舞台『ロボット』が、2024 年 11 月16日(土)に開幕。出演は、水田航生 朝夏まなと 渡辺いっけい ほか。演出家・出演者の初日コメントと舞台写真、トレーラーが公開された。観劇レポートとあわせてご紹介する。
工場を訪ねてきたヘレナ(朝夏まなと 右から2人目)に自社自慢をする社長ドミン(渡辺いっけい 中央)
本作は「労働」を意味するチェコ語「robota (ロボタ)」から「ロボット」という言葉を生み出したと言われるカレル・チャペックが100年前に書いた戯曲を、ノゾエ征爾 潤色・演出により、今この時代に蘇らせようという公演。
物語の舞台は、ロボットを製造・販売を一手に引き受ける工場。ロボットの進化により人間は労働から解放され、人間は労働せずとも生活していけるようになった世界で、次第に人間はすべてをロボットに任せるようになった。やがて文句を言わない安い労働力とされてきたロボットたちが、団結して反乱を起こし、人類抹殺の計画を始める。
工場での建築責任者・アルキスト(水田航生 中央)
SFだと分かっていながら、技術の日進月歩を感じる今、SFとは言い切れない真実味を持って迫りくる物語となった。
シンプルに見えた舞台セットがシンプルであるが故に俳優たちは等身大の人間に見え、演技達者な俳優陣が身近にいそうな人物を見せてくれるが故に、より現実味を感じさせる。フィクションを単にエンターテインメントとして楽しむのとは違う、心に大きな揺さぶりを感じさせてくれる。キャスト陣も個性的で豪華。シアタートラムという小劇場での、贅沢で濃密な時間。カーテンコールは拍手万雷となった。
▼潤色・演出 ノゾエ征爾 (のぞえ・せいじ)
ついにロボットが動きだした・・!
11名の操縦士は、各自があまりに個性的で面白すぎるのだが、チームワークもこれまた素晴らしく、大観衆が見守る中でのドキドキの最初の一歩は、、、とても頼もしく、思っていた以上の躍動をしておりました。
一回でサクッと終わるプランだったカーテンコールが、鳴り止まない拍手で二回目となった時に、とっくに楽屋に戻ってしまっていた俳優たちがまたなんともかわいらしく、感謝感激の幕開けでありました。
ぜひぜひ目撃しにいらしてくださいませ。
▼出演 水田航生 (みずた・こうき)
お客様のカーテンコールの拍手にしっかり救われました。色んなトライアンドエラーの中で、コツコツと積み上げてきた「ロボット」アルキスト。公演の日々の移り変わりを楽しみながら、千穐楽の幕が閉じるその瞬間までロボットの世界を「生きて」いきたいと思います!劇場でお待ちしております!
▼出演 朝夏まなと (あさか・まなと)
本日シアタートラムデビューさせていただきました朝夏まなとです。 お客様が入られ舞台に立ってみて、
なんだか温かいもので包まれているような感覚になりました。
それは今日まで演出のノゾエさんを筆頭に、出演者・スタッフ一丸となってこの作品に向き合って来た信
頼感と、お客様が物語にシンプルに没入してくださったからだと思います。
明日からもここでお芝居できるなんて幸せすぎます。
この「ロボット」を見た方全員と語り合いたい気分です。 劇場でお待ちしています。
▼出演 渡辺いっけい (わたなべ・いっけい)
歳のせいでしょうか。初日のカーテンコールの際、隣に立つ水田君と目が合いその笑顔を見た時に感極
まりました。お客様の熱のこもった拍手から「ちゃんと伝わったこと」が感じられて心の底から安堵しまし
た。稽古場で試行錯誤を繰り返した事が決して無駄ではなかったと思える瞬間でした。きっと、あっという
間に千秋楽が来るのでしょう。一回一回集中して、その回その回の「ロボット」を成立させていきたいと思
います。
『ロボット』
【原作】 カレル・チャペック「ロボット」(栗栖 茜・訳/海山社)
【潤色・演出】 ノゾエ征爾
【出演】 水田航生 朝夏まなと / 菅原永二 加治将樹 坂田聡
山本圭祐 小林きな子 内田健司 柴田鷹雄 根本大介 / 渡辺いっけい
【東京公演】2024年11月16日(土)~12月1日(日)シアタートラム
☆演出家ノゾエ征爾と世田谷パブリックシアター芸術監督・白井晃によるポストトーク(19日19時)。(開催回のチケットをお持ちの方がご参加いただけます)
☆聴覚障害者のための字幕タブレット貸出(24日13時、27日(水)19時)、視覚障害者のための事前舞台説明会(30日13時)なども実施。
【兵庫公演】2024年12月14日(土)~12月15日(日)兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
【『ロボット』公式ホームページ】 https://setagaya-pt.jp/stage/15694/