Open Close

ウエストエンドとブロードウェイ2つの演劇の聖地を目指す!ミュージカル『ケイン&アベル』製作発表

2025年1・2月に渋谷・東急シアターオーブ、2・3月に大阪・新歌舞伎にて世界初演として上演される、オリジナルの初演となるミュージカル『ケイン&アベル』の製作発表が10月30日に行われた。
本作は、イギリスのベストセラー作家、ジェフリー・アーチャーの傑作小説を原作に、東宝とキューブが製作するオリジナルのミュージカル。ウエストエンドとブロードウェイという2つの演劇の聖地を目指す作品となる。

IMG_8911s2

左より)池田篤郎(東宝株式会社 常務執行役員演劇本部長) 咲妃みゆ 山口祐一郎 松下洸平 松下優也 知念里奈  北牧裕幸(株式会社キューブ 代表取締役社長)
千ページを超える原作を、いつかミュージカルにしたいという夢を持っていた池田が、東宝とはすでに5作品をつくってきたフランク・ワイルドホーンに打診。原作を読んだワイルドホーンから「すごい作品だ。もう自分の曲のイメージができている」という嬉しい連絡が入り、キャスティングへ進んだろ言う。この夏にはブロードウェイの稽古場で、このスタッフとブロードウェイの主演級キャストで脚本をベースにした読み合わせ・歌唱するワークショップを行い、素晴らしい出来上がりだったことも報告された。
北牧は改めて原作を読みなおして、家族愛を取り上げた作品であること、世界初演という高い志に敬服して製作に参加したと明かした。

物語は、アメリカとポーランドで20世紀初頭の同じ日に生まれながら、銀行家としての将来が約束されているセレブのケイン(松下洸平)と、寒村で生まれ苦難を経てアメリカにわたってきたアベル(松下優也)という対照的なふたりの人生を描く。

 

IMG_8810s2

知的で清廉で、秘めた炎のような情熱を持つと池田が評したケインを演じる松下洸平は「初めてのグランドミュージカル主演、そしてミュージカル自体も7年ぶりで、不安やプレッシャーありますけれども、ブロードウェイの素晴らしいスタッフの皆さん、そして山口祐一郎さんはじめ松下優也さんと共に、誰も見たことのない新しいミュージカルを作れればいいなと思っております。僕ら含めてキャスト総勢、本当に40人近くいる、本当に大きな作品になります。これだけの大人数の中で、皆さんが一緒に1つのゴールに向かって 1つの船を漕いでいくという稽古場にしたいなと思ってますし、幕が明けてからも毎日毎日新しい発見と出会いに恵まれる、そういう作品になればいいなと思っております」と挨拶。

IMG_8776s2

作品の魅力について、松下洸平は「二人の友情を描いただけの作品ではない。時代に翻弄される人たちをリアルに描いているところも興味深い。いろいろな事が起こって、たくさんの愛する人、大切な人が亡くなっても信念を貫き通した結果、時代が動き、いろいろなものが変わって、最後にほんの小さな友情が残るのがおもしろいところだと思います。僕たちはそれをどこまで表現できるのか。最後に残るのは小さな何か。この小さな何かを、是非お客様に持って帰っていただきたい。ミュージカルは極上のエンタメであるべきだと思いますし、しっかり楽しんでいただきながらも、問いを投げかけて終われるような作品にしたいと思っています」と、作品の本質に触れる答えをくれた。

IMG_8783s2

情熱を表に出すアグレッシブなアベルを演じる松下優也は「アベル役は、ケインと違い生まれがすごく貧しくて、それが故に人一倍野心家。生まれ持ったクレバーさでどんどん成り上がっていく。大切な人を失っていきながら、ケインと争いが始まっていくようなお話ですが、自分自身、野心が強い方だと思っています。今回初めましての洸平さんは、内なる炎は感じながらも穏やかで柔らかい印象がありますので、自然とこの2人の関係性を演じていていけるんじゃないかと思っています。なので、アメリカのケインとポーランドのアベル、東の松下、西の松下みたいに作っていけたらなと思っております」と挨拶。「東の松下、西の松下」には笑いが起こった。

IMG_8763s2

IMG_8742s2

アベルの才能に目をつけるホテルオーナーのリロイ役を演じる山口祐一郎は、このふたりの印象を「清潔感溢れる2人」だと。続けて「大概三十路を超えると、どっかに『この悪党という感じがするんですけど、それがね、どうにも見えない。どれだけ悪事を働いても、そうは見えない。だから池田さんがキャスティングしたんだな』と松下洸平を評した。一方の松下優也については「アベルは必死に頑張って成り上がるけれども、最後は違ったんじゃないかと。映画では4分かけて描いた死を、優也さんが舞台ではお客様が納得できる何秒かにする。その素晴らしい演技力を客席でお楽しみいただければと思っております」と見どころを紹介した。

原作者のジェフリー・アーチャーからも「音楽には、ケインとアベルを突き動かす深い情熱を独特の説得力で表現する力があると思います。このミュージカルが日本で大きな成功を収めるだけでなく、ウエストエンドやブロードウェイ、そしてそれ以外の地域でも上演され、世界中の観客が洸平と優也の激しい闘いを目撃できることを心から願っています」とのメッセージが届いた。

IMG_8640s2

原作ではアベルの姉でもあり、本作ではアベルの初恋の人・フォロレンティナを演じる咲妃みゆ。

IMG_8677s2

アベルの妻ザフィアを知念里奈が演じる。

IMG_9063

続いて行われた囲み取材では、松下洸平と松下優也の共通点が苗字だけでなく、俳優と音楽活動を両輪としていることや、CDデビューが同時期(2008年11月)らしいこと、好きな音楽性も似ているのではないかと、松下優也から明かされ、これには松下洸平も驚いていた。
読み出したら止まらないベストセラー小説が、どのようなグランドミュージカルとなるのか。公演は2025年1~2月に東京、2~3月に大阪にて。ワイルドホーンの音楽に包まれた、ケインとアベルの火花散る瞬間を、楽しみに待ちたい。

Musical KANE and ABEL
ミュージカル『ケイン&アベル』
東京 東急シアターオーブ 2025年1月22日(水)~2月16日(日)
大阪 新歌舞伎座 2025年2月・3月

原作:ジェフリー・アーチャー
音楽:フランク・ワイルドホーン 歌詞:ネイサン・タイセン
編曲:ジェイソン・ハウランド
振付:ジェニファー・ウェーバー
脚本・演出:ダニエル・ゴールドスタイン

出演
松下洸平 松下優也
咲妃みゆ 知念里奈 愛加あゆ 上川一哉
植原卓也 竹内將人 今拓哉 益岡徹
山口祐一郎

製作:東宝/キューブ東京
公式サイト:https://www.tohostage.com/KANEandABEL/