2016年の初演で演劇賞を総ナメにしたミュージカル『ジャージー・ボーイズ』が、9月7日(金)に2年ぶりに幕を開ける。9月5日(火)に囲み取材が行われ、出演するチームWHITE &チームBLUEの7名と演出の藤田俊太郎が登壇。両チームの個性と情熱が伺える会見となった。
公演は9月は東京・日比谷のシアタークリエにて。その後秋田・岩手・愛知・大阪・久留米・神奈川で上演。
藤田俊太郎 福井晶一 海宝直人 中河内雅貴 中川晃教 伊礼彼方 矢崎広 spi
ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』は、♪「Sherry(シェリー)」 ♪「Can’t Take my eyes off you(君の瞳に恋してる)」で知られる「フランキー・ヴァリ&ザ・フォー・シーズンズ」の軌跡を描く。
トニー賞最優秀ミュージカル賞、グラミー賞など全世界で57部門もの賞を総なめにし、2014年にはクリント・イーストウッド監督で映画化もされた名作中の名作。2016年の日本初演では客席から連日の万雷の拍手を受け、菊田一夫演劇賞、読売演劇大賞最優秀作品賞・最優秀男優賞(中川晃教)・優秀演出家賞(藤田俊太郎)他、数々の賞を受賞した。今回は熱烈なリクエストに応えての2年ぶりの再演で、全国ツアーを行う。
【囲み取材】
中川晃教:「初演の経験は再演をするにあたって力になっている」という実感があります。ミュージカルは今、本当に熱く(人気が高く)なってきています。音楽・芝居・ライブ感、その劇場でしか味わうことのできない醍醐味が、ミュージカルをここまで熱くさせているのだと思います。私たちもミュージカルがさらに盛り上がるように頑張っていきたいと思っています。ミュージカルが好きな方も、観たことがない方も感動して頂ける作品になっていますので、是非劇場に足をお運びください。
福井晶一、海宝直人、中河内雅貴, 中川晃教
チームWHITE :初演から変わらぬメンバー
中川晃教:ホワイトチームは初演から更に安定性があり、関係性も築けている上でのスタートで稽古場も楽しくできています。それぞれがこの2年間で確実に一歩一歩進んできているメンバーが集まった時に「初演よりもっと良いものにしよう」という向上心のようなものを感じ、和気藹々としながらもピリッとした緊張感もあります。
中河内雅貴:初演はこの作品のむずかしさを実感し、皆さんの足をひっぱらないように一生懸命にがむしゃらに作品と向き合っていました。今回は余裕も持てるようになり、より研ぎ澄まされた白米のようになっています。白チームだけに。(笑)久しぶりに会っても、見えない絆と深い愛情でつながっているのが伝わってくるやり易いメンバーなので、このお三方との共演はうれしく、さらにブラッシュアップされたレベルアップしたものをお届けできるチームです。
海宝直人:初演は必死に食らいついていた感じでしたが、今回同じセットの中で、頭から稽古して新しい発見がたくさんあります。そういう意味では「なにか違ったことをやってやろう」ではなく、これまでやってきた経験が自然とステージ上に出るのではないか、きっと新しいものを受け取ってもらえるのではないかと思っています。
福井晶一:一度作りあげたので今回は僕等の中でもより熟させて、また新たにいろんなものが見えてくるんじゃないかと思っています。チームWHITEは暖かいホームに帰ってきたような感じです。この作品は音楽ありきなので、音楽にどれだけ寄り添って味方にできるか、最高のハーモニーをお届けできるか。そこを磨き上げていい音楽・いいドラマをお届けしたいと思っています。
中川晃教 伊礼彼方 矢崎広 spi
チームBLUE:中川、矢崎は初演から、伊礼、spiは初参加
中川晃教:(チームBULEh)一筋縄では行かない感じがあるんですが、物語の中でそれぞれ4人がフォーシーズンズ、僕たちのことを思っていたのか、そして思い続けているのか、という脚本がよく出来ているところと、この4人が体当たりで役にぶつかるところがリンクした時に、この作品は感動につながっていくんだと体験しています。
もうひとつ福井さんがおっしゃったように、この作品は音楽が主役と言っても過言でもない。ハーモニーが僕たちの向き合っているところで、楽しくもまだ登る山が目の前にあると実感しています。
矢崎広:初演はチームREDで特殊な稽古だったと思います。その2年前があったからこそ、今回はとてもいい意味で緊張があった現場だったと思います。その緊張感が気張り過ぎて良くない方向に向かう時に助けてくれたのが、伊礼さんとspiさんだと思っています。
チームも変わって人も変わって、生まれて来るものが変わってくる。この作品はそれが如実に出る作品で、稽古をやって来て思うのは、WHITEともREDとも違う、新しいチームが出来上がったと思っています。再演の難しさと楽しさと興奮と期待を感じています。
伊礼彼方:初演を観させて頂いた時に「トミーやりたいな」と思いました。中河内が「初演の時はがむしゃらで」と言っていましたが、今、まさに僕等ががむしゃらで、彼らは高みから僕等を見下ろしていますが「いつか、あそこにたどりついてやろう」と思っています。チームBLUEにはチームBLUEのカラーがあって、とてもクールでスタイリッシュに出来上がっていると思います。同じ脚本なのに、初演やチームWHITEとも解釈や動きが違うのではとても大変だと思いますが、スタッフやシングルキャスト、そして彼(中川)は、支えて下さっています。自由にやって、彼が2年前にとった賞を僕もとりたいなと。トミーという役は中指を立てたくなるような男なので、最低男優賞という賞があったらとれるのではないかと。
spi:伊礼さんのお蔭なのか、毎日楽しくやらせて頂いています。僕も必死に作品に食らいつく気持ちでやらせて頂いています。その愛情や楽しさがお客様に伝わるといいなと思っています。
演出・藤田俊太郎:これだけの個性的なメンバーがいますので、2016年の初演で熱狂を持って受け入れて頂きました。たくさんの受賞はとても嬉しいことでしたが、その甘えからスタートするつもりはまったくありません。もう一度台本を読みなおす、もう一度ハーモニーを追求する。この作品の意義やかたちづくっているものはどこにあるのか、それぞれのチームで追求しました。その結果が、今、シアタークリエの中に集まっています。このメンバーは素晴らしい最高のメンバーです。中川さんの素晴らしい歌声。まとまりのチームWHITEはまとまりを飛び越えて、それぞれが荒くれ者になりました。個性がまるでぎゅっとした白米のようにつぶだって輝いています。とても新しい場所にたどり着きました。
チームBLUEは、伊礼さんとspiさん2人が新しい風を持ち込んでくれました。アッキーさんはアッキーさんという国から生まれたと思うくらい、身体能力も歌唱力も存在感もアーティストとして突出しています。ここに矢崎くんがいます。この4人が集まって新しいハーモニーが生まれました。たくさんの努力をして、公演を重ねて、4人が生み出す音楽と演技のハーモニーを是非楽しんで頂きたいです。
控えめに見ても世界中のどこの劇場に持って行っても恥ずかしくない作品を作りました。皆さん、楽しんで下さい。
シアタークリエでの公演は、9月7日(金)~10月3日(水)。その後、秋田・岩手・愛知・大阪・久留米・神奈川で上演。