M.クンツェ&S.リーヴァイの大ヒットコンビによる最新作ミュージカル『ベートーヴェン』が、12月9日に日生劇場にて開幕した。
ベートーヴェンの名曲をモチーフにした数多くの楽曲と豪華なセットと美術で、井上芳雄、花總まり、海宝直人/小野田龍之介(Wキャスト)、木下晴香、渡辺大輔、実咲凜音、吉野圭吾、佐藤隆紀/坂元健児(Wキャスト)という実力派キャストがべートーヴェンの人生を描き出す。東京公演は12月29日まで。来年2024年には福岡、愛知、兵庫にて上演。
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(井上芳雄)写真提供/東宝演劇部
右)アントニー・ブレンターノ 通称トニ(花總まり)写真提供/東宝演劇部
耳の病に苦しみながら数多くの名曲を残したベートーヴェン。音楽家としてだけでなく、彼の人生や人間性も多くの注目を集めてきた。
生涯独身を通したが、死後、未投函のラブレターが発見され、その相手が誰なのか、そして彼の恋愛についても多くの関心を集めてきた。
(ベートーヴェンの弟)カスパール 海宝直人(Wキャスト)写真提供/東宝演劇部
本作は、『エリザベート』、『モーツァルト!』、『レベッカ』、『マリー・アントワネット』、『レディ・ベス』など、世界中で人気の作品群を手掛けてきたミヒャエル・クンツェとシルヴェスター・リーヴァイのゴールデンコンビが、ベートーヴェンを主人公に、10年以上の歳月を費やし生んだ作品。2023年1~5月の韓国での世界初演に続き、日本初演を迎えた。
ベッティーナ(“トニ”の義理の妹)木下晴香 写真提供/東宝演劇部
楽曲はS.リーヴァイがベートーヴェンの名曲からインスピレーションを得て、そのモチーフを取り入れつつ創作。「クラシック音楽好きにはモダンな音楽にも親しんでほしい。クラシック音楽に馴染みのない方にはクラシック音楽を身近に感じてもらえるように」と曲作り。
クラシック音楽好きは心震えるであろうし、クラシック音楽に馴染みがなくとも存分に楽しめる。「難しいのかな」と心配な方は、パンフレットを一読されておくと心強いだろう。
オリジナル曲もあり、楽曲が非常に多く多彩で、キャストたちは歌いに歌う。どのキャストにも見どころ、聞かせどころあり、実力派キャストたちならではの競演に心躍る。
中央)(ベートーヴェンのパトロンの一人)フェルディナント・キンスキー公 吉野圭吾 写真提供/東宝演劇部
韓国生まれの作品では、日本オリジナル演出となり、セットや美術が異なる作品もあるが、本作では韓国スタッフも加わっての演出。井上芳雄が「『ムーランルージュ』や『チャーリーとチョコレート工場』にも負けない。東宝は今年、大丈夫かなと心配になるくらい美術費がかかっている」と言ったほど豪華だ。
音楽の奥深さ、目移りしてしまう美術に対して、物語は直球で丁寧に語ってくれる。恋多き男ともいわれ、謎も多いベートーヴェンの恋だが、M.クンツェ&S.リーヴァイが選んのは、アントニー・ブレンターノ(通称ト二)という人妻との恋を軸に、ベートーヴェンの幼き頃からの確執・葛藤も描き、ベートーヴェンの人物像を立体化する。
恋により変わっていくベートーヴェンとト二。井上と花總から目が離せなくなるだろう。
(弁護士)バプティストフィッツオーク 渡辺大輔と(“トニ”の夫)フランツ・ブレンターノ佐藤隆紀(Wキャスト) 写真提供/東宝演劇部
韓国ではトリプルキャストやクワトロキャストで公演期間が長い場合が多く、本作もメインのふたりはトリプルだったそうだが、本公演では井上と花總のシングルキャスト。公演期間は東京公演でも20日と短い。再演になることもあろうが、この豪華キャストが揃うとは限らない。当日券の販売もあるので(各公演前日に当日券専用ダイヤルにて予約)、是非とも劇場へ足を運んでほしい。
写真提供/東宝演劇部
ミュージカル『ベートーヴェン』
脚本/歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽/編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
演出:ギル・メーメルト
出演:井上芳雄
花總まり
海宝直人/小野田龍之介【Wキャスト】
木下晴香
渡辺大輔 実咲凜音 吉野圭吾
佐藤隆紀(LE VELVETS)/坂元健児【Wキャスト】 ほか
東京:2023年12月9日(土)~29日(金)日生劇場
福岡:2024年1月4日(木)~7日(日)福岡サンパレス ホテル&ホール
愛知:2024年1月12日(金)~14日(日)御園座
兵庫:2024年1月19日(金)~21日(日)兵庫県立芸術文化ホールKOBELCO大ホール
公式HP :https://www.tohostage.com/beethoven/