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ぞっとするほどの美しさとノスタルジア 百鬼オペラ「羅生門」開幕 柄本 佑・満島ひかり・吉沢 亮

ミュージカル「100万回生きたねこ」で日本の演劇ファンに鮮烈なインパクトを与えた、イスラエルの鬼才、アブシャロム・ポラックとインバル・ピントの演出による舞台・百鬼オペラ「羅生門」が8日、渋谷区のシアターコクーンで初日の幕を開けた。
物語は、芥川龍之介の代表作「羅生門」に「藪の中」「蜘蛛の糸」「鼻」のエッセンスを加え、芥川自身の人生を絡ませる。柄本 佑、満島ひかり、吉沢 亮という今、注目の3人の俳優が、一人二役となって、何重構造にもなった男と女の魂の物語を描き出す。
一つ一つの場面が美しく、なぜか懐かしい。芝居、ダンスの垣根を取り払った、全身・肉体を使っての感情表現に、満席の観客が息を飲む初日となった。 (撮影:渡部孝弘)

tasuku,hikari

物語の始まりは荒れ果てた門楼から。仕事を失い 住む家もなく途方に暮れた下人(柄本佑)が雨宿りをしていると、女の死体から髪を抜く老婆に出くわす。下人は死体の女に見覚えがあると気が付いた。すると突然、女が目を開いた…。

死体の女が歌う。妖怪たちが踊る。恐ろしいはずの場面が、ぞっとするほどの美しさで迫りくる。
世界中が絶賛を浴びるポラック&ピントが生み出す美、そして心くすぐる郷愁。柄本佑、満島ひかり、吉沢亮が見せる感情の身体表現は、他では決して見ることができない圧倒的な迫力で客席に押し寄せる。

キャストからもコメントも到着した。

tasuku

<柄本佑 コメント>
場当たりにほぼ4日費やし、ようやく初日を迎えます。
具体的にこれからやっていかなければならない課題がちゃんと出てきたように思います。千穐楽まで、日々精進だと思っています。ぜひ、インバル・ピント&アブシャロム・ポラックの世界を楽しんで下さい。

hikari

<満島ひかり コメント>
インバルとアブシャロムの作るものが好きです。芥川龍之介さんの書いた世界に、たくさんの想像力や身体の力が新しい息吹を吹かせています。びゅんびゅん、そよそよ吹いています。現実のこんがらがった糸を解くように、舞台の上を楽しみたいです。

yoshizawa

<吉沢亮 コメント>
ゲネプロが終わった瞬間に、緊張が解けて何故か胃が痛くなりました。
素敵な衣装を着て、美しい照明があたり、とても贅沢な空間の中で芝居をさせて頂いているという実感がふつふつと湧いております。
精一杯頑張ります。
是非お楽しみに。

共演はほかに田口浩正、小松和重、銀粉蝶ら。
本公演はシアターコクーンにて9月25日まで上演された後、10月に兵庫県西宮市、静岡県富士市、名古屋にて上演。