MMJプロデュース公演『しばしとてこそ』が、明日2月21日(金)より上演される。初日に先立ち、公開ゲネプロが行われた。
本作は、ノンストップコメディの鬼才=大歳倫弘(ヨーロッパ企画)と新進気鋭の作・演出家=小沢道成がタッグを組んでの新国立劇場初進出作品。テーマは「卒業」。独自の視点と表現で切り込んだ、新感覚ディープコメディが、変幻自在の新国立劇場 小劇場に登場した。
客席は舞台を挟む形で対面に設置。俳優は舞台上も舞台下も動き回る。あちこちに目を奪われつつ進む物語は、可笑しくも切なく、そして怖さも。上演時間約100分(休憩なし)。公演は3月2日(日)まで。
【ゲネプロ】
いつの頃か、学校制度における〈卒業〉は自分自身決断する行事となっていて、高校の3年制はもはや標準的なガイドラインでしかない時代。(舞台奥、真っ暗に見えるところにも舞台を挟んで客席あり)
左から)ダイチ(阿久津仁愛)、タクロウ(坪倉康晴)、ミツル(押田 岳)
ダイチ(阿久津仁愛)、ミツル(押田 岳)、タクロウ(坪倉康晴)仲の良い3人組は、3年生を終えた後、卒業のタイミングを自由に選べる〈N学年〉にそろって進級し、〈やり残したこと〉に一緒に挑戦してから卒業することを決意する。
恐る恐る足を踏み入れた〈N学年〉の教室にいたのは、年齢不詳の生徒たち。30代、40代、50代……最年長は60代の生徒だった。
若い担任教師(安斎慎太郎)は彼らに翻弄され、なすすべもなし。
そして、このクセ強なクラスメイトたちは、ダイチたち3人だけでやり遂げるはずだった大切な〈卒業イベント〉に、なぜか次々と介入してくる。その強烈なエネルギーに、3人も揺さぶられて…
彼らはなぜ卒業しないのか?そして、それぞれの「卒業」への思いと選択とは―?
☆⼤歳倫弘(ヨーロッパ企画)/作 コメント
学生時代、友人から「卒業を意識し始めたときに、時間は形を変える」と教えてもらいました。その言葉は当時、学生たちの心を鷲掴みにしていた詩人、326さんの詩のほぼ丸パクリだった、と後ほど判明しますが、聞いたときには「おおっ!」と思ったのでした。舞台のリハーサルを見ていると、そんな細かい学生時代の思い出が次から次へと思い出されていきます。見ると眠っていた学生時代の思い出がどんどんと浮かび上がってくるような舞台になればいいね!と小沢さんと話していたので「うわ、本当にそうなってる!」と驚いています。しかも、それは一度だけじゃなく、見るたびにまた別の思い出が浮かんでくるのですから、本当にどうなっているのでしょうか。
ともかく役者さん達と、小沢さんの試行錯誤と積み重ねに感謝しかありません!面白いです。ぜひ、みなさんもご覧いただき、眠っていた思い出と向き合ってください!
☆⼩沢道成/演出・美術 コメント
この作品は、卒業するタイミングは自由に自分で決めることができるという世界軸を元に大歳さんが書いてくださいまして、それを全員で稽古をしてきて、実に愉快な楽しいお芝居になりました。
今回の舞台美術は、対面舞台になっております。どこから観るも自由です。
2回観てもらうもよし、バルコニー席から観てもらうもよし、様々な楽しみ方ができると思っております。
僕は、人間のもつエネルギーというものを常に大事にしていて、9人の役者さんたちが見事に面白く愉快に、真面目に、すごく心を震わせてやっていただいているので、稽古場としてもとても楽しかったです。
そして、大歳さんが書いたこの世界をスタッフチームの方がさらにさらに広げてくださいまして、やっと劇場に誕生しました。後はお客様が来ていただけるのみとなっております。
ぜひ、お時間がある方はお越しくださいませ。
☆阿久津仁愛 コメント
ついに初日を迎えますね!稽古期間があっという間に過ぎ去っていったような感覚です。楽しみながらもたくさん悩み、迷い、全力で向き合ってきました。劇場の雰囲気もとても素敵で、小道具や照明、音楽も魅力的なので、ワクワクしています!皆さんにこの作品をお届けできることが、本当に楽しみです。2面のステージは、見る場所によって違った印象になると思うので、そこも楽しみながらご覧いただけたら嬉しいです!
☆押田 岳 コメント
いよいよ公演が始まります。ここまで、スタッフキャスト一同愛情を持ってこの作品を育ててきました。皆様とこの作品を通して、時間を共有できることが楽しみです。ぜひぜひ楽しんでください。
☆坪倉康晴 コメント
稽古の時からまるで本当の学生かのように全員で楽しみながら作品を創ってきました。平場のストレート舞台で芝居中はほぼ音楽もありません。役者の持てる力を全て発揮します!リアリティー溢れる作品となっていますので、きっと物語の中で共感できる人物やシーンがあると思います。4面にまっさらな舞台上だからこその楽しさを味わいながら、この演劇をタクロウとして千秋楽まで誠心誠意演じていきます!最後まで宜しくお願いします!
☆⼩島梨里杏 コメント
ようやく私たちの愉快で奇妙な学校生活が始まります。時間は有限です。そんな中でも、ここにいることを選択している彼女彼らは、何を考え、何に揺られて、何を掴もうとしているのでしょうか。本当の意味で笑える決断を、わたしもとっていきたい、時には大胆に、と感じています。 足を運んでくださる皆さまには、感謝しかありません。皆さまの大事な一歩を少しでもお手伝いできるよう、しかとチヒロを務めてまいります!
MMJプロデュース公演『しばしとてこそ』
【公演⽇程】2025年2月21⽇(金)~3月2⽇(⽇)
【会場】新国立劇場 ⼩劇場
【作】 ⼤歳倫弘(ヨーロッパ企画)
【演出・美術】 ⼩沢道成
【出演】阿久津仁愛 押田 岳 坪倉康晴 ⼩島梨里杏 富山えり子 中川晴樹/安西慎太郎 池津祥子 ⼤鷹明良
【公式HP】https://mmj-pro.co.jp/shibashitotekoso/
【公式X】@shibashitote
【企画製作】株式会社メディアミックス・ジャパン(MMJ)