演出・栗山民也、主演・中山優馬による舞台「血の婚礼」が、12月7日(土)に開幕した。ゲネプロの模様を舞台写真と共にレポートする。
「血の婚礼」は、スペインを代表する劇作家フェデリコ・ガルシーア・ロルカが、実際の事件をもとに執筆した傑作戯曲。スペイン・アンダルシアを舞台に、互いの家族の期待を背負いながら結婚式を迎えようとしている一組の男女のもとに花嫁の昔の恋人が現れ、すべてを変えてしまうという物語。
昔の恋人レオナルドを中山優馬が演じ、花婿を宮崎秋人、花嫁を伊藤蒼、レオナルドの妻を岡本玲、花嫁の父を谷田歩、花婿の母を秋山菜津子が演じる。
演出は、日本演劇界の巨匠・栗山民也。単なる恋愛物語ではなく、アンダルシアの伝統と因習や貧富の差に縛られた人間関係が描かれる。そこから生きることの本質を問いかけてくる。
かつて恋人だった二人。なぜ別れたのか、理由ははっきりとは描かれない。レオナルドはすでに結婚し、子も授かった。だが妻のいとこでかつての恋人が結婚する日、誰よりも早く馬を駆って花嫁の元を訪れた。中山優馬は土のにおいのする情熱たぎらせた男・レオナルドを体現。
花婿(宮崎秋人)は純粋に花嫁を愛する。ただレオナルドの一族に夫も長男も殺された悲しみと恨みから抜け出せずにいる母(秋山奈津子)は、花嫁がかつてレオナルドと恋仲で会ったことを知り、花婿の結婚に不安を抱いていた。秋山の見せる悲しみの深さに、引きずり込まれる。
いくつのも“血”に焦点があたられるからこその「血の婚礼」だと気づかされた。熱い情念の公演をお見逃しなく。
血の婚礼
【作】フェデリコ・ガルシーア・ロルカ
【翻案】木内宏昌
【演出】栗山民也
【出演】中山優馬、宮崎秋人、伊東蒼、岡本玲、
舩山智香子、柴田実奈、金井菜々、角川美紗 、谷田歩、秋山菜津子
東京公演 :2024年12月7日(土)~12月18日(水) IMM THEATER
★…アフタートークショー (登壇予定)
12 月11日(水)13:00回…中山優馬、宮崎秋人、谷田歩
12 月17日(火)13:00回…伊東蒼、岡本玲、秋山菜津子
【チケット料金】S席 11,000円、A席8,000円、U-25席 5,000円(全席指定/税込)
※U-25は当日引換券にて一般発売より販売
兵庫公演:2024年12月28日(土)29日(日)兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
【チケット料金】9,500円(全席指定/税込)