9月27日(金)~29日(日)の大阪・サンケイホールブリーゼを皮切りに、銀座・博品館劇場を含めた全国17ヶ所で上演される『裸足で散歩』について、演出の元吉庸泰、出演の加藤和樹、高田夏帆、福本伸一、松尾貴史、戸田恵子が参加し、本読み稽古を公開、稽古場会見を行った。
2022年に全国5箇所にて上演し、大好評を博したニール・サイモン脚本の傑作コメディ。前回に続き元吉庸泰が演出を担当。加藤和樹と高田夏帆、松尾貴史、戸田恵子も続投。新たに福本伸一が加わった。
福本伸一、高田夏帆、加藤和樹、戸田恵子、松尾貴史、元吉庸泰(演出)
【撮影:岡 千里】
【稽古場会見 コメント】
加藤和樹 【ポール・ブラッター 役】 コメント
僕が演じるポールはバカがつくほど真面目でとにかくコリーのことを愛しているキャラクターです。少し融通がきかないところもあり、
それが原因でコリーとぶつかってしまうこともありますが、曲がったことができない役どころなので、彼のように真っ直ぐ役に向き合っ
ていきたいと思っています。 (ニール・)サイモンの脚本と(福田)響志くんの翻訳は読むだけでもとても面白いです。これにさらに
元吉さんが演出をつけてくださることで、動きで笑える部分もあるのでもっとブラッシュアップしていかなければいけないなと今日本
読みをして感じました。特にコリーは細かい動きや言葉など覚えなければいけないので、パートナーとして支えられるように頑張
ります。
夏帆ちゃんは前回が初舞台でしたがそこから2年経って色々経験も積まれて、このふたりの信頼関係があるからこその夫婦の
ぶつかり合いみたいなものを密に描けたら、お客様もより感情移入してくださるのではないかなと思います。
少数精鋭で臨む舞台『裸足で散歩』ですが、再演ができる喜びを感じています。また観たいと思ってくださる皆様がいなければ
再演をすることができません。それに今回は全国各地まわらせていただけるということで、この幸せな心がほっと温まるようなコメ
ディを一人でも多くの方にお届けしたいと思いますので一公演一公演みんなで力をあわせて頑張ります!
高田夏帆 【コリー・ブラッター 役】 コメント
コリー・ブラッターを演じさせていただきます、高田夏帆です。
コリーはポールのことが大好きで、自由奔放だけどしっかりしていて頑固な部分があるキャラクターです。
今回、皆さんの前で本読みをさせていただいて、初演の時を思い出してすごく懐かしい感じがして、もっともっとブラッシュアップし
ていきたいと思いました。
初演の頃は自分のことで精いっぱいだったので、今回はキャストの皆さんと関わりつつ、楽しみたいと思っています。
初舞台として経験したこの作品が、再演となり同じ役を演じさせていただく、こんなに嬉しいことはないので期待を裏切らないよ
うに、自分を超えられるように精一杯演じさせていただきたいと思います。
福本伸一 【電話会社の男 役】 コメント
僕は唯一再演からの参加ということでかなりのプレッシャーがありまして、稽古に入る前に体に入れておこうと、この1ヵ月頑張っ
てまいりました(笑)。電話会社の男は真面目な職員なんですが、ただ電話を取り付けに来ただけなのに変なことに巻き込まれ
るという愉快な役です。3幕のはじまりに、冷え切ったポールとコリーのお二人のところに入っていくという辛いシチュエーションが
ありまして…(笑)。僕はとてもそのシーンが好きなので、ぜひ舞台上で立体的になったときに、楽しんで観ていただけたらと思い
ます。コリーとの2人で幕が上がるので、そこでお客様に笑っていただき、楽に観ていただけるようになるといいなと思っています
ので、楽しく頑張ります。
松尾貴史 【ヴィクター・ヴェラスコ 役】 コメント
ヴィクター・ヴェラスコという怪しい、正体不明の男を演じます。
ポールとコリーが住んでいる部屋の屋根裏に十何年も住み続けているという、国籍不明で山登りとスキーが趣味ということ以
外何も分からず、電話会社の男を巻き込む原因、騒ぎのもとになるキャラクターです。
初演時は役作りも全くない状態で演じておりましたので、今回は何を考えているか分からないというエキセントリックだったり、ス
トレンジだったり、少しミステリアスだったりという部分を、前回の3割増しで共演者も警戒するくらいのつもりで演じていきたいと
思います。
本読みを通じて皆さんに物語の欠片を知っていただいて、いい経験になりましたし、楽しい舞台になりそうだと感じたので、皆さ
んに劇場へ足を運んでいただきたいと思っています。
戸田恵子 【バンクス夫人 役】 コメント
私が演じるコリーの母・バンクス夫人は、コリーとは正反対な保守的な母で、どちらかと言うとお婿さんのポールと似通った性格
なのではないかと思います。保守的ではありますが、母親も子供たちと一緒に少しだけ成長していくというストーリーです。
私は以前、コリーを演じたことがあるのですが、初めて出演したストレートプレイの舞台が、この『裸足で散歩』です。ずっとミュー
ジカルをやる劇団にいたので必ず歌とダンスがあったのですが、初めてのストレートプレイでこんなにたくさんのセリフを喋るお芝居
に抜擢していただいて、とにかくイヤだったなぁ…と(笑)。そんな中で夏帆ちゃんが2年前の初演のときに、初舞台で健気に毎
日頑張っていて、偉いなぁと思っていました。自分もトライしたコリーという役ですが当時のことはすっかり忘れていて、夏帆ちゃん
が色々聞いてくれるのに何一つ答えられなくて(笑)。真っ直ぐな気持ちで稽古されていたのを横で見て、母も頑張らねば!と
思いました。2年という年月を経て、より可愛く演じたいなと思います(笑)。
元吉庸泰 【演出】 コメント
初演の手応えは、翻訳を福田響志くんというとても若い方に担当していただいたことで、ニール・サイモンの戯曲の現代に蘇ら
せることができたのではないかと思いました。
最近ニューヨークの大学を卒業して最近日本に帰ってきた方なので、ニューヨークの風を感じますし、現在と過去の現地の時
代感を受信する感性が素晴らしいです。一番の特徴は、どの時代の言葉で訳すかという言葉のチョイスが見事で、例えば新
婚夫婦の会話は「~じゃん」というような若い言葉遣いを当てていて、ヴェラスコやバンクス夫人の言葉遣いは少し時代をのせ
ているというような、どういう風に戯曲を蘇らせていくのか、若い人がキャッチしやすいようにしていくのか、という部分にとても力が
入った台本になっています。
やっている速度や疾走感は気持ちいいものになっていますし、逆に速度が出過ぎているところはみんなで話し合って作っていっ
たのが前回でした。再演の今回は台本はさらにブラッシュアップさえているので、これからお稽古をしていくのが楽しみです。
2年経って思うことや狙うこととしては、とても生きづらい世情になっている今の世の中で、やはりニール・サイモンの戯曲はとても
普遍的です。今の時代にいろんなことに突っかかっている人たちのヒントになるなにかを引き出せていけたらと思います。
裸足で散歩
作:ニール・サイモン
翻訳:福田響志
演出:元吉庸泰
音楽:栗山 梢
出演:ポール・ブラッター役 加藤和樹
コリー・ブラッター役 高田夏帆
電話会社の男役 福本伸一
ヴィクター・ヴェラスコ役 松尾貴史
バンクス夫人役 戸田恵子
企画制作:シーエイティプロデュース
公式HP :https://hadashidesanpo.jp/
公式X:@hadashide_sanpo