ギターの弾き語りで綴る、ベンジャミン・ショイヤーの自伝的な一人芝居ミュージカル『ライオン』が、2024年12月19日より品川プリンスホテル クラブeXにて、日英の俳優によるWキャストの日本初上演が始まり、20日には成河が出演する日本版の公開ゲネプロが行われた。 ゲネプロの模様を動画でご紹介する。
本作はギターの弾き語りのひとり芝居。ニューヨークに暮らす10歳のベンが家族の話をするところから物語は始まり、ベンが父親を通して音楽と出会った幼少期、父の葛藤する青年期、そして家族と離れて音楽を支えに生きていく波乱に満ちた人生を描くもの。台詞を挟むものの、全編を多彩なギターの弾き語りで紡ぐ濃密で迫力あふれるミュージカルだ。
会場となった品川プリンスホテル クラブexは、柔らかなロマンチックな灯りに満たされて、円形劇場から見やすい階段式の座席に様変わり。
来日版は一人で150回以上を上演してきた、マックス・アレクサンダー・テイラーが出演。
日本版ではストレートプレイにミュージカルに、歌にダンスにと活躍する成河が、約1年を「生活は全部、放り出して賭けている」と言うほどにギター演奏に取り組んだ。そして、日本語版の翻訳・作詞に宮野つくりと成河が携わったお蔭だろう。弾き語りをしていることを忘れさせてくれるほどに音楽と歌詞が一体となって耳から入り、しっかりと物語を聴かせてくれる。
リズムに乗って楽しむ楽曲もあれば、若さ感じるロックもあり。怒涛のように続く音楽にあっという間に迎えた終盤には、ベンの機微がじわりじわりと沁みてきて、題名となった「ライオン」の意味にすっかり心つかまれてしまった。
日本版のゲネプロの後には、マックス・アレクサンダー・テイラーが出演する来日版の2日目の公演を観劇した。
マックスがギターをかき鳴らした瞬間、その音色が成河とはまったく違うことに目をむく。だからWキャストは楽しい!そしてこんに楽しいWキャストは他にない。
英語で聴いて字幕で追うと、同じ物語のはずなのに、また違った景色が頭の中に流れる。舞台上の熱が、座席に放射状に広がり伝わってきた。
公演の後にはアフタートークがあり、マックスは日本語訳から再翻訳された内容を聞いて、その要点を捉えた訳の上手さに感動したと話していた。そして、この公演が現地の言葉で上演されるのも初めてとのことだそうだ。
マックスの公演は、21日がラストだが、まだ当日券ありとのこと。この貴重な公演をお見逃しなく。
【マックス・アレクサンダー・テイラー出演 来日版】ゲネプロ ダイジェスト動画
★初日に向けてのコメント★
☆来日版 ベン役/マックス・アレクサンダー・テイラー
東京での『ライオン』初演に参加できることに、本当にワクワクしています!この作品に長い間取り組んできた中で、訪れる場所ごとに、その土地ならではのエネルギーや好奇心を感じてきました。日本の観客の皆さんが私たちと同じくらいこの作品を楽しんでくださること、そして日本でこの作品が長く愛されることを願っています。そして、成河さんが日本語版『ライオン』を初めて演じることも、とても楽しみにしています。彼のパフォーマンスは素晴らしく、ギターの腕前も本当に見事です!
【成河出演 日本版】ゲネプロ ダイジェスト動画
★初日に向けてのコメント★
☆日本版 ベン役/成河
この『ライオン』という作品をオリジナルメンバーと共に届けられる事に誇りと喜びを感じます。ご本人であるベンジャミンは500回、英国版のマックスは実に150回以上の上演を各国で重ねて来ました。そして初めての他言語上演となる今回、彼らは本当に温かく僕のことを受け入れてくれました。今はそのアーティストとしての彼らの心に応えたい、ただひたすらそんな思いです。
この熱が、皆さまにとって良いものとなりますように。
ミュージカル『ライオン』
■出演ベン役(Wキャスト):来日版(日本語字幕付)=マックス・アレクサンダー・テイラー 日本版=成河
■脚本・作曲・作詞:ベンジャミン・ショイヤー
■共同演出:アレックス・ステンハウス、ショーン・ダニエルズ
■翻訳・訳詞:宮野つくり 成河
■公演期間/会場:2024年12月19日(木)‐12月23日(月)品川プリンスホテル クラブeX
■お問合せ:梅田芸術劇場(10:00~18:00)〔東京〕0570-077-039
■企画・制作・主催:梅田芸術劇場
■公演HP:https://www.umegei.com/thelion2024/
■公演X(旧Twitter):@thelion_2024