2024年8月17 日(土)より、東京・IMM THEATER にて、主演に浜中文一、ヒロインに市川美織を迎えて、舞台『ブラック・コメディ』が開幕する。16日(金)に取材会と公開ゲネプロが行われた。
『ブラック・コメディ』は、『アマデウス』や『フォロー・ミー』など映画化された作品でも知られる劇作家、ピーター・シェーファーによる戯曲。1965年にロンドンで初演され、その後世界各地で上演されてきた。日本では1970年の劇団四季が初演。
売れない若手彫刻家が婚約者の父親と億万長者の美術蒐集家を招くために、婚約者と組んで、留守中の隣人宅から数々の調度品を無断で借用。みずからの作品かのように仕立てて愛と富を手に入れようと画策する物語。だが、なんと停電によって、ふたりの計画は思いがけない展開になっていく。
この作品の特徴は、”真っ暗はなずの停電の場面では、舞台上は明るく、灯がついている場面では舞台上が暗くなる”という、明暗を逆転させた演出手法で、登場人物たちの本音や嘘を表出させるところ。
演じる俳優も、観客も、想像力を駆使して、自らの頭の中に明暗逆転した場面を描くことで、スリルと笑いを生み出していく。
【取材会】
三倉佳奈 朝海ひかる 浜中文一 渡辺いっけい 市川美織
主人公の売れない彫刻家ブリンズリー役を浜中文一。
浜中:もうかなり練習しましたんで、もうやるしかないですよね。ひたすら頑張りますよ。(稽古中は)結構ぼーっとしてる時間が多かったんで、あんまり楽しむ余裕はなかったかもしれないですね。(すかさず市川が「でも我々は浜中さんにめちゃめちゃ面白く、笑わせていただきました」と言うと、他のキャストも大いに同意といった様子だった)
ブリンズリーの婚約者・キャロルの父を渡辺いっけい
渡辺いっけい:台風に負けないぐらいハラハラする芝居です。手探りというか、 本当に面白いと評判の戯曲です。本当に大変なんだと。みんなで、ああでもないこうでもないと言いながら作りました。明日お披露目して、お客さんの反応を伺って、また千秋楽までちょこちょこいじると思います。
ブリンズリーの婚約者・キャロルを市川美織
市川:もう私も30歳になり、もうちょっといい年かなと思っていたところに、もう大ベテランの皆さんと一緒に共演をさせていただけるということで、稽古場初日は本当に緊張しておりました。でも、みなさんがあまりにもおかしな人たちで、みんなで意見を出し合いながら稽古を進めるのを見ていて、私も頑張らなきゃなと思って、日々、学びの毎日でした。
私が演じさせていただくキャロルという役は、とても大事に育てられてきたんだろうなという箱入り娘な感じで、ちょっと世間知らずなおバカちゃんのところもあり、でも、あのネガティブなブリンズリーを元気づけるようなポジティブな性格で、この作品でも明るさだけは私が保つような、そんな華やかなこう役だと思います。普段から私も明るくポジティブな人なので、そういうところは、キャロにも似ていて、とてもやっていて楽しいなという感じです。
ブリンズリーの元恋人クレアを三倉佳奈 ブリンズリーの部屋の上に住むミス・ファーニヴァル
朝海:暗闇や悪い冗談の中、話が進んでいくんですけれども、コメディと名がつくタイトルを、この(明石家)さんまさんが名付けた劇場でやるということで、圧をかけられたような感じで稽古をしておりました。この劇場にふさわしいような楽しい笑いをお届けできるよう、みんなで頑張ってまいりたいと思います。
私の役は、この部屋に来たことで思いもよらない方向に行ってしまうという役なので、そのあたりの変化などをお客様もご一緒に楽しんでいただければと思っています。
三倉佳奈:このブラックコメディ、ほんとに脚本も面白いですし、明暗逆転という今まで見たことないような新しい演出の中で、自信を持ってお届けできる作品になっております。あとはお客さんが入ってどんなリアクションをいただけるのか、とても楽しみにしています。
となりの部屋から家具や調度品を拝借したブリンズリーとキャロル。満足いく部屋にできた。
そこにキャロルの父・メルケット大尉がやってきて間もなく停電に!
上の階に住むミス・ファーニヴァルが怖がってやってきて
帰ってこないはずの隣人ハロルド(山口森広)も帰ってきた。真っ暗な中、ハロルドに気づかれる前に家具や調度品を戻そうと悪戦苦闘するブリンズリーだったが…
元彼女・クレアもやって来た!
ブリンズリーはこの難関をくぐり抜けることができるのか?
上演時間は、笑いとハラハラ・ドキドキにあふれた1時間45分(休憩なし)。9月1日まで上演。
『ブラック・コメディ』
原作 ピーター・シェーファー
上演台本・演出 大歳倫弘(ヨーロッパ企画)
出演 浜中文一、市川美織、朝海ひかる、渡辺いっけい 他
東京公演:2024年8月17日(土)〜9月1日(日) IMM THEATER
公式サイト https://www.blackcomedy.jp