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堤真一、瀬戸康史と大東駿介、浅野和之 出演で舞台2作品上演!初日前日取材会とゲネプロ

ジョナサン・マンビィの演出、堤真一、瀬戸康史と大東駿介、浅野和之の出演で、英国を代表する劇作家キャリル・チャーチルの話題作『A Number—数』と『What If If Only—もしも もしせめて』の2作品を一挙に上演する公演が、9月10日(火)に初日を迎える。9日に取材会とゲネプロ行われた。

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浅野和之 大東駿介 堤真一 瀬戸康史

本作は、Bunkamura が日本と海外のクリエイターの共同作業のもと、優れた海外戯曲を今日的な視点で上演する企画に取り組んできた、DISCOVER WORLD THEATRE(以下 DWT)シリーズの第 14 弾。これまでに DWT シリーズで三作品を演出してきたジョナサン・マンビーが演出を手掛ける。

2作品ともに、舞台中央には大きな銀色のボックスが置かれ、そのボックスが上下することで場面とセットが転換する。

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上演一作目はチャーチルの最新作(2021年)で日本初演となる『What If If Only—もしも もしせめて』。大東と浅野は、マンビィとの初タッグで、日本初演の戯曲に挑む。上演時間は約23分。

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愛する人を失い苦しむ某氏(大東駿介)。「もしせめて、あのとき、ああしていたら」「もしせめて、あのとき、ああしていなかったら」「愛する人にとまた会いたい」某氏の心に果たしなく繰り返される願い

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某氏の前に、現在(浅野和之)が現れる

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二作目は、2002 年に初演され 22 年にはローレンス・オリヴィエ賞リバイバル部門にノミネートされた名作『A Number—数』。

人間のクローンを作ることが可能となった近未来を舞台に、息子のクローンを作ってしまった父を堤が、自らのクローンがいることを知った3人の息子役を瀬戸が一人で演じる。上演時間は約63分。

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バーナード(B2)は、自分のクローンがいたことを知り、父・ソルターに問いただす。ソルターは、過去に子供がいたことを告白する。

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バーナード(B2)は「たとえクローンがいたとしても、自分は父の息子だ」と。

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だが同じ顔をしたバーナード(B1)は、違う考えを抱いていた。

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違う性格、違う考えをもつ3人の息子。彼らのの人生は、どうなるのか? そして父は、なぜ息子のクローンを作ったのか?

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【初日前日会見】

堤真一:長い稽古期間があり、いよいよ明日ですけれども、気持ちとしてはもうちょっとまだまだ稽古したいなというぐらいの感じですね。でも、いい作品に仕上がってると思うので、楽しみにしてください。
(役について)ソルターというちょっと愚かな父です。 虐待した子供がいるんですけど、その人生をやり直すために、その子のクローを作って育てる。でもそれが全てバレてしまうことによっても愛する息子にも嫌われてしまうという、本当に愚かなおっさんだと思ったんですけど、彼がなぜそうなったのかというものの考え方と、最終的にどこに罪の意識を抱いていくのかという部分も出ると思うので、そこはしっかり見ていきたいなと思っています。
(稽古中エピソード)今回クローンということで、遺伝子を専門にする大学の教授の講義を受けました。 楽しかったですね。勉強したことは、舞台の役には立たないんですけど、知識として、その倫理的な部分も含めて、すごくいい講義が受けられたなと思っています。
(稽古前のバレーボールについて)皆さん余裕でやってらっしゃったんですけど、僕は一生懸命になりすぎて、声出しすぎて、次の日に筋肉痛になりました。(笑)

瀬戸康史:稽古が本当にあっという間で、堤さんと稽古場にもう半月ぐらいは過ごしたかったなっていう気持ちが正直あります。
僕は三役演じるんですけど、僕の衣裳・髪型の変化は劇場でチェックして頂きたいのと、三役演じるにあたり、身体の使い方、足、座り方など、いろいろな工夫をしながら稽古の中で見つけて作っていきました。
本当に苦しい作品ではりますけれど、もしかしたら最後には希望の光が少しだけ見える作品なのかなと僕は思っていますので、皆さんにも自分って何なんだろうとか、そういうことを感じていただける作品なのかなと思います。
僕たちが「これから立ち稽古を頑張るか」という日ぐらいに、もう大東さんが「もう俺たちは通し稽古で」という言葉をかけて去って行ったのがすごく印象的で、そこからの焦りが半端じゃなかったです。(大東が「ごめんな」と)

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大東駿介:あんまり見ない2本立ての作品なんで、 稽古期間も一緒で。ただ、作品の尺でいうと僕らは半分以下ぐらいなんです。だから(堤・瀬戸の)おふたりは時間が足りないって言ってるんですけど、僕たち割と十分。(笑)もう出し切った感じです。楽しみです。
僕が演じるのは某氏、ある男という役です。短いお話しの中で、某氏にとって大切な人を失った悲しみの中、短い永遠のような時間、そういうお芝居です。台本いただいた時点で、こんな作品に出会えるなんて、本当にありがたいな、奇跡のような体験をさせてもらってるなっていうぐらい、ほんとに素晴らしい作品に出会えたと思ってます。僕が出てなくても、3回ぐらい観に行ってるんじゃないかと思います。でも出てる方が嬉しいですよ。ありがとうございます。
僕たちも心理学の先生に来ていただいて、悲しい体験をされた方の悲しみの段階、感情の段階について講義してくださって、すごくタメになりました。自分の作品とは関係ないのですが、クローンの講義も受けて、やっぱり自分たちの作品にも繋がるところがあった。この2作品が同時に上演されるのは、今回初めてのことなのですけれど、この2作品がちゃんと寄り添うようにあるのは本当にすごいことだなと、その先生にお話伺う段階で感じたのは。すごく面白かったです。

浅野和之:作品的には短いですけど、もう何十年もやってきましたけど、やっぱり初日はいつも緊張するので、明日は私の心臓がきっとバクバクしていることだと思います。
私は某氏の中に存在する未来と現在という役です。彼の中にある葛藤とか喜び、苦悩、希望みたいなものを体現した形で出てくるんですけど、 見どころとしては出てくる時が1番楽しいかなと思っています。少しわかりにくいなって思うところもあったりするかもしれませんけど、感じていただければ1番いいんじゃないかなと。あまり頭をつかってみようとか思わずに、なんとなくこう言ってるんだなと、それぞれの方が感じていただければそれで僕はいいと思っております。ですから、どうぞお楽しみください。
私は稽古が始まる前に、みんなでバレーボールやるんですが、それが1番楽しい。かなり盛り上がりました。最長で60ぐらい(パスをつないだ)です。チームワークを作るのと、体をほぐすのと、心がこうほぐれていくというか。芝居はキャッチボールですから、非常に大事なことです。そういう意味ですごく非常に楽しかったし、僕はためになっていたと思います。

クローンについて、「自分のクローンができたら?」という質問に対して、堤も瀬戸も「要らない」と断言。専門家から「クローンは年の離れた双子と思ってください」と言われたそうで、「全く別の人格」とのこと。大東は「仮に僕のクローンがいたとしたら、『なんで俺にした?』と言います。『もっと大谷とかいるのに』と、お互いに言い合うじゃないかな」と、笑っていた。

Bunkamura Production 2024/DISCOVER WORLD THEATRE vol.14
『A Number—数』
『What If If Only—もしも もしせめて』

【作】キャリル・チャーチル 【翻訳】広田敦郎
【演出】ジョナサン・マンビィ 【美術・衣裳】ポール・ウィルス
【出演】
『A Number—数』
堤真一、瀬戸康史
『What If If Only—もしも もしせめて』
大東駿介、浅野和之
ポピエルマレック健太朗・涌澤昊生(Wキャスト)
【東京公演】2024年9月10日(火)~29日(日) 世田谷パブリックシアター
【大阪公演】2024年10月4日(金)~7日(月) 森ノ宮ピロティホール
【福岡公演】2024年10月12日(土)~14日(月・祝) キャナルシティ劇場