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ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』ウェンディ役 鈴木梨央 インタビュー 「ファンタジーとしてだけでなく、ピーター・パンとウェンディの感情や関係性の対比も考えながら観ていただけたら」

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今年で44年目を迎えるブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』が、今夏2024年7月24日(水)に開幕。8月2日(金) まで東京国際フォーラム ホールCにて、以降は愛知・広島・魚津・大阪にて上演される。

いつまでも子どものままでいたいピーター・パンと、彼に導かれた子供たちの、ネバーランドでの冒険が、美しい音楽、楽しいダンスとアクションいっぱいで綴られる物語。大人から子供まで楽しめるワクワクとドキドキがたっぷり詰まったファンタジーだ。

昨年より11代目ピーター・パン役をつとめる山﨑玲奈、昨年から引き続きフック船長役を演じる小野田龍之介に加え、今年は5歳の頃より子役として活躍し、大河ドラマ「八重の桜」や連続テレビ小説「あさが来た」で主人公の幼少期を演じ、お茶の間でもお馴染みとなった鈴木梨央がウェンディ役として加わる。
俳優・歌手として活躍してきた鈴木梨央は、今年19歳。『奇跡の人』(2019年)で初舞台を踏み、ミュージカル『ダーウィン・ヤング 悪の起源』(2023年)でミュージカルデビューを果たした。映像に舞台にと活躍を続ける鈴木梨央に、ウェンディ役への意気込みを聞いた。

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―鈴木さんの初舞台は『奇跡の人』のヘレン・ケラー役とのこと。とても大変な作品だと聞いています。
お芝居をしていくなかで、身も心も“もぬけの殻”状態になったのは、『奇跡の人』が初めてでした。舞台は観に来てくださるお客さんのパワーを生身で感じるので、そこに直接お届けするんだという強い意志も必要です。初めての舞台で、舞台の上でどう動いていいのかもわからない私を、演出の森新太郎さんがスタートラインに立たせてくださって、感謝の気持ちでいっぱいですし、サリバン先生を演じられた高畑充希さんはヘレン・ケラー役を演じてこられていて、日々たくさんのアドバイスをくださったからこそ、私が最後まで舞台に立てたと感じています。

―私はミュージカル『ダーウィン・ヤング 悪の起源』で初めて鈴木さんの舞台を拝見して「ミュージカル界に素敵な方が現れた!」と思っておりました。演技も歌もずっとやっておられても、ミュージカルはまた違ったハードルだったのではないでしょうか?
セリフがある中で歌が入ってくるのが、最初は新鮮でした。それまでは歌を歌として歌っていたので「ミュージカルの歌は、セリフであり芝居である」ということを理解するのに少し時間がかかりました。メロディに乗せながら伝えたいことをしっかり伝えるのがすごく難しいと思いながらも、お客様が目の前で笑ったり涙を流したりされるのを見て感激しました。「ちゃんと心に届いている!」と思える瞬間でした。最後のカーテンコールで拍手を頂いて、お客様の笑顔を見ると「もっと届けられるように頑張ろう」という気持ちになれて、やりがいを感じられるのが舞台やミュージカルの魅力だと思っています。

―鈴木さんが舞台も好きになってくださって嬉しいです。さてミュージカル『ピーター・パン』への出演が決まった時のお気持ちは?
40年以上続いている、伝統ある作品だと知っていたので、その作品にウェンディとして参加させていただけるという嬉しさと緊張が今もあって、まだそわそわした気持ちでいっぱいです。ビジュアル撮影で衣裳を身にまとった時には、それまでにふわふわっとしたドレスを着たことがなかったので、「ウェンディになれるかな」という思いと、「いよいよ 始まるんだ」という思いが沸いて、役と向き合って自分なりのウェンディを描いていけたらなと感じています。頑張ります!

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―ワークショップもあったと伺っています。長谷川寧さんの演出はいかがでしたか?
昨年末に山﨑さんやアンサンブルキャストの皆さんと一緒に参加したのですが、ワークショップというものに参加するのは初めてで、すごく新鮮な体験でした。
ピーターとウェンディ2人でのお芝居の一部分を「まずは2人で話し合って動いてみて」とディレクションを頂いて、玲奈さんと一緒に話し合いながら動いてみたのですが、自然にやった動きを「なぜ、今、そのセリフの、その感情の時に、その動きをしたの?」と聞かれたのですが、今までそういったことを聞かれたことがなく、何気ない動きにも自分の中身を見られているような感じがして身が引き締まりました。セリフについては「感情を無にして、セリフの言葉を相手の脳に届けるイメージで言ってみて。そうすると、どの言葉を本当に相手に伝えたいのかが見えてくるよ」と教えていただきました。自分の中で確信をもってやらずに、ふわっとやってしまうと、すぐに見透かされてしまうので、とっても緊張したのですが、そういうお芝居の仕方やレッスンが初めてでしたので新鮮で「何度も受けたい」と思いました。長谷川さんと私が描くウェンディ像についてもお話していきたいです。お稽古がすごく楽しみです。

―長谷川さんの演出はフィジカルはもちろん、内面もとても大切にされているのですね。ウェンディのアクションについては?
ウェンディも飛ぶんですよ。ピーターと一緒にフライングします。

―フライングのご経験は?
ワイヤーアクションは、映像の作品で少しやったことがあるのですが、ワイヤーフライングは初めてです。

―昨年も出演されたピーター・パン役の山﨑玲奈さんからアドバイスはありましたか?
玲奈さんからは「ウェンディにはアクション自体は多くなくても、長谷川さんの演出は細やかな動きが多いので絶対にストレッチと体幹を鍛えるプランクだけはした方がいいよ」という言葉を頂いたので、ストレッチとプランクは日々やっています。

―プランクというのは、腕立て伏せのような姿勢を保つ筋トレですよね?
はい。最初は30秒がやっとでしたが、今は58秒ぐらいまできるようになりました。(笑) これからもっと頑張ります!

―舞台「新生!熱血ブラバン少女。」にご出演された際には、トランペットに挑戦されたそうですが、楽しみながら挑戦されているようですね。ウェンディ役については、どのようにお考えですか?
心のまま、思うままに動く好奇心旺盛でエネルギッシュなピーター・パンと、「大人にならなきゃ」と思って弟たちの面倒を見ながらも、ピーターに憧れをいだく乙女心を持つウェンディ。そんなふたりの対比が魅力的なところでもあるのかなと感じていますので、ウェンディの心情をよりしっかり演じていきたいと思っています。お稽古で自分のウェンディを深めていく過程も、皆さんと一緒により良いものにと作品を作り上げていくのも、すごく楽しみにしています。

-最後に楽しみにしている方へコメントをお願いします。
ファンタジーとしてだけでなく、ピーター・パンとウェンディの感情や関係性の対比も、皆さんにも考えながら観ていただいて、何かを感じて頂けるとすごく嬉しいです。

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青山メインランドファンタジースペシャル
ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』

東京公演:2024年7月24日(水)~8月2日(金) 東京国際フォーラム ホールC
愛知公演:2024年8月11日(日)~12日(月・祝) 御園座
広島公演:2024年8月17日(土)~18日(日) 広島文化学園HBGホール
魚津公演:2024年8月24日(土)~25日(日) 新川文化ホール 大ホール
大阪公演:2024年8月31日(土) 梅田芸術劇場メインホール

<キャスト>
ピーター・パン:山﨑玲奈
フック船長:小野田龍之介
ウェンディ:鈴木梨央

ダーリング夫人:壮 一帆

タイガー・リリー:住 玲衣奈
パイレーツ*:荒川湧太、今村洋一、加瀬友音、鈴木真之介、鳥居留圭、渡部又吁
ロストボーイズ*:小熊 綸、梶 みなみ、田代 明、德岡 明、松尾音音
モリビト*:ASUKA、石原詩月、伊藤 奨、児玉彩愛、小宮海里、七理ひなの、古澤美樹、森田駿介
ジョン*(Wキャスト):畠中一花、三木美怜
マイケル*(Wキャスト):杉山穂乃果、須田麗央

スウィング*:島野知也、三井夕萌

*五十音順

<スタッフ>
原作:サー・J・M・バリによる作品を元にしたミュージカル
作詞:キャロリン・リー
作曲:モリス(ムース)・チャーラップ
翻訳・訳詞:福田響志
演出・振付:長谷川 寧

音楽監督:宮川彬良
美術:BLANk R&D
照明:齋藤茂男
音響:井上正弘
衣裳:高橋 毅
ヘアメイク:河村陽子
アクション・パルクール:HAYATE
映像:anno lab
フライング:松藤和広
歌唱指導:板垣辰治
振付助手:仙石孝太朗/溝上瑞季
アクション・パルクール助手:島野知也
稽古ピアノ:中野裕子
演出助手:坂本聖子/玉置千砂子
舞台監督:小澤久明/瀧原寿子
エグゼクティブ・プロデューサー:堀 威夫
主催・企画制作:ホリプロ
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