音楽座ミュージカル「SUNDAY(サンデイ)」が、6月13日(木)から17日(月)まで草月ホールにて上演されている。原作発表から80年を記念しての今回が3度目の上演。主演は2020年の本作再演で文化庁芸術祭賞(演劇部門 新人賞)を受賞した高野菜々。客演として藤重政孝を迎える。7月には名古屋・広島にて上演される。
本作はアガサ・クリスティーがメアリ・ウェストマコット名義で発表した『春にして君を離れ』を原作として、2018年に世界ではじめてミュージカル化したもの
物語は…
弁護士の妻として母として最善を尽くしてきたジョーン(高野菜々)が、初めて家を、夫の元を離れ、末娘を訪ねてバクダットへ旅する。砂漠の町で思いがけず足止めをくらい、有り余る時間の中で自らの人生を振り返る。素晴らしいと思ってきた我が人生。だが、ジョーンは次第に新たな気づきを得ていく。
ミステリーではないが、ミステリー的な要素も濃く、観客をハラハラさせつつも、ウィットの効いた笑いもたっぷり。個性あふれる実力派の俳優陣が歌やダンスを織り交ぜて、舞台を英国に、砂漠へと塗り替え、観客を想像の扉の向こうへと導く。
高野はニューヨークでの海外研修を経て、ますます磨きのかかった歌声と演技で観客を引き付ける。
客演の藤重政孝はミステリアスな雰囲気で狂言回しともいうべき役を演じ、冒頭から観客の心を鷲掴みに。
ついつい笑顔がこぼれてしまうようなエンターテインメント要素と、思わず自らの心の奥を省みてしまうような音楽座らしい精神性を両立。観終わった後には「面白かった!」と素直に言える爽やかさと、胸にズンと残る感動をくれる公演だった。
観劇した6月15日夜の公演では、終演後に“SNF‥.サタデーナイトフィーバー(土曜の夜は盛り上がろう!)”が行われ、公演を終えたばかりのキャスト数名が再登場。観客を巻き込んで、公演の一場面をユーモアたっぷりに再現し、大いに盛り上がった。最後は舞台上からキャストが観客の退場をお見送り。そんな思いがけない楽しさも音楽座の魅力のひとつだろう。
6月17日(月)の東京公演、7月28日(日)の広島公演は、すでに完売とのことだが、名古屋公演と広島追加公演はまだ観劇できる可能性があり。この感動を是非、劇場で。
音楽座ミュージカル「SUNDAY(サンデイ)」
原作:アガサ・クリスティー『春にして君を離れ』
東京公演:2024年 6月13日(木)~6月17日(月)草月ホール
名古屋公演:2024年7月10日(水)日本特殊陶業市民会館 フォレストホール 1
広島公演:2024年7月28日(日)JMSアステールプラザ 大ホール
追加公演2024年7月17日(水)JMSアステールプラザ 大ホール
製作著作・主催:ヒューマンデザイン
音楽座ミュージカル HP: https://www.ongakuza-musical.com