4人の刑事たちによる密室・ワンシチュエーション・サスペンス、舞台『クレイジーレイン』が、ワタナベエンターテインメント所属の中尾暢樹、池岡亮介、納⾕健、中山翔貴/真弓 (Wキャスト)の出演で、2025年3月5日(水)~9日(日) 東京・新宿シアタートップスにて上演される。
原作は劇団「渋谷ニコルソンズ」が上演した舞台。
張り込み中の刑事4人の些細な会話から、各々の秘密が次々にえぐり出されていく驚愕のストーリーで、2020年には同じくワタナベエンターテインメント所属の俳優たちよってドラマ化もされた人気作だ。今作も劇団「渋谷ニコルソンズ」主宰の木下半太氏が引き続き脚本と演出を担当する。
池岡亮介と納⾕健が、本作への意気込みを語ってくれた。
納谷健 池岡亮介
CAST
渡辺(借金まみれのギャンブル好き刑事):中尾暢樹
今江(無気力な女好き刑事):池岡亮介
井口(最年長の落ちこぼれ刑事):納谷健
清田(生真面目な堅物新米刑事):中山翔貴/真弓 (Wキャスト)
【あらすじ】
新宿。激しい雨の夜。
殺人の事件現場で張り込みをするも、犯人が現れるわけでもなく退屈な時間を過ごす4人の刑事たち。
ベテランの井口(納谷)は部下に媚び、雨の中を夜食の買い出しに出る。
残された三人の刑事はギャンブル狂いの渡辺(中尾)、マイペースの今江(池岡)、生真面目な新米の清田(中山/真弓)。
井口の悪口を言い合う中、隠していた三人のとんでもない秘密がめくれていく。
裏切りと駆け引き、激しい雨のように刑事たちの狂気は暴走していく……。
―ドラマ『クレイジーレイン』はご覧になられましたか?
池岡・納谷:見てないです。
納谷:再演に出演するときに以前の公演を観る、観ないは、分かれるところかもしれないですね。全体を知りたいから観る方もいると思います。僕は原作のある作品だと原作はしっかり読みますが、台本に自分の色をちゃんと載せなきゃいけない作品なら、以前の作品は見ないですね。今回の僕の役は新木宏典さんが演じておられた役なので「新木さんと僕とは個性が全然違うので観てもいいのかな」とも思ったのですけど、そこは観ずに自分を信じていこうと思っています。稽古が進んできたら、ひとつの楽しみとして観てもいいのかなとは思いますけれど。
池岡:僕も同じですね。「今からやるのになぜ観るんだ?」というのもありますし。「出演者は4人だけだし、人が変われば全然違うものになるんだろうな」と思ったので、ドラマは観ていません。
納谷:怠慢ではなく、戦略的に観ないです。(笑)
池岡:はい。
―オファーされた時点で配役は決っていたのでしょうか?
納谷:3人の配役は決ってなく、一番年下の清田役は誰がやるのかも知らなかったね。
池岡:清田役がWキャストとは思わなかったしね。
納谷:顔合わせの時に、清田役の候補者が何人か来ていて、配役もオーディションふうに決めようということで、本読みをして配役が決りました。
―配役が決まったときは、どう思われましたか?
池岡:僕は本読みの段階で、読んでいて面白いと感じた今江役になったので「よかったな」と。僕が一番年上で、事務所の先輩でもあったので「井口役かな」と思いつつも「そのままだと、あまり面白くないだろうな」とも思っていたので、今江役になってよかったなと思っています。
納谷:僕は自分が一番アグレッシブに動けると思った渡辺役を狙っていましたが、読み合わせをしている段階から井口役固定になり始めた。「全体を見たいから僕を井口役に固定して、他を入れ替えているのかな」と思っていたら、井口役に決まったので…。井口は子持ちで、セリフでも「ベテラン刑事」「おじさん」と言われているので、自分にその貫禄が出せるのかなと。だから、ちょっと体重を増やしています。
―それはイメージチェンジですね。
納谷:はい。いままでやってきたテンポではできない役だと思うので、大改造と言っていいかな。チャレンジでもありますね。
―演出の木下さんから、今回の上演にあたって何か聞いておられますか?
池岡:ちらっと時代に合わせるとは聞きましたね。
納谷:感染症対策やコンプライアンスについての考え方も変わっていますし、今回は女性キャストも加わるので、それに合わせてキャストそれぞれの個性も出してもらえるようになると思います。
―当て書きですか?
池岡・納谷:(笑)
池岡:本読みの後に、プロデューサーから「当て書きじゃん!」と言われたのですが、「それは違う!」と。元々あった脚本ですから。
納谷:ぴったりだった!(笑)
池岡:いや、いや!当て書きと言われたら不本意ですよ。でも、そこにマッチできたなら、役者としては嬉しかったですけど。
納谷:「ありえるな」と思いましたよ(笑)。
池岡:それはいけない!今江は再起不能なくらい狂ってますから!(笑) でも今回の作品では、「本当にそうなのかも」と思わせた者勝ちだと思います。ファンは減るかもしれませんが(笑)、それぐらいやりきりたい。せめて自分だけは今江という役に寄り添って愛して演じたいと思います。
―どんな「狂う」姿を見せていただけるのか、楽しみです。
池岡:「狂う」って難しいと思います。『世界のすべては、ひとつの舞台~シェイクスピアの旅芸人』という作品でハムレット役をやったばかりですが、ハムレットは「狂った」という説明もあるし、自分で「自分は狂った」と言うセリフもありますが、本人は狂おうとしているわけではないので、やりすぎるとくどくなるかもしれないし、本当に難しかった。今回もどこまで意識してやるのかを稽古場で探っていかなくてはいけない。「探り甲斐があるな」と思っています。
―登場人物4人は表面的にはきちんと社会生活をしている刑事なので、狂っていることが余計に怖いです。
納谷:エンターティメント作品の中でぶっ飛んだ役はたくさんやりましたが、真人間でクレージーという役はなかなかないですよ。
池岡:昨年出演した『みわこまとめ』という作品で、ひいきにしてくれた女性が結果的に沼落ちしてしまったというホスト役を演じたのですが、僕はあくまで見た目もホストらしくない、等身大の好青年を演じたのですが、お客様からも周りからも「ひどい人だ」「一番怖かった」と言われてまして。
納谷:ホントに怖かったですよ!
池岡:もちろん周りがそう見えるようにしてくれたから、自分からそこまでやらなくてもそう見えたというのはあると思いますが、その怖さって自分でも気付かない内在しているものが出たのかなとも思ったりもして。まだよくわかってないんですけどね。だから今回も純粋な気持ちで、この役をやってみたいと思っています。
―池岡さんも新たな扉が開くかもしれませんね。
池岡:この作品の登場人物にかぎらず、誰しも潜在的にはあるものだと思うので、こんな狂い方をしている彼らを見て、どこか共感してもらえるところがあるかもしれないし、勇気を受け取ってもらえるかもしれない。そういう寄り添える部分も作っていけたらいいなと思っています。
納谷:僕も「自分の中に狂っている部分は無いか」と探してみたんですけど、自分としては「自分のこだわり」程度にしか思ってなかったことを、「ひねくれてるね」とか「それはダメでしょ!」などと言われるので、こだわりが強すぎると周りからは狂っているように見えてしまうのだろうなと。
―そういう意味では俳優さんは、狂っている(ように見える)かも。観客としては「あんなに大量のセリフを覚えられるなんて!」「役なのか、ご本人かわからない」「凄すぎて怖い」と、しばしば思いますから。
さて、ドラマをご覧になったお客様もこの舞台を観にいらっしゃると思いますが、今回ならではの見どころは、どんなところでしょうか?
池岡:ドラマとは、また違うものになってほしいとは思っています。井口には、やっぱり納谷ちゃんが見えると思いますし、互いを知っているからこそ、「今日は何をしてくれるんだ」というようなキャッチが敏感にできて、そこで生まれたものを純粋に楽しめる。自分たちの関係性などをどれだけ肉付けしていけるか、そういう楽しさはこの会話劇ならではだと思います。
納谷:役に自分の個性をのせたくなっちゃいますね。半太さんの演出は、ストーリーとセリフを入れてしまえば、コメディとしてのテンポや演出的にほしい部分は大切にしつつも、技術やかたちじゃない気がしています。流れの中で出てきたセリフなら、それを活かそうとする方だとも聞いていますし、息遣いやリアルさ、その場の匂いがするような生感が出せることが理想かな。想像を超えるセッションができたら、すごく楽しいだろうと思っています。
―最後に、公演を楽しみにしている方へ、まだ迷っている方へもメッセージをお願いいたします。
池岡:新宿という街の、気軽に来られる演劇です。生身の人間たちが、目の前でリアルを演じるとはいえ、非日常感を味わえると思います。ぜひ劇場に足を運んでください。
納谷:ワタナベエンターテインメントの俳優の中でも、実力派を集めて俳優の闇を見せるものになると思います。ガンガンにさらけ出していこうと思いますので、楽しみに来ていただけたらと思います!
舞台『クレイジーレイン』
脚本・演出:⽊下半太
出演:中尾暢樹、池岡亮介、納⾕健、中山翔貴(Wキャスト)、真弓 (Wキャスト)
日程・会場:2025年3月5日(水)~9日(日) 東京・新宿シアタートップス
チケット料金:7,800円 (全席指定・税込)
主催・企画・製作:ワタナベエンターテインメント
公式ホームページ https://crazyrain.westage.jp/