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『セツアンの善人』メインビジュアル、公演詳細、演出家&キャストメッセージ公開

世田谷パブリックシアターにて、10-11月に上演される、芸術監督・白井晃演出による『セツアンの善人』について、メインビジュアル、公演詳細、演出家メッセージ、出演する葵わかな・木村達成のコメントが新たに公開された。東京公演のチケット一般発売は8月25日(日) 。

メインビジュアル(撮影:山崎伸康)

(撮影:山崎伸康)

『セツアンの善人』は、第二次世界大戦中、ナチスにより市民権を剥奪されたドイツの劇作家ベルトルト・ブレヒトが亡命先で執筆し、1943年にスイスのチューリッヒで初演。神様が地上に降りてきて善人を探すという寓意劇.

▼上演台本・演出 白井晃 メッセージ(チラシより)
この世の中でホントに善人でいることができるのか?善意と言われても、無料の奉仕などあり得るのか、自己満足もしくは何か裏にあるのではないかと疑ってしまう。そんな殺伐とした世界に私たちは生きている。
真に人と人とが信じあえて、思いやれる時が来たらと願っても、そんなことなど絶対にあり得ない、信じる方が愚かだと思えてしまう。私たちは諦めの中に生きている。だからこそなお、今このブレヒト作品を上演する意味があると思ったわけなのです。パンデミックや災害、戦争の悲壮を身近に感じる中で、社会の原理が本質的に変わることを目指すべきとした、かつてのブレヒトのメッセージはより一層強力に心に響くのです。
演劇に社会を変える力など、もはやありはしないのかもしれない。
それでも、主人公シェン・テを今の世界を生きる人間として描くことで、少しの時間だけでも演劇の力を信じたいと思うのです。

▼出演・葵わかな コメント
シェン・テと、シェン・テが劇中で演じるシュイ・タの二役を演じます。なかなか複雑な構造の二役に挑戦することになります。シェン・テはとてもお人好しな性格で神様から善人だと認められ、逆にシュイ・タは周囲から冷酷な人物だと評価されています。果たして本当にそうなのか、見ている人によっても色々と感じ方が変わるような役でもあると思うので、そういう部分も楽しんでいただけるように頑張りたいです。
今回、演出の白井さんとは初めてご一緒させていただきます。白井さんは俳優の新境地を開拓してくださる印象があったので、私も新しい挑戦ができることをとても楽しみにしております。
『セツアンの善人』は80年以上前に書かれたお話ではありますが、素敵な共演者の皆様と演出の白井さんと共に、今を生きる私たちにも響くようなメッセージをしっかりと表現していきたいです。また音楽の力によって、より親近感や楽しい瞬間も生まれるような作品になればいいなと思っております。

▼出演・木村達成 コメント
失業中のパイロットの青年、ヤン・スンを演じます。ヤン・スンは一見すると嫌な奴のように思えるのですが、とても人間らしくもあって、そういったところに親近感を覚えています。
白井さんの演出作品にはこれまで二度出演させていただきましたが、いつも自分はどうあるべきなのかといったことや、人のために何かをする自己犠牲の気持ち、観客の皆様に与える影響などについて考えるきっかけを与えてくださり、自分が変わる瞬間に何度も立ち会っていただきました。今回、世田谷パブリックシアターで『セツアンの善人』に出演することになり、改めてそういったことをたくさん考えられる稽古が待っていると思うと、少し不安でもあり、同時に楽しみでもあります。
約1年ぶりの舞台出演となりますが、この作品を観ていただいた皆様に、“面白そうな奴だな”と思っていただけたら幸いです。

『セツアンの善人』
東京:2024年10月16日(水)―11月4日(月・休)世田谷パブリックシアター
兵庫:2024年11月9日(土)13:00、11月10日(日)13:00 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
【作】ベルトルト・ブレヒト 【音楽】パウル・デッサウ 【翻訳】酒寄進一
【上演台本・演出】白井晃 【訳詞・音楽監督】国広和毅
【出演】
葵わかな 木村達成 渡部豪太 七瀬なつみ あめくみちこ
小林勝也 松澤一之 小宮孝泰 ラサール石井 ほか
【演奏】
磯部舞子(Vn. 東京公演) 島津由美(Vc.) 熊谷太輔(Perc.)/加藤優美(Vn. 兵庫公演)

東京公演では、託児サービス、車椅子スペース、補助犬を伴っての観劇、聞こえにくい方のための音声サポート、聴覚障害者のための字幕タブレット貸出、視覚障害者のための舞台説明会および音声ガイド貸出あり。
【世田谷パブリックシアターHP】https://setagaya-pt.jp/
【『セツアンの善人』公演ページ】https://setagaya-pt.jp/stage/16042/