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『レイディマクベス』要潤 インタビュー「俳優をやって22年。その集大成として、この作品にこのタイミングで出会えた」

2023年10月1日(日)より、よみうり大手町ホールを皮切りに、東京と京都で、天海祐希、 アダム・クーパー、 鈴木保奈美、 要 潤、 宮下今日子、吉川愛、栗原英雄という豪華キャスト出演の世界初演の舞台『レイディマクベス』が上演される。

新進気鋭の英国若手女性作家であり演出家のジュード・クリスチャンの書き下ろしを、ウィル・タケットが演出、岩代太郎が音楽を担当する。
シェイクスピアの四大悲劇のひとつ「マクベス」。その主人公マクベスの妻であり、非常に重要な役でありながら、名前がなく“マクベス夫人“としか書かれていないレイディマクベスの生き様と思いに迫ろうとする作品だ。

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今回、取材に応じてくれたのは、要 潤。
本作で演じるのは「弁が立ち、上手く翻弄しながら自らの手は汚さないしたたかでずるい役」と言う、レイディマクベスの幼馴染のバンクォー役。
本作への意気込みと、舞台出演への思いを聞いた。

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―舞台のご出演は?
新型コロナウィルスの影響で中止になった2020年ウーマンリブvol.15「もうがまんできない」を数えなければ、おそらく10年ほど前にひとりで朗読活劇として、司馬遼太郎先生の「燃えよ剣」をやって以来です。舞台は、本番に向けて稽古を重ねてみんなでつくりあげていくものですが、ひとり舞台だったので稽古も数日で、とてもやりがいはあったのですが、舞台をやっているという感覚ではなかったので、舞台のキャリアには入らないかなと思っています。

―この作品に出演が決まったときのお気持ちは?
ベテランの方たちばかりなので「足をひっぱらないようにしなくては」というのが一番の感想です。シェイクスピア作品もこれまでやったことがなく、舞台の経験も少ないので、とにかく「みんなに食らいついていく」という気持ちです。

―海外の作家の書き下ろし作品を海外の演出家で、2か月もの公演というプロジェクトについは?
とても楽しみです。「今まで自分が経験してきたものが通用するのか?」という思いと、「俳優としてまた新しい何かを得られるんじゃないか」という楽しみと両方があります。

―共演者については?
天海祐希さんと鈴木保奈美さん、吉川愛さん以外は、初めて共演する方ばかりなので、胸を借りるつもりです。
天海さんが引っ張ってくれると思うので、その歯車のひとつとなれるように。また舞台は総合芸術ですので、その一部となって違和感のないように。あわよくば潤滑油になれたらいいなと思っています。

―天海さんは尊敬する方だそうですが、どんな部分を尊敬しておられますか?
俳優として、そして人間としての器ですね。その場にいらっしゃるだけで、場が明るくなる。お芝居ではすべてを受けてくださる。「ついていきたい」と思うような方ですね。

―鈴木保奈美さんは?
お芝居を繊細に考えて来る方だなと思います。監督からこう出されたらこう返すと、すごく柔軟に対応していらっしゃいます。

―アダム・クーパーさんに期待していることは?

彼の身のこなし、ふるまいを間近で見られることはないので、ちょっとでも学べるところは学びたい思っています。

―公式サイトのコメント動画で「俳優として一度は通ってみたい道」だとおっしゃっていましたが、その意味は?
シェイクスピア作品は俳優をやるならば絶対に耳にしますし、常に世界中で上演されています。そこに僕は「自分にできるのかな」という不安の方が大きくて、尻込みしていましたが、俳優を22年やってきて、その集大成として、この作品にこのタイミングで出会えたことを、すんなりと受け入れられた。
自分が「こういうのをやりたい」と思ったときにお声掛け頂ける、そんなタイミングがばっちり合うのは、5年に1回、もしかすると10年に1回かもしれません。それくらい、やりたい気持ちとオファーが重なるのは、ほとんどないので、そういう意味では「今だな」と思いました。
プレッシャーは感じていますが、そのプレッシャーに負けない武器ができたのかなと思っています。

―その武器とは?
台本の読み方や役キャラクターの作り方、自分の人生の経験など、経験値としか言えないのですが、それらをトータルに見て…ですね。
それに役者として舞台の上に出てきたときに、役に負ける=役に飲まれてしまっては絶対にいけない。自分の中で“役として立てる自信”ができたかなと思います。

―シェイクスピア作品は台詞が多いですが、本作はどうですか?
多いですね。でも僕なんかより、天海さんは何倍も多い。稽古をしながら、やっていくのだろうと思います。

―舞台では「稽古初日に、台詞は全部(頭に)入れていく」とも聞きますが、どうされますか?
たぶん、それは迷惑だと思います。一人がやると、みんながやらなきゃいけないという雰囲気になると思うので。(笑)
僕はわりと周りを見るタイプなので、みんなが台本を手放していく中間ぐらいで、いつの間にか台本を手放すような性格です。(笑)

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―脚本を読まれて、作品全体としての魅力はどう思われますか?
争いが絶えない時代を描いていて、今も世界のどこかで争いは絶えないのですが、今、コロナ禍をきっかけにそれぞれが違和感や生き方について、考え出してきたと思います。そういうメッセージも入っている。戦うのか、戦わずに生きるのか、戦争が良いのかどうかという論争も入っています。普遍的なテーマで、今のこの時代にすごくマッチしている作品です。

―シェイクスピア作品を元にした作品とのことで、観客としては難しいのではと心配です。
易しくはないですが、ポイント、ポイントで胸にグサリと刺さる台詞があります。それは万人が感じられると思います。

―テレビの前の皆さんにとっては、連続テレビ小説「らんまん」での田邊教授のイメージがまだ強いかもしれませんが、今回も一筋縄ではいかない役柄のようですね。
複雑な役です。レイディとは、付かず離れず、目の上のたんこぶのような存在でもありますが、強い意志を持って生きているイメージです。

―田邊教授のイメージと重なるようなところがあるのかと想像していますが、そのあたりは気になりませんか?
役のイメージはあまり考えないですね。自分の中で腑に落ちる役で、自分とかけ離れている方が演じ甲斐があります。いい役、悪い役というよりも、「こんな役ができるのかな」と思った方が燃える。今回はまさに「こんな役ができるのか?!」という感覚が大きい役です。

―要さんがトーク番組の中で「自分は芸能人だという感覚を一度も持てたことがありません」とお話しされたという記事が目に付いたのですが、それはこの舞台のカーテンコールで払拭されますね?
そうだといいんですけど。(笑)

―カーテンコールでの様子をイメージされませんか?
演技しているときは、人格が違いますから。普段は地味なので。

―どこでご自身に戻られるのでしょうか?
カーテンコールは、まだ役ですね。着替えて、メイクを落としたら、「えっ?!」と言われるくらいに違うと思いますよ。(笑)

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―最後に楽しみにしている方へ、まだ観劇を迷っている方へ、メッセージをお願い致します。

今まで観たことがないような作品ですし、名だたる俳優たちが決してテレビではやらないであろう役で、この舞台でしか見れない顔で、今までに観たことが無いような芝居をしていると想像しています。
舞台経験が少ない僕が、どこまでできるかわかりませんが、共演者の方に教えてもらいながら、胸を借りながら一生懸命演じていきたいと思っています。
自分の役者人生の集大成がひとつ来たという気持ちでいます。みなさんにご覧頂ければと思います。

キャプチャ

『レイディマクベス』
<東京公演>
■日程:2023年10月1日(日)〜11月12日(日)
■会場:よみうり大手町ホール
■料金:13,000円(全席指定・税込) U-25_6,500円(観劇時25歳以下対象、要身分証明書)
■チケットに関するお問い合わせ:TBSチケット https://tickets.tbs.co.jp/tbs/toiawase/

<京都公演>
■日程:2023年11月16日(木)〜11月27日(月)
■会場:京都劇場
■一般発売:2023年10月1日(日)
■料金:S席 13,800円 A席 12,800円 (全席指定・税込)

■お問合せ:キョードーインフォメーション 0570-200-888[11:00~18:00/日祝休業 ]

■出演:天海祐希 アダム・クーパー 鈴木保奈美 要 潤 宮下今日子 吉川愛 栗原英雄

■作:ジュード・クリスチャン
■演出:ウィル・タケット
■音楽:岩代太郎
■翻訳:土器屋利行
■美術・衣裳:スートラ・ギルモア
■音響:井上正弘
■照明:佐藤啓
■ヘアメイク:川端富生
■演出助手:伊達紀行 大江祥彦
■舞台監督:本田和男

■主催:TBS 読売新聞社 研音 tsp
■企画:tsp
■制作:TBS & tsp
■公式HP:https://tspnet.co.jp/ladym/