竜星涼主演『ガラパコスパコス ～進化してんのかしてないのか～』初日前会見＆ゲネプロ

竜星涼主演『ガラパコスパコス ～進化してんのかしてないのか～』が、9月10日に初日を控えて、9日に会見と公開ゲネプロを行った。

本作は、劇団はえぎわの主宰であり、脚本家、演出家、俳優として活躍するノゾエ征爾が、2010年に初演した『ガラパコスパコス』を、2023年版としてブラッシュアップし、再構築したもの。
描かれるのは、世田谷区内の高齢者施設を十数箇所廻って生み出された、「老い」と「進化」という一見正反対のふたつのベクトルを重ねて、その先に描かれる滑稽で愛おしい人たちの物語。日常の１コマから市井の人たちが織りなすパラレルドラマが、壮大なテーマへと向かっていく。

会見では、八百屋舞台と周りを囲む真っ黒な壁、下手奥に真っ黒な倉庫のようなものがあるだけの舞台にノゾエ征爾と出演する竜星涼 藤井隆 高橋惠子が登壇した。

　　ノゾエ征爾　　藤井隆　　竜星涼　　高橋惠子

ノゾエは「今回で4回目の上演になり、台本や演出はそれほど変わっていません。ただこの10年以上の間に社会は進んでいます。俳優さんたちが台詞が何も変わっていないのに、とてもいい息遣いでいてくれて、それが何よりも嬉しくて、進んでいるとすごく感じています」と挨拶。さらに本作の題名にも入っている“進化”について「成長イコール進化と思っていないところで、ただ先に進んであがっていくことみたいに捉えた方がいろんなことが広がりを持ってみえるなと思っています」と考えを明かし、「進んで変わっていくことを受け入れるようになった。白髪が増えてきているけれども受け入れています」と、これも自身の進化ととらえているようだ。

竜星は「世田谷リパブリックシアターという素晴らしい劇場で真ん中に立たせてもらえることが、明日初日を迎えることが本当に嬉しく思っています。どういうふうに皆さんに影響をあたえて、ノゾエさんの演出を受けた自分がどう進化していくのか、新しい自分を見つけることができるのか、この作品を通して少しでも進化していけたらと思っていますので、いろんな方に観て楽しんでもらえたら嬉しい」と意気込んだ。

竜生演じる太郎の兄を演じる藤井は「絵をよく見てもらえるように床に傾斜がついた八百屋舞台を稽古場から組んで頂いて、足がパンパンになった状態でやっています」と苦労を明かした。

80歳の老女を演じる高橋惠子は「今まで怖いと思ったことはほとんどありませんでしたが、今回の役にかぎっては、初めてのことが多くて、ちょっと怖いです。認知症がある役で、お漏らししたのを表現するのをチョークで（描くので）よかったなと。便利ですよ、暴力もしなくてよいし」と新たな表現への挑戦を語った。

竜生は「絵が上手い」と、高橋も「絵も字も上手い」とほめられていた。

【ゲネプロ】舞台では登場人物がチョークで次々と絵や文字を描いていく。

派遣会社でピエロとして働く青年・太郎（竜星涼）

太郎の兄・晴郎（藤井隆　左）とその妻（山田真歩）は、太郎を心配している。

特別養護老人ホームから抜け出した老女・まっちゃんこと徳盛まちこ（高橋惠子）に、太郎が花を手渡したことから、まちこが家までついてきてしまう。そして寝入ってしまった太郎。翌朝、目が覚めると、まちこがそばで眠っていた。

次第に二人の間に生まれる感情、絆。だがまちこを探す家族やホームの人たちもいた。

始まりは、パントマイムかと思うほど、台詞がない。壁にも床にも、俳優たちが絵や文字を描いていく。竜星は「みんな綺麗な格好から、最後に汗とチョークまみれになった姿はきっと愛おしく、 そして素敵に見えるんじゃないかな。そういう本当の舞台です」と語っていた。

太郎にピエロの仕事を振ってくれる会社の上司花丸(青柳翔)と新入社員・渡(芋生悠)

再会した高校の同級生・緑(瀬戸さおり)は当時の担任の柱谷（(菅原永二）と結婚していた。

太郎とまちこの運命はいかに？

『ガラパコスパコス~進化してんのかしてないのか~』
■作・演出　ノゾエ征爾
■出演
竜星涼 藤井隆 青柳翔 瀬戸さおり 芋生悠
駒木根隆介 山本圭祐 山口航太 中井千聖
ノゾエ征爾 家納ジュンコ 山田真歩 菅原永二 高橋惠子
■企画・製作 Bunkamura
【東京公演】2023 年 9 月 10 日(日)〜24 日(日) 全 18 回 世田谷パブリックシアター
■東京公演チケット料金：S 席 10,500 円 A 席 9,000 円(全席指定・税込)
※未就学児の入場はご遠慮いただいております。

【京都公演】2023 年 9 月 30 日(土)・10 月 1 日(日)京都劇場
9 月 30 日(土)13:00／18:00 開演
10 月 1 日(日)13:00 開演
■京都公演チケット料金：11,000 円(税込・全席指定)

【岡山公演】2023 年 10 月 11 日(水)・12 日(木)岡山芸術創造劇場 ハレノワ 中劇場
10 月 11 日(水)18:30 開演
10 月 12 日(木)13:00 開演
■岡山公演チケット料金：9,800 円(税込・全席指定)

【新潟公演】2023 年 10 月 21 日(土)・22 日(日)りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場
10月21日(土)13:00開演
10月22日(日)13:00開演
■新潟公演チケット料金：S席＝10,000円 A席＝8,500円(税込・全席指定)