Travis Japanの七五三掛龍也と吉澤閑也がW主演をつとめ、ウォーリー木下の脚色・演出により初めてミュージカルとなった『ダブリンの鐘つきカビ人間』が7月3日(水)に東京国際フォーラム ホールCにて初日を迎える。
前日2日(火)に公開ゲネプロ及び初日前会見が行われた。会見でのコメントに舞台写真も合わせてご紹介する。
東京公演は7月10日(水)まで。7月20日(土)~29日(月)には大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて上演。
左より)松尾貴史 中村梅雀 加藤梨里香 吉澤閑也 七五三掛龍也 伊原六花 後藤ひろひと(作) ウォーリー木下(脚色・演出)
ダークファンタジーの傑作として、これまでに様々な演出家、キャストによって幾度も上演されてきた『ダブリンの鐘つきカビ人間』。
今回は、ミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』、ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』シリーズ、PARCO PRODUCE『粛々と運針』など、ミュージカル、ストレートプレイ、ノンバーバルパフォーマンスまで幅広く演出を手掛け、世界的に注目を集めるウォーリー木下が脚色・演出を手掛けた。
ウォーリー木下ならではの、照明やセットの美しさ・面白さと数々の仕掛けに加え、中村大史による音楽が加わり、一見楽しく見える、その底に怖さが潜むファンタジーを作り上げた。
物語は、旅行中の聡と真奈美が、山中で霧のために立ち往生し、ある老人の住む洋館に一夜の宿を求めるところから始まる。老人は「ここにもかつては町があった。だが不思議な病に襲われて…」と語りだす。その昔話にふたりは引き込まれていく。
物語世界の住人で、奇妙な病に冒されて心と体の美醜が入れ替わり、心は美しいが誰も近づきたがらないほど醜い容姿となってしまった「カビ人間」役を七五三掛龍也が演じる。
七五三掛龍也:明日が初日ということで、本当に緊張していて、同時にワクワクしていて明日が楽しみです。それと、カビ人間として、ハット(帽子)を使う技の難易度が高いので失敗しないように、100パーセント成功できるように頑張りたいと思ってます。
脚本を読ませていただいて、楽しさや怖さ、恐怖っていう2つのドキドキを感じました。カビ人間はビジュアルもそうですけど、今まで挑戦したことのない役柄で、どう演じたらいいか、すごく考えながら稽古してました。稽古していく中で、本当にここまでピュアで心が綺麗でまっすぐな役を初めてやらさせてもらったので、自分の中で新しい扉が開いた感じがしました。
顔はカビメイクと言って、メイクさんに小さい粒を1つずつつけてもらって、自分でもつけているんです。だから、すごく時間がかかる。1時間20分ぐらいですかね。カビ人間の唯一の友達はハットで、常に友達のように扱っています。だからハットの先生が支援に来てくださって、難易度の高い技を見せられるまでにしていくのに2週間ちょいかかりました。家にこの帽子を持ち帰って、野球で言う素振りのように1日50回やると決めて練習していました。そしたら最初は全然できなかったのに、徐々にできるようになってきて。だからハットを稽古前に触ったり、練習すると自然にカビ人間のスイッチが入るようになってきました。僕にとってすごく大切なアイテムです。
山中で霧のために立ち往生し、一夜の宿を求めた洋館で老人が語る昔話に心を奪われわれるうちに物語の世界に迷い込む「聡」役 吉澤閑也。(写真 右)
吉沢閑也:聡はすごく閑也に近い。 性格も近いですし、見た目もほぼ閑也みたいな感じです。皆さんにもいじられたりとかもあったり、本当に和やかな雰囲気で稽古させてもらいました。29歳でお芝居に打ち込むのが初めてなので、すごく緊張はしてるんですけど、 ちゃんと「聡」になれきれるようにがんばります。
(オファーをもらった時は)もうほんとにびっくりで。 最初にマネージャーさんに「僕でいいですか」と。本当に驚いたんです。 お芝居は初めてなので、セリフの覚え方もわからないし、どうすればいいんだろうと。キャストの皆さん、ウォーリーさんからもアドバイス頂いて稽古に臨ませていただいた。本当に吸収することばかりで、毎日が刺激的で過ぎるのが早かったです。僕のメイクの時間は15分ぐらいです。(笑)
物語の世界の住人で、奇妙な病のせいで、思っていることの反対の言葉しか話せなくなった「おさえ」役 伊原六花。
伊原六花:最初に脚本を読んだ時にめちゃくちゃ心掴まれて、稽古がすごく楽しみでしたし、稽古が始まってからは悩みながらもすごく楽しい日々を過ごせて、劇場入りしてからもさらにウォーリーさんの照明や色々な仕掛けという新しい発見がすごくありました。頼もしい皆さんと一緒にこの素敵な作品をおとでお届けできるのがすごく楽しみです。頑張りたいと思います。
(一緒の場面が多い七五三掛について)男らしくて、結構ストイックで、自分でも考えるし、2人のシーンのところは細かく話し合いながら、歌も意見を交換し合いながら作り上げていけたので、信頼できる素敵な方だなという印象です。カビ人間によって「おさえ」が変わっていく部分があるので、そういうところは本当に引っ張っていただきながら稽古ができたので、 初日が始まってまたどんどん進化していけたらなと思っています。
「聡」と共に物語の世界に迷い込む「真奈美」役 加藤梨里香。
加藤梨里香:聡と一緒にこの物語の中に入り込んでいくキャラクターです。お客様も真奈美と聡と一緒にどんどん入り込んでいって、最後の結末を見届けて、ぜひ楽しんでいただけたらと思います。そして、とにかくよく喋る2人なので、その掛け合いも楽しめたらと思います。頑張ります。
(一緒の場面が多い吉澤について)物おじしないというか、自分のペースがあるので、 出落ちしても「これが正解です」みたいな感じ出てきちゃったりとか。(笑)マイペースなんだと思います。
松尾貴史は、市長と老人役 他。初演から2002年、2005年の再演も観客として観たという松尾。その作品に出演する喜びと共に、大変さも吐露した。
松尾貴史:初めてミュージカル仕立てになったとことで、要素がすごく多くて、あちらを注意すると、こちらがおろそかになる。ここを見てると後ろがわかんなくなる。どっち向いてるかわかんない回るステージですから、ほんとにオロオロ、オロオロしながら皿回しを何十枚もやる人みたいです。(笑)
会見では帽子を取り、愛嬌を振りまいてくれた「おさえの父(ジジイ)」役 中村梅雀。
中村梅雀:すごい奇想天外な設定で、しかも ファニーでキュートでラブリーでショッキングで、だけど実はすごい深い謎がたくさん込められた、ファンタジックなドラマです。しかもこのステージは、本当にびっくりするような仕組みがたくさんあって、 だけどなぜか非常にアナログで動いてる部分がたくさんある。1人1人の一瞬の不注意でどんなことになるかわかんないという、 すごく目まぐるしいステージになってます。でもこれでお客さんが喜んでくれたらと思うと、本当にワクワクしております。
後藤ひろひと(作) :(ミュージカル化については)驚きました。実は私自身もずっとやってみたいなとは思っていたことだったんですけども、ウォーリくんから「ぜひやってみたい」と言われた時、これはもう彼に任せるしかないなと思ったので、安心して任せました。面白いものになってると思います。
ウォーリー木下(脚色・演出):筋立てがしっかりしていますし、物語の寓話的な要素もあれば、現実的な要素もあり、登場人物たちのカラフルな群像劇でもあるし、ミュージカルにはうってつけだと最初から思ってました。今日も舞台稽古をして、ミュージカルにしてよかったなと思っております。
会見に登壇しなかった手練れの俳優陣も、個性的なキャラクターを演じる。
「おさえ」を慕う「戦士」役 入野自由
「神父」役にコング桑田(右端) 「親衛隊長」役に小松利昌(左端)
不思議な病に侵され羽が生えてしまった「天使」役に竹内將人は得意の歌も
不思議な病に侵された人たちが続々登場。カビ人間の秘密も次第に明かされ…
物語に引き込まれた聡と真奈美は、どうなるのか?
カビ人間は“階段落ち”も見せるとのこと。最後まで目の離せないエンターテインメントとなっている。
ミュージカル『ダブリンの鐘つきカビ人間』
東京 :2024年7月3日(水) ~ 2024年7月10日(水)東京国際フォーラム ホールC
大阪 :2024年7月20日(土) ~ 2024年7月29日(月)COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
作:後藤ひろひと
脚色・演出:ウォーリー木下
音楽/音楽監督:中村大史
出演
七五三掛龍也 吉澤閑也 伊原六花 加藤梨里香
入野自由 コング桑田 小松利昌 竹内將人
安田カナ 安福毅 Ema 工藤広夢 半山ゆきの
松尾貴史 中村梅雀
演奏:中村大史 奥貫史子 石崎元弥
スウィング:森本さくら 木村風太 森山雅之