キ上の空論獣三作一作め『けもののおとこ』が3月23日(土)に新宿・紀伊國屋ホールにて初日を迎え、ゲネプロと取材会を行った。室龍太が主演をつとめ、今江大地、井尻晏菜、久ヶ沢徹 ほかが出演する。
本作は、2013年に中島庸介が旗揚げした演劇ユニット「キ上の空論」が、2024年の第1弾公演として上演する新作。作・演出を担当する中島庸介が温めてきた企画『獣三作(けものさんさく)』で、作品タイトルにそれぞれ【けもの/ケモノ/獣】を入れた『獣』をテーマにした物語の第一弾。
中島庸介 井尻晏菜 室龍太 今江大地 久ヶ沢徹
中島庸介(作・演出):
今回は、知らず知らずに、無自覚に人を傷つけることが多分あると思うんですけれども、そういうものをけものとして表現してみたいと、この作品を作りましたが、空気が読めない人たちが結構多い舞台になっています。主人公の堀矢未衣くんはお父さんに影響を受けて、どんどん獣が育っていくみたいな感じで、内容はちょっと暗いんですけれども、稽古場は結構ワイワイと仲良く作れたので自分的にはすごく満足です。室くんは、締めるところは締めて、しっかりやってくれるかなと思っているので、本番はすごく楽しみです。
父親に“女に選ばれる男”になるよう教育されて育った堀矢未衣役 室龍太:
いろんな人と出会っていくにつれて、自分は同性愛者だと気づいて、いろんな物語が生まれます。(相手役が今江で)ちょっと変えてほしかったです。ムキムキですからね。小っちゃいときから知ってますし、複雑な環境ではありました。(笑)
(今回難しかった点について)今までは「もうちょっと前(客席)を意識して」と言われるが多かったんですが、今回はそれを全く意識しないでくださいと言われたから、そこはちょっと難しいと思いました。身体が勝手に動いちゃうんですよ。
今日から初日を迎えます。素敵なキャストの方々と素敵なスタッフさんと一丸となって 良い作品をお届けしたいと思いますので、ぜひ劇場まで足をお運びいただきたいと思います。
鏑木役 今江大地:
僕はカブちゃんと呼んでください。中島さんから「ナチュラルな芝居、自然のままでいい」と言われているので“カブちゃんでありつつ自分であり“みたいな感じで、あまり意識していません。同性愛者役については、初めはわかりませんでしたが、何かを好きになる気持ちは誰でも一緒じゃないかなと思っているからこそ、特に意識していません。ストーリーテラーのところだけはわかりやすく活舌を良くできればと思っています。龍太くんとは関係性も元々あり、信頼していますから意識せずに喋っている感じでした。
(鏑木と自信との共通点は「サイコパスな部分」と室に言われて)みんなからめちゃめちゃ言われるんですよ。僕にとってそれは普通なんですけど。(笑)
ノア役 井尻晏菜:ノアちゃんはよく言えば天真爛漫、悪く言ったら自分に正直すぎる、空気の読めない子的な印象を受けました。中島さんのおっしゃるようにで「ナチュラルな、あまり飾らない感じ」に演じさせていただけたらなと思っております。(室とのシーンでは)背中から感じるものがあります。見えない恐怖や、誰しもが持ってる獣の部分がそこで現れているというか。そういった心理描写も見どころの一部ではないのかなと思っております。
堀矢未衣の父親役 久ヶ沢徹:未衣の人格形成にものすごく影響を与える父親で、実生活とは全く逆なので面白いなと楽しみながら演じました。稽古場での室くんがさっきのトークみたいに面白いわけです。若い人たちがほんとにしっかりしてるんで、今回は若い人たちに引っ張られていく現場です。
本作でモテモテ役を演じた室に「実際にはモテてましたか?バレンタインにもらったチョコレートは幾つ?」という質問という質問が飛び出した。室は「モテましたよ。小学5年生がピークで、チョコは14個」と明かしていた。
キ上の空論 獣三作 一作め『けもののおとこ』
【作・演出】中島庸介(キ上の空論)
【出演】
室龍太
今江大地
健人
阿部快征
井尻晏菜
林田真尋
黒木美佑
岩井七世
丸山敦史
久ヶ沢徹
【劇場】紀伊國屋ホール
【日程】2024年3月23日(土)~31日(日) ※全10回公演
【公式HP】 https://kijyo-kemono.com
【公式X】@kijyooo
宣伝:キョードーメディアス
企画・主催 キ上の空論/SET/ABC&SET