 愛之助
萩原新三郎 喜多村 緑郎
お国 河合 雪之丞
お六 中村 歌女之丞
乳母お米 上村 吉弥
公式HP:https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kyoto/play/811