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舞台『浪人街』稽古場公開 見どころは殺陣「剣を扱う佇まいに一人ひとりの性格や性質が出てくる」

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矢柴俊博 入江甚儀 入野自由 藤野涼子 佐藤誓
神保悟志 玄理 丸山隆平 板尾創路

2月20日(木)より新橋演舞場にて公演が始まる舞台『浪人街』について、稽古場が公開され、主演の丸山隆平、共演の玄理、入野自由、藤野涼子、入江甚儀、佐藤誓、矢柴俊博、神保悟志、板尾創路が登壇して囲み取材が行われた。
本公演は3月16日(日)まで新橋演舞場、3月21日(金)~28日(金)に御園座、4月2日(水)~4月10日(木)に南座にて上演。

「浪人街」は脚本家・山上伊太郎が書き下ろし、1928年にマキノ正博の監督で制作された「浪人街第一話 美しき獲物」から始まるサイレント映画シリーズで、時代劇映画において本作で初めて数十名で行う“集団殺陣”というジャンルを切り開いたことも話題となり、大ヒットを記録。リメイクを重ねた人気作を、今回は倉持裕の脚本、演出は一色隆司により、注目の殺陣はもとより、人間ドラマとしての面白さも詰め込んだ舞台にする。

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丸山隆平が演じるのは、酒と博打に明け暮れる浪人・荒巻源内。

丸山:源内は浪人ですけれども、出生などが謎。その時代に生きるひとりの人間としてすごく自由で、奔放で女にだらしない男が、どのように変わっていくのか、変わらないのかを描ければと思っています。
僕は舞台での時代劇も初めてで、俳優として41(才)というある意味節目の年でもあるので、こうした新しい挑戦をさせていただけるのは 本当に恵まれたことだと思います。おっかなびっくりなところはありつつ、常にアップデートしていかないといけないという意味では素敵なチャンスをいただけたなと。稽古はまだ序盤ですが、毎日フレッシュな気持ちで、発見ばかりで、(この舞台を)お受けして良かったなと思っております。
(座長としては?)今回の『浪人街』は、今まで描かれた『浪人街』と違う新たな解釈だったりもします。群像劇といいますかそれぞれの人物の描かれ方に奥行きがあり、僕が旗を持って「みんな、行くぞ」というよりは個人個人がその役の人生を生きることで、この舞台が大きく進んでいきます。自分のことで精いっぱいでもありまして、僕はいらんことはしない方がいいなと。一色さんが丁寧な演出をしてくださるので、困った時は一色さんということでやっていきたいと思っています。
殺陣は一番大変なところだと思います。面白いのは、剣を扱う佇まいに一人ひとりの性格や性質が出てくるところだと思います。どのような剣の使い方、戦い方に人生がのっかっているのか、楽しみなところです。
江戸末期の時代劇ですが、現代の世の中の仕組みとリンクする部分もあったりするので、共通点も見つけていただきながら観ていただけたら、その中で生きる浪人たちの生き方が爽快で痛快だったりすると思いますので、スッキリしに来ていただける舞台にはなってると思います。そういう楽しみも見どころの1つじゃないでしょうか。

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源内は支払いに窮すると巾着切りのお新(玄理)にたかってばかり。

玄理:お新は他の人のセリフで「鉄火な女」と表現されるのですが、気性が激しいところもあり、気っぷのいいところもありますが、源内のようなダメな男を断ち切れないような一面もある女性です。
お新は源内と母衣さんとの大人な恋愛部分があるので楽しみにしていただけたらと思うのと、アクションでは、源内に蹴りを入れる場面で丸山さんに「ムエタイの選手みたい」と言われているので、キレを磨いていきたいと思います。

源内と居酒屋の用心棒の赤牛(入野自由)とは大立ち回りになる場面の公開された。アクションは稽古を始めて3日とは思えぬ鋭いやり取り。

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演出の一色から細かな演出が入る。聞き入る入野と丸山。

IMG_3911s2赤牛弥五右衛門(入野自由)

入野自由:赤牛は酒飲みで気性の荒い部分があり、源内とは犬猿の仲という役どころです。浪人ですが、武士という身分へのこだわりが強く、そのこだわりがこの物語に強い影響を及ぼすのではないかと思っております。

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右から2人目)土居孫左衛門の妹のおぶん(藤野涼子)

藤野涼子:おぶんはお兄ちゃん(孫左衛門)が大好きでお兄ちゃん思いの妹です。兄が帰参したいと言い出すも帰参に必要な印籠をめぐっていろいろなところに行って、そこで事件を起こして、他の人を巻き込んでしまったりします。(丸山「兄貴はろくでなしやな!」(笑))兄をおもって兄のために行動を起こす妹を演じます。

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中央)母衣権兵衛(入江甚儀)

入江甚儀:母衣はこの物語の傍観者であり、世話焼きであり、そして何より1番誰にも置いていかれている役どころです。この暮らしをとても愛していて、お新をとても愛している役です。53公演頑張ります!
恋愛パートもありますが、僕がお新を分捕ってやります!(丸山「本当のライバルがいるからね」)そうか!(笑)

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板尾創路(土居孫左衛門)

板尾創路:土居孫左衛門という帰参を願っている浪人役です。先ほどの場面では、貧しさ故に(居酒屋の)主人からおにぎりを頂いています。江戸のUber Eatsではありません。浪人街のひとりではございますが、侍のプライドを持ちながら、ここのメンバーとは一線引いている感じの役どころです。
(丸山の印象は?)やっぱり色気がある。荒巻源内という役は色気がないとなかなか成立しないと思っているので、その要素はすごく持ってらっしゃるという感じがします。(丸山から「忖度はないですか?」と聞かれて)全然ないです。そんなに深くもやってない、同じシーンもやってないけれど、客観的に見て。見たことない彼(丸山)が見られるチャンスですよ。
元々の「浪人街」は殺陣がメインだったりするので、これからどんどん(斬られる)人数が増えるんじゃないですか。最終的には松竹の写真や社長もね。(笑) それを一色さんが感動の作品に仕上げる。殺陣をみなさんが頑張っているので、見どころですね。

佐藤誓:浪人とかヤクザが集まる居酒屋の気のいい店主と、 殺さず犯さず、 貧しい者からは思わずという義賊のような盗賊の頭の役をやっております。

矢柴俊博:七郎右衛門という旗本の役をやります。ヤバイ悪役です。頑張ります。
終盤に座長と一騎打ちする場面があります。勝つかもしれません。(笑)

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小幡七郎右衛門 (矢柴俊博) 小幡伝太夫(神保悟志)

神保悟志:小幡伝太夫役です。大好物の悪役なので(笑)存分に楽しみたいと思っております。

舞台『浪人街』
東京 新橋演舞場: 2025年2月20日(木)初日~3月16日(日)千穐楽
名古屋 御園座:2025年3月21日(金)初日~28日(金)千穐楽
京都 南座:2025年4月2日(水)初日~10日(木)千穐楽
原作:山上伊太郎
出演:
荒牧源内 丸山隆平

お新 玄理
赤牛弥五右衛門 入野自由
おぶん 藤野涼子
母衣権兵衛 入江甚儀
藤兵衛 佐藤誓
小幡七郎右衛門 矢柴俊博

小幡伝太夫 神保悟志
土居孫左衛門 板尾創路
製作:松竹株式会社/東京グローブ座
公式サイト https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/2025roningai_enbujo/